今年45周年を迎えるCharが、「変わるものは変わったよね」と、これまでの歩みを振り返った。

11月21日(日)放送の『ボクらの時代』(フジテレビ)は、ギターユニット「三人の侍」としても活動を共にする奥田民生、Char、山崎まさよしが登場。長年活躍してきた3人が音楽業界の変化やコロナ禍で感じた自身の変化などを語り合った。

音楽番組への出演がバレて「転校しろ」

奥田は「小学校のときにギター始めた」と言い、そのころにはすでにCharは「テレビに出ていた」「その人とまさか弦の取り合いをすることになるとは、小学校の僕は考えもしなかった」と振り返った。

山崎も「Charさんって、ホント昔からいるよね(笑)」と言って…。

Char:バカ野郎(笑)!

奥田:いる。

山崎:物心ついたころからいるよ。

奥田:いるよ。デビューが若いんですもんね?

Char:でも21だよ。

山崎:いや、でもあの…。

Char:仕事始めたのは早いけど。

山崎:でしょ、15歳とかでしょ?

Char:15~16だ、うん。

山崎:レコードで最初にクレジット載ったの…。

Char:あおい輝彦さん。

山崎:あおい輝彦さんだ!

Char:あおいさんとテレビとかも出てたよ。それで学校にバレた。だから高1だよね。『ミュージックフェア』(フジテレビ ※当時はカタカナ表記)に出て、司会のご夫婦から「バンドの方に、少年がいますよね?」って言われて、(画面に)抜かれてしまって。で、それが放映されて学校にバレて。

山崎:バイトがバレるみたいなもんですか?

奥田:それは、やっぱり不良行為?

Char:不良というか、「そういうことを志しているんだったらば、そういう芸能高校に転校しろ」って言われて、「ふざけんじゃねぇ」みたいな。でも、芸能活動してるわけじゃないじゃんな?仕事してるわけで。

山崎:どうなんですか…ね?『ミュージックフェア』出たら、もう芸能活動ですよね。

奥田:『ミュージックフェア』出たら、もうそれは、芸能人ですよ。

Char:芸能人じゃねえよ(笑)。

結局、転校はせずに都立高校に通い続けたと話すCharに山崎は「すごいね、高校生で仕事してるんだもんね」と感心する。

すると奥田は「やっぱりそれは東京の人だからね。(広島県や山口県出身の)俺らがそれやろうと思ったら、どんだけいろんなこと積んでいかなきゃいけないか」と言い、Charも「そうだね」とうなずいていた。

レコードを聴く「あの時間の過ごし方がやっぱりいい」

今年デビュー45周年を迎えるCharは、「振り返ると、やっぱりこれがあったから今の俺があるって、全部思う」としみじみ。そして、その間の音楽業界の変化についても言及した。

Char:レコードからCDになって、DATだとかMDだとかいろいろあったじゃん。

奥田:うん。

Char:ついには、ダウンロードになっちゃったじゃない。

山崎:うん。

Char:45年もやってると(笑)、変わるものは変わったよね。

奥田:まあ、だからアルバムみたいなものもね、もうアルバムという…。

Char:概念が。

奥田:「アルバムという概念じゃなくていい」って言い出してますしね。

Char:別に世の中に逆行しているわけじゃなくて、やっぱりアルバムあがってきたらうれしいんだよね。で、A面聴いたら22分だから、だいたい(お酒)1杯じゃん。

山崎:うん。

Char:あの時間の過ごし方がやっぱりいいなと思って、レコードのね。

奥田:いや、よくできているんですよ、レコード1枚分とか46分テープとか、あの辺の長さね。

山崎:そうなんですよね。うん、確かに。

Char:飽きないよね。

と、レコードが持つ良さについて盛り上がった。

「超面倒くさい」ミュージックビデオ撮影の思い出

また、Charは「デビューしたときって、いわゆる音楽映像チャンネルってあった?」と聞いた。

奥田:デビューしてすぐぐらいに始まったのかもな。

Char:いわゆるミュージックビデオ的なのが必要となっていく…。

山崎:ああ、そうか、あのころからぐらいなのかな。

Char:そこで結構、音楽の在り方っていうか、方向が「見る音楽」に変わっていったよね。

奥田:そう、だから、いわゆるプロモーションビデオみたいなものっていうのが一番大事だみたいな時代よね。

山崎:うん、絶対マストだよ。

奥田:超面倒くさいんですよね、あれ。時間がかかって。

そうぼやいた奥田は「誰かが出したアイデアを実現するのが大事だった」と言い、「やったな、俺らも。逆回転に見せない逆回転とかいって」と「歩くサボテン」のミュージックビデオ撮影を語った。

奥田:俺らが逆回転で動いて。もう、身体バッキバキになって。

山崎:わははは!

