映画「余命10年」のデジタル配信/ブルーレイ&DVDリリース記念イベントが、7月20日に行われ、小松菜奈さん、坂口健太郎さん、藤井道人監督が登壇しました。
本作は、ヒロインと同じく難病を患い、余命10年を生きた小坂流加さんの同名小説が原作。自らの余命を知り、もう恋をしないと決めた高林茉莉(小松)と、生きることに迷い、自分の居場所を見失った真部和人(坂口)のありふれた毎日が輝き出すという、切ないラブストーリー。
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久々の再会に藤井監督「小松菜奈と坂口健太郎だ!」
3月4日(金)に全国公開されると、興行収入30億円を突破し、2022年邦画実写NO.1の大ヒットとなった本作。
小松さんは「公開して時間が経ちましたが、海外でもタイと台湾で上映され、いい反応が起きているとお聞きしました。言葉が違っても、心が動くことがあるんだなと思い、伝わったことがうれしいですし、勇気をもらいました」、坂口さんは「大ヒットおめでとうございます!」と藤井監督に一礼。
「舞台挨拶やキャンペーンを経て、この3人で会うって久しぶりじゃないですか。公開してからの話は意外としてなかったなと思って。それが今では世界に愛される作品になって、本当に光栄に思います」と挨拶しました。
本作について、小松さんは「特別な作品で、おばあちゃんになっても、そう思えるんじゃないかなというくらい、いい時間だったなと思います。街歩いてるときでも、若い男の子に『余命10年、見ました』と声かけられたり、親子連れのお母さんやおばあちゃんと、幅広い世代の方に見ていただけたんだなと実感できました」と紹介。
坂口さんは「美しい時間の中で撮影していて、撮っている最中から『すごい作品ができるんだろうな』となんとなく頭にありました。こんなに愛される作品って、僕が役者をしていてもなかなか巡り合わないと思うんです。そういう意味では、豊かで美しい作品に出会えたことに感謝したいです」とコメントしました。
また、2人と会うのは本作の公開初日ぶりだという藤井監督は「僕は客席側の人間なので、『小松菜奈と坂口健太郎だ!』って普通に思っちゃうんですね。久しぶりに見るとすごく美男美女で、こういう素晴らしいスタッフやキャストと作れたんだな」と感慨深げ。
続けて「作り手としてライバルが出来たような感覚です。次は、『余命10年』よりも面白いものを、同じチームで、小松さん、坂口さんと撮れたら幸せです」と目標を掲げました。
また、本作でラブストーリーを描いたものの「恋愛映画のオファーはマジで1個も来ないですね」と明かすと、坂口さんは「なんでですか?」と質問。藤井監督は「なんでですかね?『これが良かったから』ってことに自分の中では捉えています」と答えました。
お客さんが選んだ本作のベストシーンを発表
イベントでは、本作の10シーンの中から、お客さんが選んだ好きなシーンを3つランキング形式で発表。そのシーンをもとにトークを展開することに。
<10個のシーン>
「2人の出会い」
「夜桜が舞い散る」
「茉莉と家族」
「和人とげんさん(リリー・フランキー)」
「4人の集い」(2人と、茉莉と和人の中学の同級生・富田タケル(山田裕貴)と茉莉の親友・藤崎沙苗(奈緒)の4人)
「駅前で再会する2人」
「スノボ旅行」
「母(原日出子)に泣き崩れる茉莉」
「茉莉が思い描く空想」
「ラストシーン」
発表の前に、どのシーンが選ばれるか予想すると、坂口さんは「これ、全部ですね」(坂口)、「ゲレンデのシーン(スノボ旅行)とかは楽しいので」(小松)、「候補から漏れそうなのは、『和人とげんさん』」(藤井監督)と、盛り上がりました。
3位に選ばれた「駅前で再開する2人」のシーンでは、極寒の中、半袖で撮影に挑んだ坂口さん。
藤井監督は「めちゃくちゃ風が強くて。ぐちけん(坂口さん)が、すごく小松さんをフォローして、守ってくれてたなという思い出があります」と紹介。
坂口さんは「風がすごく強くて。お芝居してる時って、意外と雨よりも風の方が大変だったりするんですよ。和人として、茉莉ちゃんに寄り添える人でいようとやってたので、そのシーンが3位に選んでもらえて、すごくうれしいなと思います」と振り返りました。
2位は、「母(原日出子)に泣き崩れる茉莉」のシーンがランクイン。
小松さんは「軽井沢(ゲレンデのシーン)から、(自宅のシーンを撮るため)葉山まで移動して。大事なシーンなので、移動車の中でも(主題歌)『うるうびと』を聞いたりとか、感情が枯れないように、新鮮に出せるようにいました。原さんに会ったらすごく安心感があって、ホッとしたというか。お母さんを見た瞬間、『全部言いたいな』となり、芝居に入り込めました」と感謝。
藤井監督は、「小松さんはすごく減量されて挑んでくださっていたので、そこを心配しながらも、感情のつながりを大事にしました。最後の松重(豊)さんの1ショットを撮っているときも、キッチンのお芝居は100%でやってくれていて、素晴らしいシーンが撮れたなと思いました」と称賛しました。
そして1位は、「夜桜が舞い散る」シーン。
小松さんは「この映画には、桜のシーンが多いのですが、1枚の画として見ても美しくて、日本には美しいものがあって良かったなと思ったり。桜の下での物語がたくさんあったなと、私の中でも印象的な時間でした」と回顧。
坂口さんは「カメラのレンズ越しに写ってるのは僕と茉莉ちゃんなんですけど、このシーンを撮るのに全員の力を総結集したような感じになってて。『余命10年』の中で桜というのは、1つのキーワードになってて一瞬のカットに命を懸けてたような、みんなが命がけで作ったシーンだなと感じました」と語りました。
<作品概要>
映画「余命10年」は、ダウンロード配信中。
7月22日(金)にデジタルレンタル開始、ブルーレイ・DVDリリース。
©2022 映画「余命10年」製作委員会