『ゴシップ#彼女が知りたい本当の○○』第9話完全版

瀬古凛々子(黒木華)は、笹目虎太郎(寛一郎)から好きだと告白された。すると、愛用の辞書を取り出して「好き」の意味を調べ始める凛々子。

そこで笹目は、写真を数枚取り出して凛々子に見せた。その中には、取材中の凛々子の姿に混じって、15歳のときの凛々子の写真も。笹目は、「初めてこの写真を撮ったときからずっと、僕は凛々子さんのことが好きです。今は辞書じゃなくて、僕の言葉を信じてください」と告げる。

根津道春(溝端淳平)は、そんな2人の会話を聞いてしまい…。

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あくる日、下馬蹴人(野村周平)は、ネタ会議で若い女性たちから圧倒的な支持を集める小説家・草川敦(渡辺佑太朗)の熱愛疑惑という大ネタを出す。同期会でとあるレストランを訪れた際に、半個室で女性と見つめ合う草川の姿を偶然目撃した下馬は、その様子をスマートフォンで撮影していた。

ところがそこに、書籍編集部の部長・井伏直哉(津田寛治)が矢部涼介(一ノ瀬颯)ら部員たちを率いて押しかけ、凛々子たちに「草川の記事は出すな!」と指示すると、強引にスマホやパソコンを押収する。

実は、草川の小説はすべてクスノキ出版から出版されており、その担当編集者が井伏だった。下馬が草川の事務所に熱愛疑惑の真偽を確かめたことで、事務所から井伏にクレームが入ったらしい。井伏によれば、草川は本日18時から行われる小説の映画化会見で、自ら事実を公表するつもりなのだという。

凛々子と井伏が互いの主張をぶつけて対立する中、もう一つの事件が起きる。届けられた郵便物の中に、凛々子たちをカンフルNEWSの部員たちを盗撮した大量の写真があったのだ。そしてその中には「これはお前たちがいつもやっていることだ。お前たちにも必ずこの報いを受けさせる」という手紙も入っていた。

そんな中、盗撮写真をチェックしていた笹目は、カフェで仕事をしていた下馬の写真の背景に映り込んでいた女性が、草川と一緒にいた女性と同一人物であることに気づく。その女性は、男性と一緒におり、親しげな様子だった。

しかも、この2枚の写真が撮られたのは、ここ1週間のことだった。「ザワザワする」。写真を見比べてそうつぶやく凛々子。

そのとき、下馬のスマホに電話が入った。母親の智子(安澤千草)が倒れ、救急車で病院に運び込まれたという知らせだった。

下馬は、井伏の命令で草川の写真を削除すると、病院へ。医師は、CT検査の結果、智子の肺に影があることを告げた。

改めて下馬の盗撮写真をチェックした笹目は、問題の女性と一緒にいた男の靴に注目する。すると、矢部がその靴はとある高級ブランドのものだと言い出す。矢部が履いていたのも同じブランドのものだった。さらに矢部は、男が身に付けていた高級時計についても、時計に詳しいという父親に問い合わせ、超高級ブランドの限定品であることを突き止めた。

笹目の提案で、昼食は黄実子(りょう)の店にケータリングを頼むことに。特製の薬膳カレーをほおばる椛谷静司(野間口徹)や一本真琴(石井杏奈)たち。最初は断っていた井伏も、その誘惑に負けて矢部たちと一緒に食べていた。

するとそこに、下馬から電話が入る。下馬は、智子はしばらく入院することになったが大丈夫だ、と凛々子に伝えると、外に出ることができたので草川の記事をアップすべきかと尋ねた。しかし凛々子は、もう少し調べたいことがあると言ってストップをかける。

黄実子は、脅迫があったことを知り、凛々子のことを心配していた。かつて黄実子も店のことで逆恨みされ、あらぬ噂を流されたり、脅迫を受けたりしていたのだ。

椛谷がその件を記事にしたおかげで犯人が逮捕された。「私にとってカバさんは恩人です」。黄実子はそう椛谷に告げる。

書籍編集部がカンフルに乗り込んだことを知った仁和は、凛々子に電話する。仁和は、井伏たちの上役に話して引き上げるよう頼んでおく、と約束した。だが、なぜか仁和はそれをせず…。

ワイドショー番組「ハヤミミ」には、数々のヒット作を手がけた有名編集者の川端心平(浜谷健司)が出演しており、作家との関係性の大切さについて語っていた。それを苦々しい表情で見ている井伏。実は川端は、他の編集者が育てた作家が売れそうになると横取りしているのだという。井伏もその被害に遭っているらしい。

そのとき矢部は、川端が身に付けている時計が、下馬の盗撮写真に写っていた男の時計と同じものだと気づく。それを知った凛々子たちは、草川に近づいた女性は川端の指示で動いていた可能性もあると考える。すると井伏は、川端が絡んでいるなら話は別だ、といって凛々子たちの取材を許可した。