Char:それは自分たちのアイデアじゃないの?

奥田:俺のアイデアです。

Char:なんだよ、それ(笑)。それで面倒くさいとか言ってんじゃねえ。

山崎:わはははは!

奥田:超ムズイんですよ。そんなことばっかりやってたんですよね。

Char:聞いた?今さっき「面倒くさいんですよね、時間かかるし」とか言って。

山崎:自分だもん。

奥田は、「若いころは、そんなことばかりしてた」と当時を振り返った。

自粛期間中に体力が無くなった!?

自粛期間中は「東京を全然出ていなかった」と言うCharは、久しぶりに新幹線に乗り、その速度に影響を受けて移動先での演奏のテンポが上がってしまったと明かした。

Char:自分ではゆったりやってるつもりなのに、家にずっといたり、その辺うろうろしてるテンポに慣れちゃってて。

山崎:でも、確かに生活のテンポ変わりましたよね。

奥田:そうだね。

Char:もう速い曲とか作ってねえもん。

山崎:ああ、確かに。

奥田:やる気がないってわけじゃないけど、そうですね、確かに、なんかすごい元気な曲みたいなのもあまり浮かばないというか。

山崎:あの、俺もアルバム作ってたんですよ。ツアーやって、アルバム作って。で、結構疲れるんだなっていうのも。

Char:それは、年齢じゃないの(笑)?

山崎:年齢もあるでしょうし。

奥田:いや、単純に確かに体力が絶対なくなって、筋肉がなくなってるんですよ。

Char:やっぱりエレキ持って立って歌ってるっていうのは、実はすごい全身の筋肉使ってるからね。

奥田:確かに立って弾かないもんね。

山崎:そうそう。家で立って弾かないですからね。

Char:たまには、鏡見て「俺ってどうだったっけな?」って。

奥田:確かに大事かも。今すげぇ変わっちゃってるのかもな、弾いてるシルエットが、気づかないうちに。

山崎:(笑)。

奥田:(ものすごい前傾になり)なんかこんなことになっちゃってたり(笑)。

「みんな、俺が50歳になってもいいのかな?」(山崎)

Charの「お前らまだ若いんだから」というツッコミに、「まだ若いんだからって、そうでもないよ」と56歳の奥田が応え、山崎も今年50歳を迎えることを明かした。

奥田:50になって、ショックを受けたりしたの?

山崎:ショック受けてますよ、今。

山崎:俺、ずっと30代的な。

奥田:とっつぁん坊や的な?

山崎:そう(笑)。イヤじゃないけど、「みんないいのかな?」と思います。「俺が50になっていいのかな」って。

Char:なんの問題もない。

奥田:なっていいでしょ、もうそりゃ。

Char:ギター持ったら、(気持ちが)“行く”年齢ってない?

山崎:あ、やっぱり若返りません?

Char:俺は、エレキ持ったらもう17だね。

奥田:マジっすか。

Char:うん、気持ちは。

奥田:俺、17のときが一番うまかったですよ。

Char:ええ?

山崎:(笑)。

奥田:いやいや、うまかないけど、動いたってこと。

Char:でもほら、デビューしたときの曲を今でもやんなきゃいけないじゃん。で、ギターって、ギターの構造上、キーを変えられないじゃん。特にギター弾きながら歌う人っつうのは、年は取れない。

山崎:マジか。

Char:うん。

年齢を重ねることにショックを受けていないと明かした奥田は「単純に『体力落ちたな、これ』ってなるし。まだキー下げてないけど、どうするんだろうな?もし下げなきゃいけなくなったら…とか思ったりはする」と心境を語った。

さらに「30くらいになったときに、あえてピークのキーは作らないようにして、ちょっと守りに(入った)」と曲作りについても語り、Charも「わかるよ」と。

「高ければ良いというものでもない」「ときどき高いくらいの方が(聴く人を)びっくりさせられていいかなとか」「聴く人がちょっとつらい感じになるのもイヤ」などと盛り上がった。