『ナンバMG5』第6話完全版
家族に嘘をついてまで白百合高校に通う二重生活を送って1年、いつの間にか千葉を制覇していた難破剛(間宮祥太朗)は、無事2年生に進級した。
美術部は、卒業した東ミチル(加藤諒)に代わって西田リョウ(藤田真澄)が新部長に、そして剛が副部長、藤田深雪(森川葵)が副々部長に就任。牧野弥生(鈴木ゆうか)ら新1年生も入部していた。
深雪とまた同じクラスになった剛だが、今の一番の心配事は、深雪の人気がどんどん上がっていること。伍代直樹(神尾楓珠)や大丸大助(森本慎太郎)といつものラーメン店を訪れた剛は、その悩みを2人にも打ち明けた。
彼女らしき存在がいるらしい伍代にアドバイスを求める剛。すると伍代は、「このまま何もしなければ、いつかは誰かに取られるのは確実だ」と言いだす。
意を決した剛は、「ずっと好きでした。明日、直接お話させてください」と書いた手紙を深雪の下駄箱に入れ…。
あくる日、剛たち美術部員は、写生大会で横浜を訪れる。新入部員の弥生は、風邪で欠席していた。
ところがそこで思わぬ騒動が起きる。深雪が、気に入った構図の中に入り込んでいて邪魔だといって、揃いの赤い特攻服に身を包んでたむろしているレディース「横浜魔苦須(マックス)」のナンシー(玉井詩織)、フー子(佐々木彩夏)、カー子(高城れに)のところへ話をつけに行ってしまったのだ。
するとそこに、魔苦須の二代目総長を狙うヤンキー「ケルベロス」の面々が現れ、魔苦須と一触即発の状態に。
仕方なく特服に着替えた剛は、襲いかかってきたケルベロスのメンバーを倒す。
走り去ろうとした剛を追いかけてきたナンシーたちは、剛のことを「先生」と呼び、強くしてほしいと頼む。するとそこに、赤い特服を着た弥生が現れ、剛に襲いかかる。魔苦須の二代目総長とは、弥生だったのだ。
ナンシーは弥生に事情を伝えると、帰ろうとしていた剛に、自分たちが毎週集まっている場所を伝えた。
剛は、着替えて深雪のところへ戻る。すると深雪は、「特服着たアイツいるじゃん?アイツさぁ、アタシのこと好きみたい」と言いだした。
下駄箱に入っていた手紙も特服が入れたもので、告白するためにわざわざ横浜まで来たと信じ込む深雪。剛は、「体張って守ってくれるなんてステキ!」と言う深雪に複雑な心境で…。
翌週、剛は、再び横浜を訪れ、魔苦須のメンバーと再会する。するとそこに、ケルベロスにやられてボロボロになったカー子がやってくる。
剛から事情を聞かれ、すべてを打ち明ける弥生。1年ほど前に両親が離婚し、母親がすぐに別の男を作ったこともあって居場所を失っていた弥生は、男たちに絡まれていたところを赤い特服の女性に助けられる。
それが魔苦須の初代総長・マリ(百田夏菜子)だった。
マリを慕って魔苦須のメンバーになった弥生は、ある時、ケンカの強さで周囲から一目置かれていた加納光一(庄野崎謙)と知り合い交際を始めた。
だが光一の本性は、理性を失うと手がつけられないほど凶暴な男。怖くなった弥生は、光一と別れようとしたが、激怒した光一は、魔苦須のメンバーを半殺しに。それが原因で少年院に送られ、弥生は光一から逃れるために横浜から千葉に引っ越していた。
その光一が間もなく少年院を出所するという。
マリは、自分の代で魔苦須を解散しようとしていた。しかし、魔苦須に助けてもらったという思いが強かった弥生は、自ら総長を継がせてほしいとマリに頼んだのだ。
魔苦須は、弥生にとっても、ナンシーたちにとっても心の拠りどころ。弥生は、魔苦須のことは自分たちでどうにかするからもう関わらない方がいい、と剛に告げるが…。
別の日、剛はもう一度、魔苦須のメンバーに会いに行く。そんな剛に、特注の赤い特服をプレゼントするナンシーたち。背中には「魔苦須 特別顧問」という刺繍も入っていた。
そこに、初代総長のマリがやってくる。剛にあいさつをしにの来たのだという。剛は、そんなマリたちの前で、「魔苦須は解散したほうがいいと思う」と告げた。弥生は千葉に移り住んだのだから、魔苦須が解散すればケルベロスとの衝突も回避できるというのだ。
続けて剛は、「ケンカなんかくだらねえ。ケンカなんかに勝ったって人生何も変わらねえぞ。勉強とか働くとか恋愛とかよ、なんかあんだろ」と言い放つ。それは、マリがメンバーに伝えたかった言葉でもあった。
だが剛は、その会話をデートで横浜に来ていた兄・猛(満島真之介)に聞かれていることには気づいていなかった。
最初は剛の言葉に反発していたナンシーたちも、魔苦須という居場所に甘えていただけかもしれないと考え直し、チームの解散を決める。
ところがそこに、光一とケルベロスのメンバーが現れる。光一たちは、ナンシーたちを痛めつけると、ナンシーのスマホを使って弥生をおびき出す。弥生の異変に気づいた剛は、伍代に頼み込んで一緒に横浜へと急いだ。
横浜に着いたものの、ケルベロスの居場所がわからない剛と伍代は、ヤンキーたちから情報を集め、とある倉庫にたどり着く。
そこで剛たちが見たのは、弥生を守ろうとして必死に戦い、ボロボロになったナンシーたちの姿だった。怒った剛は、伍代とともにケルベロスのメンバーを一蹴し、光一も倒した。
ナンシーたちは、剛と伍代に礼を言うと、「魔苦須を解散しようと思っている」と伝える。ナンシーたちの思いを知った弥生は「わかった。だけど、解散してもアタシら死ぬまで『魔苦須』だぞ!」と言って笑い…。
自宅に戻った剛は、猛から声をかけられて河原へ行く。
猛は、「オメェ変わったよな」と切り出すと、横浜で剛が魔苦須のメンバーに言っていた言葉の意味を問い正した。剛も、「ケンカなんかしているヒマがあったら、勉強したり恋愛したりしたいと思っているのか」と。
剛は、白百合高校に入ってから手に入れた大切なものを思い浮かべながらも、何も変わっていないと返す。「俺は難破猛の弟だぜ。そんなこと思ってるワケねえだろ?」。
猛は、その言葉に納得して見せたものの、何かに気づいていて…。