二宮和也さんが主演を務める映画「TANG タング」の現場レポートとメイキングカット公開されました。

この作品は、二宮さんの2年ぶりの映画主演作。ベルリン国際映画祭で「映画化したい一冊」に選ばれ、日本でも人気のベストセラーシリーズで話題のイギリスのハートウォーミング小説「ロボット・イン・ザ・ガーデン」を日本版のアレンジを加えて実写化したもの。

二宮さんが演じる主人公のダメ男・春日井健(かすがい・けん)と、偶然出会った迷子のロボット・タングの大冒険が描かれます。

【写真】二宮和也が涙を浮かべながらタングを見つめる場面

二宮、撮影初日にシャンパンのコルクをナイスキャッチ!

二宮さんと、その妻・絵美を演じる満島ひかりさんのクランクインは、3月26日。都内にある洋館風のハウススタジオからスタートしました。

この日撮影されたのは、華やかなホームパーティのシーン。室内には色とりどりの花やバルーンが飾られ、テーブルの上には丸寿司やブルスケッタ、生ハムサラダなど豪勢な料理が並びます。

ドレスやスーツに身を包んだエキストラたちが揃ったところで、三木孝浩監督がシーンの説明を開始。三木監督は、「テーブルに沿って一列になり過ぎなので、もう少しばらけて自然な形にしましょう」など、丁寧かつ的確に指示を出します。

スタッフと歓談しながらその様子を眺めている二宮さん。本作の作品性を表すような、穏やかな空気が早くも流れており、そこに満島さんと、健の姉・桜子役の市川実日子さんが登場すると、さらに場が華やぎます。

【写真】絵美が桜子からお祝いをされている場面

室内で10数名がそれぞれ動くシーンのため、「グラスを持つ」「持たない」といった細かなセリフのニュアンスについて、三木監督と入念に確認する満島さんと市川さん。2人とも、真剣な中にも笑顔を絶やすことはなく、待ち時間中も二宮さんを含め3人で談笑するなど、チームワークは早くも抜群だったそうです。

順調に撮影が進んでいくなか、このシーンのハイライトといえる瞬間が。それは、絵美が開けたシャンパンのコルクが大きく弧を描いて飛んでいき、最後尾にいた健がキャッチするシーン。満島さんと二宮さんがタイミングを合わせないといけない場面です。

しかし、二宮さんの「飛んできたコルクをキャッチする」演技の上手さにより、こちらもスムーズに撮影完了。実際にコルクは飛んでいないにもかかわらず、そうとしか見えないさすがの表現力と瞬発力を見せつけました。

初日を振り返った二宮さんは、「ここからどうなっていくか想像がつかない。タングとの会話も実際には1人で演じますからね」と気を引き締めつつ、「ロボットとの共演に縛られ過ぎず、いい芝居を優先したい」と語りました。

二宮、タングとの初めての撮影に「人間がポップにやらないと」

4月2日、健とタングの出会いのシーンが千葉県内の牧場で撮影されました。広大な牧草地の一角には、立派な1本の木がそびえ立つエリアが。その幹に寄りかかるタングを健が見つけたことから、2人の大冒険が始まります。

この出会いのシーンは、陽が落ちるまでに撮りきらなければならない全編ロケ撮影。早朝から各スタッフが準備に奔走し、段取り開始は朝一で開始。加えて、今回はタングを自在に動かすため、大掛かりなCG処理が必須となり、撮影自体も特殊な工程を踏む必要があります。

そのため、撮影前からかなりの試行錯誤が予想された現場でしたが、ピリピリした空気はなく、和やかな中にも心地よい集中力が流れていました。その中心にいる二宮さんも、常に自然体。

重要なシーンとあって三木監督からは健の一つひとつの動作や、その時々の心情について細かいリクエストが出されました。しかし、二宮さんは即座に理解し、疑問があればすぐ確認するなど柔軟に対応。加えて、初対面となるタングを前に冗談を飛ばすなど、さりげなく“抜き”の時間を作り、現場の空気を穏やかにキープしていました。

その二宮さんが演じる健の相棒・タングの撮影には、いくつかの過程を踏む必要がありました。タング本体は取扱注意の一点物のため、手足や首を動かすシーンは、専門のスタッフが黒子的にタングを動かし、二宮さんと演技を合わせます。

さらに、シーンによっては腕だけのパーツなどを使って撮影。そこから、細部まで作り込んだ「本番用」と「簡易版」を使い分け、さらには「合成あり」「合成なし」「実景のみ」など、1つのシーンにおいても無数に撮影が生じます。

それに合わせて二宮さんは、同じシーンを何度も繰り返さねばならない状況でしたが、集中力は一切途切れず、常にフレッシュな演技を披露していました。

二宮さんは、「CGと合成を使う現場らしさを感じています」と語りつつ、「人間がポップにやらないと、CGに追いつけない」と、完成形を見据えた演技のこだわりを明かしました。

二宮、クランクアップに喜び「我々の映画への愛情です」

5月10日、主演の二宮さんがクランクアップ。旅の最終地点、海岸線が一望できる岬。波の音が間近に聞こえる絶好のロケーションで、物語の終盤に用意された健とタングの絆が光るエモーショナルなシーンです。

二宮さんのクランクアップと同じく、全体の撮影スケジュール自体も、実景の撮影以外は、この日で終了。初日から最終日まで、二宮さんと共に走り抜けた作品となりました。

二宮さんは最終日も気負うことなく的確な演技を披露し続け、トラブルもなく完走。クランクアップを迎えた際には「本当にうれしいです」と充実感をにじませつつ、「誰一人、新型コロナウイルスの感染者が出なかった。これは我々の映画への愛情です」とスタッフ・キャストを労いました。

その言葉に聞き入っていた三木監督は、「みんなが手探りだったけど、考え抜いてタングと一緒に成長できた」とコメントを残しました。

<映画「TANG タング」あらすじ>

ゲーム三昧で妻に家を追い出された、ダメ男・春日井健(かすがい けん)。わけあって無職で人生に迷子中。ある日、健の家の庭に突然現れたのは、記憶をなくした迷子のロボット。どこからきて、何のためにやってきたか分からないそのロボットは自分のことを”タング“と名乗った。

この迷子同士の運命の出会いが、まさかの驚きにみちた壮大な冒険の幕開けだった!大人とロボット、ふたりの迷子が世界をめぐる大冒険の先に、見つけたものとは?

映画「TANG タング」は、2022年8月11日(木・祝)に全国ロードショー。
©2015 DI ©2022 映画「TANG」製作委員会
配給:ワーナー・ブラザース映画