窪田正孝さんと山崎育三郎さんが、お互いの魅力を語りました。

2019年、2021年に窪田さんが主演する連続ドラマとして放送された『ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~』。その続編であり、集大成となる映画「劇場版ラジエーションハウス」が現在公開中です。

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天才的な読影能力を持つ放射線技師・五十嵐唯織(窪田)を中心とした、甘春総合病院の放射線科(=ラジエーションハウス)の面々が、今作では「72時間の壁」や「感染症」と対峙。そして、甘春杏(本田翼)のアメリカ留学が決まり、迫る別れのとき。唯織をはじめ、技師たちが選ぶ未来は──。

フジテレビュー!!は、主演を務める窪田さんと今作にゲスト出演している山崎さんにインタビュー。朝の連続テレビ小説『エール』(NHK)以来の共演となった今作への思い、現場でのエピソード、そして、「次に共演するならどんな作品がいい?」など、たっぷり語ってもらいました。

窪田正孝「いっくんが参加してくれてうれしかった」

<窪田正孝、山崎育三郎 インタビュー>

──朝の連続テレビ小説『エール』以来の共演。「劇場版ラジエーションハウス」へ山崎さんの出演が決まったときに、何かやり取りはされましたか?

山崎:「よろしくね」っていうくらいだったけど、連絡しましたね。

窪田:うん。今作で最初にいっくん(山崎)に会ったのは、(山崎さんが演じる)圭介さんたちが事故に遭った後の病院でのシーンだったかな。(※)

※山崎さんは、妊婦である妻・夏希(若月佑美)の検診に行く途中、交通事故に巻き込まれた圭介役を演じています。

山崎:当時、皆さんは連ドラのシーズン2も撮っていて、大変な時で。

窪田:そうそう(笑)。

山崎:そういう中でも、空気は穏やかで、監督を含めて皆さん明るい方なので、落ち着いて現場に入ることができてよかった。現場がピリついていると、ゲスト側としてはドキドキしちゃうからね(笑)。

窪田:それはそうだよね(笑)。

山崎:でも、何よりも、まさ(窪田)が主演を務める作品の現場だから安心して臨めました。

<窪田正孝「ラジハは“しおり”」 劇場版にまで進化した作品への思い>

──実際に、朝ドラとは別の現場で一緒にお芝居をしてみていかがでしたか?

山崎:うれしかったです。まさは現場でいろいろと気を遣ってくれていたよね。「いっくん、明日ディナーショーなんだから、声をつぶさないようにしないと」とか(笑)。

窪田:結構、叫ぶシーンがあったからね。でも、いっくんがゲストで出演してくれて本当にありがたかったです。僕自身、みんなが初めましての現場よりも、シリーズもので空気が出来上がっている現場に入るほうが怖いと思うし、すごく勇気がいることだと思っているから、参加してくれたことは本当にうれしかったです。

それに、いっくんにはLINEしたけど…いっくんが演じた圭介が、映画を盛り上げる重要な部分を担ってくれていて、作品を引き締めてくれていて。感謝しかないです。

山崎育三郎「朝ドラの裕一が染みついていて、まさを見ると…」

──朝ドラ撮影時と今作の現場で、お互いに何か変化はありましたか?

窪田:朝ドラからそんなに期間を空けずにラジハの撮影をしていたので、変化はないですね。久しぶりに、友達に会った感覚でした(笑)。

山崎:「おぉ、元気~!」っていう感じで(笑)。

窪田:いっくんは、いっくんのまんまだし。

山崎:逆に(朝ドラで窪田さんが演じた)裕一が染みつきすぎて…まさを見ると裕一に見えることがあって。

窪田:それはあるかも!すごく重要なシーンでも、(朝ドラで山崎さんが演じた歌手・久志のように)「ターンしてくれるかも!」とか、どうでもいい妄想をしちゃって(笑)。

山崎:「(ミュージカル調で)あぁ、雨が降るぞ!」って(笑)、久志だったらやりかねない!

