米ロサンゼルスを拠点に和菓子ブランド「MISAKY.TOKYO(ミサキ・トウキョウ)」などフードテック事業を手掛ける三木アリッサさん。

アカデミー賞・エミー賞の前夜祭に採用されるなどアメリカで急成長する陰で、「日本人」「女性」といったマイノリティゆえの苦しさも経験したと言います。

YouTube番組『#シゴトズキ』に出演した三木アリッサさんに、日本人起業家がアメリカで挑戦するのに必要な心がけなどを聞きました。

成功につながる2つのアドバイス

――日本人起業家がアメリカでやっていくためのアドバイスはありますか?

2つあります。

1つは、自分にプライドを持って欲しいです。

日本は少子高齢化で先行きの不透明感があって皆さん、どんどんマイナスの気持ちになっているけれど、日本のGDPは世界3位「も」あるんです。しかも、世界的に見れば色々なコンテンツがあって。

私たちはなぜMISAKY.TOKYO というブランドにしたかというと、東京に対するイメージがやっぱり良いからです。

私たちの国の文化は本当に素晴らしくて、経済も含めて色々なパワーを持っているから、今あるものを活かすポジティブマインドを是非持って欲しい。

結局ビジネスは、最終的に自分にどれだけ自信を持てるかと、どれだけめげないかです。泥臭いことをやれるのは、メンタルだと思うのです。

和菓子って、他の方もやろうと思えばできた。私の違いは何かというと、ポジティブメンタリティだと思うのです。

2つ目は、「捨てる」ということも、努力されるといいと思っています。

私たちの伝統文化は、ありがたい事にとても世界的に特異です。ただ、もっとビジネスを大きくしようという時においては、足枷になってしまうこともあります。

弊社の和菓子が何を捨てたかと言うと、「茶室の文化」をある意味捨てました。そして、「おもてなしの心」は守ろうと思ったのです。

私たちは伝統に限らず「過去をどう踏襲するか」をとても大事にしていていた。それは素晴らしいことだし、そのおかげで今の日本があることも事実です。

ですが、世界に広げる、あるいは次世代の子ども達にバトンを渡すことを考えるのであれば、全部100%伝えるのではなく、「捨てる努力」を少しやってもいいのではないかなと。

「茶室の文化」を捨て、「おもてなしの心」を守る

1回捨てると、実は最終的に本物志向に戻るという事例もあります。それが「お寿司」です。

私、小さい頃アメリカに住んでいたのですが、おにぎりを食べていたら「黒い紙を食べている」と言われました。

でもカリフォルニアロールのおかげで、海苔を食べられる、海苔を食べられるから「Sushi」ができて「寿司」になっていく。

別にいま目先を捨てたからといって、全てを捨てているわけではない。ロングタームに物事を見ると捨てやすくなるのかなと思っています。

――海外に受け入れられる形で一回出てみたら、和菓子の文化の裾野が広がっていくということですかね。

そうなのです。

今(※2021年12月時点)、TikTokで27万人フォロワーがいて、累計動画再生が3,000万回あるのですが、そのおかげで琥珀糖をレシピで作るインフルエンサーがいっぱい増えたのです。

アジャストすることによって、インターネット時代だからこそ色々な波及効果がでる。自由に新しくやっていることこそが未来につながって、最終的に伝統に戻っていくのを確信しました。

なので、ある意味一瞬捨てても、それは戻っていくから、どうか自信を持って欲しいなと思います。

【三木アリッサを知る10の質問】

――仕事は好き?

大好き。

――仕事の内容は?

フードテックホールディングスカンパニーです。

――朝、何時に起きる?

朝は最近忙しいので5時に起きていますが、いつもは昼の13時。朝ダメなんですよね…(笑)

やっぱり私は夜型で、夜にクリエイティブが爆発するので。だから、うちの会社は完全フレックスです。

――夜、何時に寝る?

夜型なので真夜中の2時とかですね。

――毎日欠かさずやることは?

毎日欠かさずやることはないです。飯を食う。

――最近ハマっていることは?

最近サーフィンを始めました。

――学生時代に戻ったらやりたいことは?

いや、戻りたくないですね。

――いまの仕事じゃなければ何をしていた?

多分いまの仕事をしていたと思います。

――10年前の自分に一言!

人生やっと楽しくなったので今頑張ってください。

――10年後の自分に一言!

会社ちゃんとIPOしていますか!?