古田新太と松坂桃李が共演する映画「空白」の制作の決定が発表された。古田と松坂は映画「パディントン2」で吹き替えキャストとしての共演を経て、今回、実写映画では初共演となる。

今作は、「あゝ、荒野」(17年)、「新聞記者」(19年)、「宮本から君へ」(19年)などの話題作を手掛けた河村光庸プロデューサーが企画し、「ヒメアノ〜ル」(16年)、「犬猿」(18年)、「愛しのアイリーン」(18年)などで知られる吉田恵輔監督がメガホンを取り、オリジナル脚本で制作される。3月より愛知県蒲郡市を中心に全編オールロケで撮影され、2021年の全国公開を目指す。

ある死亡事故から、現代社会の“空白”を映し出す「全員被害者・全員加害者」の物語

物語はスーパーの化粧品売り場で万引き現場を店長に見られ逃走した女子中学生が、道に出た途端、乗用車とトラックに轢かれ死亡してしまうところから始まる。女子中学生の父親は「娘が万引きをするわけがない」と信じ、疑念をエスカレートさせ、事故に関わった人々を追い詰める。

一方、事故のきっかけを作ったスーパーの店長、女子中学生をはねた女性ドライバーは、父親の圧力に加え、加熱するワイドショー報道によって、混乱と自己否定に追い込まれていく。少女の母親、学校の担任や父親の職場も巻き込んで、事件に関わる人々の疑念を増幅させ、事態は思いもよらない結末へと展開する。

古田が演じるのは、死亡した女子中学生の父親で、漁師の添田充。松坂は、女子中学生が死亡したきっかけを作ったスーパーの店長・青柳直人を演じる。

<古田新太コメント>

いつもふざけてばかりのおいらですが、ちょっと頑張って哀しいお父さんを演じられたらなと思います。
社会の何かおかしいなというようなものの話のタネになるような作品になれば。
桃李とは(共演映画「パディントン2」で)“パディントン”と“お父さん”なので、何の問題もありません。

<松坂桃李 コメント >

タイトル通りの作品です。
シンプルではありますが様々な解釈ができる、そんな映画になる気がします。
撮り終えた時に「空白」という作品が自分にとってどんな答えをもたらす映画になるのか、それを問いかけながら撮影に臨みたいと思います。

主演の古田新太さんとは実写では初共演になります。
どんな作品においても圧倒的な存在感があり直球でも変化球でも受け止めて下さる方という印象です。
そんな古田さんと今回、どんなキャッチボールができるのか楽しみでもあり、怖くもあります。
自然と湧き起こる繊細な感情を丁寧に演じていきたいと思います。