元日本テレビアナウンサーで、現在はフリーのアナウンサー、実業家、ハーバリスト。さらに、早稲田大学大学院に通う学生でもある宮崎宣子さんが、日々のあれこれを素直に綴ります。
連載コラム 宮崎宣子の「八転び九起き」第5回
みなさん、こんにちは。
私、先日こちらで報告させていただいた通り、4月から新入生となり、42歳にして大学院に通っています。
<【第4回】宮崎宣子 42歳で早大院生になる「また“馬場歩き”する日が来るなんて!」>
早稲田の杜は懐かしくもあり、これから始まる学生生活にワクワクしておりました。
20年ぶりに足を踏み入れた大学は、まるで新天地へ来たかのよう。
建物が改築され、エレベーターとエスカレーターが完備されており、コンビニまで入っていました(私の時代はプレハブ校舎だったのに…)。
教室は馬蹄型に机が配置され、座席にはコンセントが付いており、皆さんパソコンを持ち込んで授業を受けます。黒板はあるにはありますが、使う先生はまれで、スライドとiPadで授業はどんどん進んでいきます。
昔は、カリカリと鉛筆で取っていたノートも、今の学生さんが使うのはパソコン。教室内では、常にカチャカチャとキーボードを叩く音が響きます。
中には、授業のスライドをiPadにダウンロードして、そこにタッチペンでスラスラと記入している人も(す、すごい…)。
新しくなった“文キャン”(※)には、スタバまで!私の学生時代は、スタバは高くてなかなか行けない印象でしたが、それが学校内にあるなんて。時の流れを感じざるを得ません…。
(※)早稲田キャンパスから少し歩いたところにある戸山キャンパスのこと。おもに文学部と文化構想学部の学生が通うため、「文キャン」の通称で親しまれている。
授業は難しいながらも面白いが、一番のネックが…英語
入学式を終え、1週目のオリエンテーションを経て、授業もゼミも決まり、本格的に学生生活がスタートしました。
私が入学したのは経営管理研究科。企業の経営学の授業を受けて驚きました。
微分積分が出てきて、Δ(デルタ)という記号まで。経営学のつもりが「あれ?数学の授業だった?」というくらい公式が出てくるのです。
しかも、「価格の弾力性」や「限界費用を求めよ」などという、今まで聞いたこともない言葉や数字が次々と…。
マーケティングのケーススタディでは、毎回、ハーバードビジネススクールで使用されている「なぜ、この企業はこういう選択をしたのか?」「何が間違っていたのか?」「ターゲットはどこなのか?」などといった資料10枚くらいを読み込まなくてはなりません。
予習・復習も必須で、私の場合、大体一コマの授業に2~3時間の勉強時間が必要になります。
経営学はついていけなくなりつつも…、授業は難しいながらも面白いと思うものが多いのですが、一番のネックは英語です。1年ほど海外に住んでいた時期があるとはいえ、すっからかんに忘れた英語がここに来て必要になるなんて!
ゼミ(英語と日本語があります)には、外国人か英語ペラペラの日本人しかおらず、英語の日は私ごときの実力では太刀打ちできません。
授業で、ビジネス英語や英会話的なものもあり、必死に受けておりますが、それがすでに英検1級レベルで、速くて何にも聞き取れないのです。
これではあまりにもマズい!
そこで、中学・高校英語からの再スタートが始まりました。1日3時間は英語の時間を作り、まずは2000時間勉強しなさい、と先生に指導され、基礎から猛勉強中です。
人生が変わり過ぎて、本当にグッタリも…
私は今、自分の考えの甘さを猛省しています。「ちょっと頑張ればいけるかな?」と思っていましたが、甘過ぎました。これはもう、死に物狂いでやらないとついていけません。
正直、これほど優秀な方々に囲まれた経験はない、というレベルなのです。皆さん、仕事もできて、英語も堪能で、博士かと思えるほど賢いのです。
「私、TOEIC800点ちょっとしか取れなくて…」と聞いた時には、「ええっ!?」(私、受けたこともないんですけど…)と思いましたよ。
早稲田では、TOEICが900点いかない人には、半年に一度強制受験させられるシステムがあります。私なんて、この5月に人生で初めて受けるのに…と圧倒的なレベルの差を痛感する日々。
しかも、若い時のような記憶力もなく、覚えたつもりでも一晩経つと、ほとんど忘れてしまうという…(涙)。
朝6時に起きて満員電車に片道40分ほど揺られながら、車内でも勉強するなんて、まるで高校生に戻ったかのよう。授業を終え、ヘトヘトになりながら、帰りの電車でも予習・復習に追われると、家に着いた時には、放心状態です。
しかも、課題の本や参考文献、さらにパソコンも持ち歩くので、肩こりや血行不良にも悩まされ…。
この1ヵ月、あまりにハードで、そして人生が変わり過ぎて、本当にグッタリしてしまいましたが、それでも、ふと思うのです。
「この歳になって学ばせてもらえる幸せ」と「この歳からでも学べるんだという喜び」を。
何より、大学院には自分が本当に学びたかったことがたくさんあるのです。授業についていくには、さらに勉強を積まなければならず、時間が足りないくらいですが、この環境にいられることには本当に感謝しかありません。
せっかく手に入れた環境ですから、優秀でなくとも、せめて皆さんについていけるように頑張りたいです。
家庭を顧みれば…疲れ果てて、イライラしてしまうこともありますが、夫が洗濯や、愛犬・アロハの散歩も協力してくれて、かなり助けられております。アロハが夫にべったりになっていることに、我に返りつつも、もうしばらくこの生活は続きそうです。
習うより慣れろ…と言いますが、まだ慣れそうにありません。
食べて、飲んで、お風呂にも使える薬草「よもぎ」
ハーバリスト・宮崎宣子のセレクション
私は旅先にもハーブティを持って行きます。旅行先では、ホテルでゆっくり過ごすことが多く、外に出るのは夕方からのお散歩か夕食のときくらい。部屋では、本を読んだり、自前のハーブティを飲んだりしてのんびりするのが好きです。
今回、ご紹介するハーブはよもぎです。
よもぎは日本中に自生する、とても生命力のある植物。豊富な栄養が含まれていて、「草のダイヤモンド」と呼ばれることもあるほどです。
利尿作用があり、体に蓄積した老廃物を体外に排出すると言われています。カラダを温め、血行が良くなることでエネルギー消費が高くなり、さらに、独特な香りが食欲を抑制し、ダイエット効果も期待できるというすぐれもの。
また、アトピー性皮膚炎にも効果があると言われています。特に、かゆみを我慢できない幼児は、症状を悪化させてしまうことも。よもぎには抗炎症作用があるので、皮膚のかゆみをしずめ、肌の生まれ変わりを助ける効果も期待できるそうです。
昔から、食用としてはもちろん、よもぎ風呂、よもぎ蒸しなど、健康を願った人々がさまざまな場面で用いて、今でも日本の文化として愛されているよもぎ。
私も40歳を過ぎてから、よもぎ茶を飲むことを心がけています。よもぎと聞くと、苦そうなイメージがあるかもしれませんが、ノンカフェインで飲みやすいので、毎日飲むのにもオススメです。