5月12日(木)、映画「バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版」の完成報告会が行われ、ディーン・フジオカさん、岩田剛典さん、佐々木蔵之介さん、新木優子さん、広末涼子さん、村上虹郎さん、小泉孝太郎さん、稲森いずみさん、椎名桔平さん、西谷弘監督が登壇しました。
本作では、世界的探偵小説「シャーロック・ホームズ」シリーズを原案とし、誉獅子雄(ディーン・フジオカ)と若宮潤一(岩田剛典)が唯一無二の名探偵バディとして難事件を解決する様子が描かれます。
ディーン「(劇場版は)没入していく感覚が圧倒的」
冒頭の挨拶で、ディーンさんは「ドラマ版から関わらせていただいて、映画化という流れになりまして。映画館で試写を見させていただき、作品の中に没入していく感覚が圧倒的でした。豪華なキャストの皆さんが集まっておりますが、1人1人のキャラクターが織りなす重奏的な物語も魅力の1つになっているんじゃないかなと思います」と紹介。
岩田さんは「ドラマ版『シャーロック』から、約2年半ぶりにパワーアップして帰ってまいりました。とても重厚感のあるエンタメ作品として、万人に届けられる作品ができたなと思っております。久しぶりの西谷組で、とても楽しい撮影期間でした」と挨拶しました。
ドラマ版に続き、刑事の江藤礼二投を演じる佐々木さんは「ドラマ版からずっとやってて、『このままドラマだけで終わってしまうのはもったいないし、寂しいな』と思っていたところに、映画化の話を聞いて、また西谷組で、あのバディに会えると幸せな気持ちになりました」とコメント。
新木さんは「人の深いところに触れるような、上質なミステリーができたな、と観終わったあとに思いました」、広末さんは「映画を観て私も楽しませていただき、そのミステリー、サスペンス要素に引き込まれ、最後は涙が止まらない映画でした」、村上さんは「これまでの出演作でここまでネタバレの厳しい作品は、おそらく初めてだと自負しております」と感想を。
小泉「男ながら、お2人(ディーン&岩田)はなんて美しいんだろう」
また、小泉さんは、ディーンさんと岩田さんの美しさに言及し、「(自分は)男ながら、対峙するたびに、お2人はなんて美しいんだろうと。撮影は大変でしたけど、お2人が持ってる魅力に引っ張っていただき、この作品でしかない世界観に魅力がたくさん詰まった作品だなと思います」とアピール。
新木さんも「2人の顔をスクリーンで観られるのはうれしいと思いますし、私自身お会いしたときに『本物だ!』と思ったくらい、非の打ちどころがない」と乗っかると、岩田さんは「ありがとうございます。恥ずかしいし、つらいです」と恐縮しました。
ディーン「岩ちゃんの母性本能をくすぐる技術が進化」
劇場版での「バディの進化」について聞かれたディーンさんは、「“リモートバディ”に進化しました。ドラマのときは物理的に一緒に行動することが多かったんですけど、映画では遠隔のやりとりで協力しながら事件を解決していくという新しいアプローチになっていて」と説明。
岩田さんは「リモートのシーンも入っているので、最近のご時世柄も楽しんでいただけるかなと思います。僕は撮影前のリハーサルで、(期間が空いて)ブランクがあるはずなのに、すんなりと獅子雄と若宮に帰ってくることができた。それはディーンさんのおかげというか、1クールの撮影で(2人の間に)生まれた阿吽の呼吸は生きてるなと感じました」と感謝しました。
さらにディーンさんは「岩ちゃんの母性本能をくすぐる技術が進化しましたね」と明かし、「岩ちゃんが若宮として、おちゃめだったり、上手くいかない姿がすごくかわいいんですよ。自分も見てて『頑張れ』ってなりますし、自分の中にも母性本能があるんだなと思いました」と告白。
MCが「それは、西谷監督の狙いですか?」と尋ねると、西谷監督は「岩田さんが勝手に暴走したんじゃない?」ととぼけ、岩田さんから「おかしいでしょ。めちゃめちゃ演出です」と、笑顔で指摘しました。