窪田:やりかねないよね。本当、自分に「変な妄想をするな」と言い聞かせていました(笑)。

山崎:いつもふざけてたからね、久志は。

窪田:(唯織たちが着ている)スクラブを着てたら、久志みたいになってかもしれない(笑)。患者さんに対して、「ようこそ~」とか言いそう!

山崎:あるね(笑)。

──今作で、患者の家族である圭介が、ある究極の選択をしなければいけなくなり、唯織が声をかけるシーンがあります。そういった苦しい場面を共に演じたからこそ感じたことは何かありますか?

山崎:まさの声は、すごく励まされるし、心地いい、優しい声だなと思いました。まさ自身、人に寄り添う人なので、その人柄も声に乗っていて、聞いているとグッときます。

窪田:ありがとうございます。何度でも言いますが圭介という役は、今作の重要な部分を担ってくれていて。泣き叫ぶシーンを見たときに、正直、もっとシーンを共にしたかったし、圭介という役のバックボーンが見てみたかったなと思いました。

いっくんは、僕よりも年齢が一つ上で、お兄ちゃん的存在でもあるけど、すごくフランクで優しい。ラジハの現場はすごくうるさいから、「うるさいなー」「集中させてくれ」って、普通だったらキレてもいいくらいだと思うんです(笑)。特に、いっくんが出ているシーンはシリアスなシーンが多かったから。でも、キレることもなく、寛大で。

山崎:僕が出ているシーンは多くなくて、感情を爆発させるまで、彼はどう生きてきたのかとか、描かれていない部分を考えるのは大変でした。でも、現場でまさが監督に対して「こうしたらいいんじゃないか」と、僕が演じやすいように提案してくれていて。すごく力になりました。

お互いの好きなところは「尊敬できるところがたくさん」「家族を大切にしているところ」

──もし次に共演するなら、どんな作品でどんな関係性を演じたいですか?

山崎:僕が振り回されてみたいですね。朝ドラもラジハも、僕がわーわーやっているところを、まさが見守ってくれていたので(笑)。

窪田:ふふふ(笑)。僕は、セリフも音もない世界の物語をやってみたいですね。いっくんを見ると、いつも音楽があるから。朝ドラでは音楽がテーマだったし、セリフもいっぱい交わさせていただいたから、逆に音も何もない世界で、どんな2人を見せられるのか…。すごく楽しそうだなと思います。

山崎:それ、やってみたい!また一緒にお芝居できるのが楽しみだね。

──最後に、お互いの好きなところをお聞かせください。

山崎:まさ、大好きです!役者としても、人としても。筋が通ってるし、嘘がないし、人に流されない自分の生き方を持っているし、人に対して優しいし…すごい!年齢は一つ下かもしれないですが、尊敬できるところがたくさんあります。

窪田:ありがとうございます!いっくんの好きなところは、たくさんありますけど、一番は家族を大切にしているところかな。家族の写真とか、動画をたまに見せてくださるのですが、家族の話をするいっくんの言葉には愛情がすごく詰まっていて。「いいお父さんなんだろうな」と想像しますし、家族の時間を何より幸せに感じているいっくんを見るのが大好きです。

山崎:家族が一番ですね。その思いが今回の役に生かされたところがあります。実際に父親なので、子どもが生まれるというところに対する思いが強いから。映画を見て、圭介の思いを感じ取ってもらえたらうれしいですね。

窪田:いっくんの泣き叫ぶシーンは、作品の中でも前半の物語を締めてくれて、後半の物語に向かって加速させてくれるものなので、注目してほしいです。

「劇場版ラジエーションハウス」は、全国公開中。
©2022横幕智裕・モリタイシ/集英社・映画「ラジエーションハウス」製作委員会

撮影:今井裕治
ヘアメイク:糟谷美紀(窪田)、松田凌(Y’s C/山崎)
スタイリスト:菊池陽之介(窪田)、金光英行(CEKAI/山崎)