6月28日(日)、フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』で、4男6女、10人の子どもを育てるシングルマザーの續夕美子(つづき・ゆみこ)さんに密着した『シングルマザーの大家族~パパが遺してくれたもの~』が放送される。

續さんは、4歳年下の夫・浩一さんと22歳の時に結婚。「家族は多いほうが楽しいよ」という夫の思いもあり、気づけば大家族になっていた。子どもたちに囲まれ、5年前には念願のマイホームを購入し、幸せはまだまだこれから…という時に浩一さんが亡くなってしまう。

常に家族の中心にいた浩一さんがいなくなったことで、気の緩みがそこかしこに現れ、長男の家出にニート状態の次男、学校にも行かず家の手伝いもしない三女、そして困窮…と、問題が多発。

イライラを募らせ衝突し、悩みながらも子どもたちを育て、時に子どもたちに力をもらいながら懸命に生きる夕美子さん。彼女と家族が新たに一歩踏み出すきっかけとなった“パパが遺してくれたもの”とは…。

今回、番組の語り(ナレーション)を、芳根京子が担当。自身の家族が大好きだという芳根は、續家の数々の困難とそれを乗り越えていく姿を目の当たりにし、何を思ったのか。収録直後にインタビューした。

<芳根京子 インタビュー>

――『ザ・ノンフィクション シングルマザーの大家族~パパが遺してくれたもの~』のナレーションを録り終えていかがですか?

ナレーションをしながら、自分も續家の一員のような感覚になって、楽しかったです。私の家族も仲良しなので、家族は一番そばにいてくれる存在であり、一番の味方だということは実感していましたが、續さん一家の様子を見ていて改めて家族のすばらしさを感じましたね。

特に、長女の愛美さんの存在がステキでした。苦労するお母さんを一番近くで誰よりも長いこと見てきているから、普通の28歳ではないというか。経験値が違う。續家のもう1人の“お母さん”でした。愛美さんのような方がいたら、本当に夕美子さんは、心強いでしょうね。

――もし、ご自身が愛美さんのような立場になったら…という想像はつきますか?

なかなか想像するのは難しいですね。ただ、愛美さんはきっと、どんどんと妹や弟が生まれてくる中で「強くならないといけない」とご自身で感じたのだと思うんです。だからしっかりとされていて…私は、両親のもとで、兄が1人いて、おばあちゃんも一緒に住んでいてという環境で育ったので、とても愛美さんのようになれる気がしません。

だからこそ、あのついていきたくなる存在感はステキだなと感じましたし、何より、夕美子さんにとって唯一弱音を吐ける存在っていうところもいいなと思いました。私は、まだ母に弱音を吐くことしかできていないので。いつかお2人みたいに人として支え合えるようになれたらいいなと思います。

――今回のナレーションで、大変だったことはありましたか?

私、『ザ・ノンフィクション』はいつも泣きながら見ているんです(笑)。だから、いろいろと想像を膨らませて、構えてしまった部分もありましたが、想像していた大変さよりも、楽しさのほうがずっと大きかったです。

――事前に台本をを受け取り、想像を膨らませていく中で、心がけたことはありますか?

ナレーションの技術がないので、とにかく噛まないようにという(笑)。あとは、打ち合わせの際に、夕美子さんとの経験の差を考えることなく「23歳の芳根京子として語っていい」と言ってもらったので、素直に語ることを意識しました。

――ご自身の中で手ごたえはありますか?

どうなんですかね…(スタッフから大きくマルのジェスチャー)良かった!予習してきた効果があったみたいです(笑)。

――ナレーションはお芝居とは全然違うかと思います。向き合い方などで難しさなどはなかったですか?

今までやらせてもらったアニメの吹き替えでは、立って、お腹から声を出すように(お芝居と近い状況)やっていたので、座って、落ち着いて声を入れるというのは、すごく新鮮でした。作品に一つ、花を添えられたらいいのですが…。

もともと声にコンプレックスがあるので、声のお仕事とかいただくとすごく自信になりますね。経験は浅いけど、声のお仕事させてもらえたことはすごくうれしいです!

――イチ視聴者でもあるとのことですが、今後、こんな『ザ・フィクション』が見たいなという題材はありますか?

私、とにかく家族ものに弱いんです。すぐに自分の家族と重ね合わせちゃって、1人で泣いて(笑)。でも、すごく心が温かくなるので好きなんです。だから、今後も家族ものはいろいろと見たいですね。

――またナレーションをするなら家族ものが希望ですか?

何でもやります!よろしくお願いします(笑)。

――もし、芳根さんご自身が『ザ・ノンフィクション』に取り上げられるとしたら、どんな番組が見られるでしょうか?

私よりも、私の周りに注目してもらった方が面白いかもしれないですね。一番ぶっ飛んでいる母を筆頭に(笑)、私の周りには変わった人が多いんですよ。

でも、もし番組に出るとしたら…私、運がいいなあって思うことが多くて。人に恵まれているし。人生の中で奇跡が連発してるんです。奇跡が重なって乗り越えられてきたことがたくさんあるので、その奇跡を中心に人生を振り返る番組になるでしょうか。でも、やっぱり私より母の番組のほうが面白い気がします(笑)。

――最後に、今回の作品の見どころをお聞かせください。

「家族っていいな」、そのひと言に尽きると思います。人数が多くて大変だけど、まとまればすごく強いじゃないですか。みんなで助け合って支え合って、1人1人の強さと、家族の強さを感じられて、私は勇気をもらいました。ぜひ見ていただけたらうれしいです。