それからしばらくして、カンフルNEWSサイトの問い合わせフォームに、下馬の盗撮写真が投稿される。服装から、今日撮られたばかりのものだと思われた。

そのころ下馬は、家を出て徘徊を始めた祖母・清子(今本洋子)の後をついて歩いていた。

電話で盗撮犯のことを知らされた下馬は、道路の角を曲がった先で後を付けていた盗撮犯(工藤孝生)を待ち伏せて腕をつかみ、なぜあんなことをしたのか、と問い詰める。すると盗撮犯は、「アミちゃんのことを悪く言うヤツは絶対に許さない」と言い放ち、腕を振りほどいて逃げていった。下馬は、どんどん先に歩いていってしまう清子のせいで、追いかけることができず…。

凛々子は、会見に出席する前の草川を編集部に呼び、一緒にいた女性のことを尋ねた。すると草川は、その女性・島崎一葉(白石糸)とは、3ヵ月ほど前に知り合ったことを告白。自身も作家を目指しているといい、一葉のほうから草川のファンだと言って声をかけてきたという。

草川は、一葉のことが好きで、彼女と一緒にいると創作意欲がわく、と凛々子や井伏たちに話す。だが凛々子から、誰か編集者を紹介すると言われなかったか、と問われた草川は、ひどく動揺を見せた。

凛々子は、草川のスマホを借り、テレビ電話で一葉と話した。すると一葉は、草川に対しては恋愛感情を抱いていないと言いだす。ショックを受けている草川を尻目に、川端とはどういう関係なのか、と切り出す凛々子。すると一葉は、急に落ち着きがなくなり、以前作品を読んでもらったことがあり、今もアドバイスをもらっている、と答えた。

そのとき一葉は、最初に親指だけを曲げ、次に他の4本で親指を握り込む仕草をする。一葉は、草川の小説が好きだと言うのは本当のことで、特に3作目の「きみと沈むなら」が大好きだと続けたが、そのときなぜか通話が切れてしまう。

凛々子は、井伏から「きみと沈むなら」を借り、読み始める。井伏は、落ち込んでいる草川を励ますと、彼を会見場まで送るよう、矢部に指示した。

ほどなく凛々子は、一葉がハンドサインでDV被害のSOSを出していたことを知る。「きみと沈むなら」の中にその描写があったのだ。そして、一葉とのテレビ電話の背景と、「ハヤミミ」で放送された川端のインタビュー映像の背景が同じ場所──川端の部屋であることに気づく。

根津と笹目は、自ら川端の家に行こうとする凛々子を止め、2人で川端のマンションへと向かった。マンションの所在地は井伏が知っていた。以前、川端の家で行われたホームパーティーに出席したことがあったからだった。

根津たちは、「週刊東西」の編集者だと偽って川端の部屋に入ることに成功し、そこにいた一葉を助ける。一葉の腕には痛々しいアザが。根津は、警察に通報するよう笹目に指示すると、「このことは記事にします」と川端に告げ…。

川端は、女性への暴行容疑で逮捕された。川端は、いつかデビューさせると言って一葉に関係を強要し、逆らうと暴力を振るっていたらしい。一葉を使って草川に近づいたのも、彼を奪うためだった。

草川に会った一葉は、彼に謝った。そんな一葉に草川は、「また新作を書いたら読んでくれますか?」と声をかけ…。

一方、下馬は、盗撮犯に会って話し合いをしていた。笹目が、送られてきた大量の写真の中から、盗撮犯が映り込んでいるものを探し出し、彼が通っていた大学を特定することができたのだ。

盗撮犯の男は、地下アイドルのアミちゃんのファンだったが、カンフルがアップしたドラマ座談会の記事で、彼女の演技をボロクソにこき下ろしていたことが我慢できなかったのだという。その記事は、下馬が他からコピペしたコタツ記事だった。

相手が反省していること、そして下馬のほうもいい加減な記事を出した反省から、今回は警察に届けないということで落ち着いた、と下馬は報告した。

カンフルNEWSは、川端の記事がPVを稼ぎ、目標だった5000万PVを達成する。目標は達成して当然、とクールだった凛々子は、たまには褒めてほしい、という下馬の言葉に、「よくやった。みんなのおかげ」と返す。

屋上にいた根津のもとへやってきた笹目は、今回の脅迫事件のことに触れ、16年前の事件のときのように、凛々子へ向けられる悪意をもう見過ごしたくない、と話す。

仁和は、目標を達成した凛々子を褒め、感謝の言葉を伝える。

だが、凛々子から次に達成すべきことは何か、と問われると、息抜きでもしたらどうだと返す。「それは、私はもう必要ないということですか?」。凛々子は、そう仁和に問いかけたが、すぐに頭を下げて役員室を出て行く。すると仁和は、誰かに電話をして、役員室に来てほしいと告げ…。

真琴は、役員室から戻ってきた凛々子の様子がいつもと違うと感じていた。

根津は、凛々子のデスクの上にあった写真に気づく。それは、笹目が撮影した凛々子の写真だった。写真には撮る側の気持ちが滲み出る──中学生のころの凛々子の写真を見た根津は、笹目のそんな言葉を思い出していた。

笹目は、遊歩道のベンチに座っていた凛々子に、日本を出てもっといろいろな世界を見たいと伝える。賛同する凛々子。すると笹目は、凛々子がもっと自由に生きられる場所がきっとあるから一緒に行かないか、と告げて…。

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