ちょっと、今週のお話は卑怯すぎません?
このレビューを毎週ご覧になっている方はご存知だとは思いますが、僕は『アライブ』の世界観においては、箸が転んでも泣いちゃうくらいの、涙腺がバカになっちゃってる状態なのに、ゲストが平田満さんとか卑怯すぎるわー!
平田満さんって言ったらもちろん『北の国から』じゃないですか?純と蛍が父さんに買ってもらって大事に履き続けた靴を探してくれた、あの心優しい警察官の平田満さんじゃないですか?それを知ってる『北の国から』ファンは、“平田満”ってワードだけで思い出してもう涙たまるよね?
…え?……知らない?『北の国から』の“靴のエピソード”知らないですって?おいおい!今、FODでスペシャルも含めて全話見れるんだから、それ見てからココ集合な!!
あ、ごめんなさい、ついつい大好きな『北の国から』、そして大好きな平田満さんだったあまり、取り乱してしまいました。ちなみにその“靴のエピソード”は連ドラ版最終回直前の第23話「破れた靴」です。全話もちろん最高だけど珠玉の回ですので是非!
っと、そんなワケの平田満さんなもんで、先週の予告でチラッと数秒出てきただけでももう涙たまってたくらいなんだから、今回はもう登場した瞬間から泣く準備完了!って感じでしたよ。
そしたら、引きこもりだった息子が遠い昔に何気なく言った「プログラマーになりたい」って、そのたった一言だけで、求人で“プログラマー”の職種を探しまくって、ファイリングして、蛍光ペン引くって、涙拭えるだけのティッシュなくなるよ!卑怯すぎる。
そして、その息子役の篠原篤さんの“退廃感”がリアルすぎるし、映像的にもしばらくその息子にピントを合わせないでいたのに、父のために勇気を出して外に出た場面で、社会の一員であり、ドラマ上でも登場人物の一員になった瞬間みたいにピントを合わせる演出とか卑怯っすわ。
で、加えてそこにちょっとだけ関わる結城先生(清原翔)の人の良さな。急に熱っぽくなるんじゃなくて、ほんのちょっとだけ関わって気の利いた感じを出す結城先生な。今回は出てこなかったけど佐倉さん(小川紗良)のことも、よろしくな(誰目線だよ)。
どれもこれも、泣かそうとするんじゃないし、説得しようとするんでもないしの絶妙な塩梅でもう何もかも卑怯だわー。
そして卑怯と言えば、久々に登場した僕らの京ちゃん(北大路欣也)ですよ。医療過誤を今更ながら素直に認め謝罪した須藤先生(田辺誠一)に、「この過ちを背負い、これからも多くの命を救って欲しい」って、このどっかで聞いたことある様な使い古した感のあるセリフを、息子を亡くして心が折れてしまった京ちゃんが、これまでなんで?って思ってた脚本家設定の京ちゃんが、そして何を言っても締まる北大路欣也さん演じる京ちゃんが、言うことの重みと深みよ。卑怯すぎるわ。卑怯すぎて、締まりが良過ぎて、今日最終回?って錯覚しちゃったもんね。
そして、その田辺誠一さんですが、先週、散々悪く言ってしまいましたが、全然違いました。むしろ、善と悪を行ったり来たりするような絶妙なバランスを保って苦しむ田辺誠一さんでしたね。先週、エレベーターを不敵な感じで昇ってくる田辺誠一さんのシーンで、僕の脳内ではダースベーダーのテーマが流れて、完全に悪決定!だったんですが、全然違いましたね。
須藤先生も悩み苦しんでいたんですね…。教授選とか絡めて、ありきたりなヒールキャラになって、物語をかき回すだけかき回して終わる、そんな胸糞悪い結末じゃなくてよかったです。
この縦軸のエピソードの結末は、よくよく考えると、え?これで終わり?って思いもなくはないですが、予告の感じだと、薫先生(木村佳乃)が抱えた救われなかった気持ちを、その当事者である心先生が癒していく展開になっていきそうで、そういう流れなら、この縦軸の終わり方で十分!
だって一日も早く心先生と薫先生の偽りない交流が見たいんだもの。それが僕の大好きな京ちゃんも漣くん(桑名愛斗)もいる恩田家によって救われるだなんて(そういう展開ですよね?)、これまで『アライブ』を見続けてきたご褒美みたいじゃないですか。いよいよ最終回へと舵がきられそうですが、今後の展開も楽しみすぎる!
text by 大石 庸平 (テレビ視聴しつ 室長)
第7話のあらすじ完全版はこちらから