そんな息のあった2人が「名バディの秘訣」を聞かれると、ディーンさんは「初めてお会いした日に、『岩(がん)ちゃん』と呼んだんですね、それが『いわちゃん』だったら、こうはなってなかったかもしれない」と分析。
岩田さんは「お会いしたときから俳優もアーティスト活動もやってるという共通点があり、とてもシンパシーを感じてて。(そんなディーンさんと)劇場版を迎えられてすごくうれしく思います」と語りました。
また、「ドラマで活躍しなかった」という江藤刑事を演じた、佐々木さんは「本編で活躍させてもらえるかと思ったんですけど、それは観てもらえれば分かると思います(笑)。表面積少なくどれだけ手柄を取るか、推理力よりも出世力ですね。いかに獅子雄を盛り上げることで手柄を取るかって考えているんですけど、ドラマ版とは違う江藤さんも見られます」とアピールしました。
新木、広末、岩田が犬との芝居にひと苦労
撮影時に大変だったことについて質問されると、新木さんは「ビルという、ワンちゃん(犬)がバディだったんです。生き物と演技をするってこんなにも大変なんだってくらいに、上手くいかなかった。それでも、上手くいったときには、お互いに心が通じた思い、バディ感を感じました」とコメント。
「ビルに苦労した」という広末さんは、「ビルが何度やっても階段を上がらずで。まさかのトレーナーさんがキレてて驚きました。(そのシーンでは)岩ちゃんさんも私も、息を堪えてずっとスタンバってるんですけど、全然上がってくれないので、その芝居で酸欠になりそうでした」とエピソードを。
岩田さんは「本当に大変でした。でも広末さんが優しくて、ずっとワンちゃんに声かけて、おやつとかあげながら、リラックスしたムードを作ってくれてました」と明かしました。
また、撮影中「ディーンさんに若干いじめを受けた」という村上さんは、ディーンさんから「チェスやろうよ」と誘われたそうで。「チェス初心者なのに、ボコボコにやられて」と暴露。
ディーンさんは「めちゃめちゃ丁寧に教えましたけどね」と弁明し、「虹郎は負けず嫌いで、チェックメイトなのに『ちょっと待った』と1手2手と戻したりして、負けを認めない。そういう姿勢は嫌いじゃなかったです」とニコリ。村上さんは「それくらいハンデをいただかないと」とつぶやきました。
車椅子に乗っての演技となった稲森さんは「セリフと役の感情と車椅子の動きが全然合わなかったんです。医療指導の先生とマンツーマンでやっていただきました」と回顧。
椎名さんは「寒さに体が軋みましたね。6日間連続(寒い中での)お芝居で、稲森さんは車椅子で制限があって、僕は使用人ですからきちっとした姿でいなきゃいけなくて。段々くるんですよね、『腰きたな、背中きたな、脚がきたな』とか。厳しい寒さがある中で、フェイスマスクを付けたり外したり、と抑圧されることがありました。さらに『コロナに感染しちゃいけない』という緊張感もあり、皆さん大変だったと思います」と苦労を語りました。
<作品概要>
瀬戸内海の離島。日本有数の資産家が、莫大な遺産を遺して謎の変死を遂げる。資産家は死の直前、美しき娘の誘拐未遂事件の犯人捜索を若宮に依頼していた。
真相を探るため、ある閉ざされた島に降り立つ獅子雄(ディーン)と若宮(岩田)。
二人を待ち受けていたのは、異様な佇まいの洋館と、犬の遠吠え。容疑者は、奇妙で華麗な一族の面々と、うそを重ねる怪しき関係者たち。やがて島に伝わる呪いが囁かれると、新たな事件が連鎖し、1人、また1人消えてゆく。底なし沼のような罠におちいる若宮。謎解きを後悔する獅子雄。
これは開けてはいけない“パンドラの箱”だったのか?その屋敷に、足を踏み入れてはいけない―― 。
終わらない謎へ、ようこそ。
映画「バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版」は、6月17日(金)に全国東宝系にて公開。
配給:東宝
©️2022「バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版」製作委員会