醍醐虎汰朗さんが主演を務める映画「野球部に花束を」の完成披露上映会が、7月11日に行われ、醍醐さん、黒羽麻璃央さん、三浦健人さん、小沢仁志さん、髙嶋政宏さん、飯塚健監督が登壇しました。
この作品は、クロマツテツロウさんによる同名コミックが原作。高校デビューを目指し、茶髪にして入学したものの、野球部に入部してしまった主人公たちが送る、“時代逆行型”青春コメディ。
黒羽麻璃央、初めての丸刈り体験「ずっと野球をやっていたんですけど…」
主人公の黒田鉄平を演じた醍醐さんは、「(撮影は)すごい短かったのですが、濃い時間を過ごしました。皆さんにお披露目できて、幸せな気持ちです」とあいさつ。
黒田の同級生で一緒に野球部へ入部する、桧垣主圭役の黒羽さんは、「僕は、高校野球をケガで出来なかった人間です。こうして、お芝居として高校野球に携われて本当に嬉しいです」と語りました。
野球部の1年生役の俳優は、本作の撮影中、頭を丸めたそう。
黒羽さんは、「(撮影では)体を酷使していたので、みんなでサウナに行っていたんです。そこに高校生の集団がいるならわかるんですけど、20代後半や、30代の丸刈りの集団は恐ろしい。そのサウナでは、伝説になっていたと思います」と振り返りました。
三浦さんは、「丸刈りにするのに抵抗は、全くなかったですね。僕は仕事で丸刈りを3回くらいしているので、いつでも大丈夫です」とニッコリ。
醍醐さんも、「僕も抵抗なかったかもしれないです」と答え、「学生の頃だったら、女の子にモテなくなっちゃうから、イヤだったかもしれないですけど、20歳を超えてからは、外見へのこだわりがなくなりました。(丸刈りになると聞いて)『あっ、はい』って感じでした」と明かしました。
黒羽さんは、「(子どものころから)ずっと野球をやっていたんですけど、(丸刈りになるのは)強制的ではなかったんです。なので、初めて丸刈りにしました」とコメント。
野球部の熱血監督を務めた髙嶋さんは、「僕は、中学まで野球部だったんです。高校野球部の入部条件が丸刈りになることで、それがイヤで、野球をやめました。非常に情けない話なんです」と語りました。
また、監督役について、「監督ということは、『(野球部の練習で行う)ノックだな』と。そこで、ノックをするための指導をしてもらったんです。ただ、指導の先生が忙しくて、なかなか練習の日程が決まらないので、飲み仲間の甲子園球児とかに、『ご飯をおごるから教えてくれ』と言ってお願いしました」と回想。
続けて、髙嶋さんが、ノックの時に持つバットの持ち方を、刀に例えて説明すると、小沢さんは「お前、刀だろ?俺はドスだもん」とジョークを飛ばし、会場を笑わせました。
醍醐虎汰朗、こわもての髙嶋&小沢コンビに「顔色をうかがっていた」
こわもての上級生役を演じた小沢さん。
飯塚監督は、「小沢さんに、高校生の制服を着ていただくのは、勇気のいる提案でした。ですが、快くドスをバットに持ち替えていただいて、ありがたかったです」と感謝。
小沢さんは、「50代最後の作品がこの作品なんです。しかも、台本を送ってもらってないんです。セリフの抜粋できたんです。しまいには、『学生服に着替えてください』って。しかも、ブレザーは初めて。50代最後の作品が、高校生の役なんて、いい加減にしてほしい(笑)」と笑いました。
醍醐さんは、髙嶋さんと小沢さんについて、「人となりが自分の中でわかるまでは、おふたりとも顔のインパクトが強いので、顔色をうかがっていました。『大丈夫かな?怒られないかな?』って思いながら、話しかけていた記憶があります」と告白。
これに対し、髙嶋さんは、「朝、現場に行ったら、控室に(野球部のハードな撮影で)倒れている人がいるんです。話を聞いたら『昨日の筋肉痛が…』って。びっくりします。なので、僕の方が『どんなすさまじい現場なんだろう…』とビクビクしながら行っていました」と返しました。
黒羽さんは、「(髙嶋さんは野球部の)監督なので笑ってはいけない。でも、本番になると髙嶋さんははるか上の演技で(笑わせてくる)。大変だった」と語ると、醍醐さんも、「本番中に笑ってしまうと、野球部の監督ではなく、飯塚監督に『おい、笑うなよ』って怒られる。監督が2人いるんです!」と付け加えました。
また、イベントでは本作の撮影メイキングの紹介も。
髙嶋さんは「(メイキング映像を見て)思い出しましたよ。飯塚組は、(熱血的な)黒澤明監督を継承する唯一の方だと思います」と称賛。
飯塚監督は「絶対にしてないですよ」と返すも、髙嶋さんは、「撮影でノック練習とか、吐く寸前までやっていましたから」と反論。
黒羽さんも「最後のシーンとかは、リアルに出演者が倒れていって。カメラから映らないところで、みんなが地獄絵図のように…」と振り返り、髙嶋さんは「みんなで作っているという、一体感がありました」とまとめました。
最後に醍醐さんは、「最近はハッピーではないニュースが溢れ、ネガティブになってしまいます。この作品は、90分ほどの長さで、どこかしら皆さんを笑顔にできるものになっています。私たちは『何を見たんだろう…。でも、なんか面白かったな』と、思いながら映画館を出ていただければ嬉しいです」と締めくくりました。
作品概要
中学時代の野球部生活に別れを告げ、高校デビューを目指し茶髪に染めて入学した黒田鉄平(醍醐虎汰朗)。夢見たバラ色の高校生活は、うっかり野球部の見学に行ってしまい、あっけなくゲームセット。
新入生歓迎の儀式で早々に坊主に逆戻り。練習以前に、グラウンド整備や白線引きにすら怒鳴られる日々。おまけに一目惚れした同級生は、なんと先輩の妹(手を出したら、即死)。
そして、ヒエラルキーの頂点に立つのは、ヤバい見た目と言動で三年生をも震え上がらせる最恐の監督。
強くはない、けど別に弱小でもない。そんな中途半端な並の都立高校野球部で、助け合ったりいがみ合ったりしながらも生き延びていく黒田ら一年生。
そして、恐れていたはずの“伝統”に、気がつけば自分たちも染まっていた…。
映画「野球部に花束を」は、8月11日(木・祝)より、全国公開。
©2022「野球部に花束を」製作委員会
配給:日活