8月6日(木)24時よりFODにてついに最終話が配信され、結末を迎えたドラマ『シックスティーン症候群』。(※現在、毎週火曜日25時25分より地上波にて放送中)
板垣瑞生は、竹内愛紗が演じるビジュアルも中身も男らしい16歳のイケメン女子高校生・東息吹に徐々に惹かれていく浅田睦巳役を演じ、その心の機微を繊細に表現した。
フジテレビュー!!では、最終話の撮影現場にて行われたインタビューを前後編に分けて公開。前編ではドラマでの撮影現場でのエピソードなどを話してもらったが、後編では“俳優・板垣瑞生”が今、感じているさまざまな思いを明かしてくれた。
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一瞬に対して、僕は全力をかけている
――以前、板垣さんは自分のことを「人見知り」と言っていたかと思うのですが、今回の共演者の皆さんからは「人見知りしない人」って言われていましたよね。ストーリーとして、4人が仲良くなるので、そういうことも意識してコミュニケーションを積極的に取ろうとしていたのでしょうか?
それは絶対的にありました。無理して仲良くしなきゃって思っていたわけじゃないですけど、自分が(相手に対して)少しでも素敵だな、と思えるところがあれば、仲良くしたいと思います。やっぱり一緒に作品を作っていく方たちだから、できるだけ情報を共有して、いい作品にしたいと、僕は思うので。
それに、相手をいい人にするか、悪い人にするかって、僕自身の捉え方にかかっていると思うんですよね。でも今回はそんなことを考える前に、みんなすごくいい方ばかりだったから、本当に楽しかったです。
それから浅田というキャラクターもありました。僕は役とプライベートをきっちり分けられるタイプではなくて、カメラの前以外でも、浅田のスタンスでいるので、浅田だったら普通にみんなに話しかけていきますよね。このやり方(役との接し方)は、きっとしんどいことなんだろうけど、これまでずっとそのスタンスで来ているので変わらないと思います(笑)。
――今年はお仕事をする環境に変化があったかと思うのですが、改めて“俳優・板垣瑞生”として活動していく上で、心構えの変化はありましたか?
自分としては(板垣が俳優として注目を浴びた映画)「ソロモンの偽証」(2015年公開)の頃に“戻った”という感覚でもあるんですけど、周りからの目がそうではないことはわかっています。だからそこは、僕がこれから出る作品を見ていただけたらと思います。それは自信を持って言うことができます。
映画やドラマってそのワンカット、一瞬を、何千、何万人の人が見るわけじゃないですか。その一瞬に対して、僕は全力をかけています。面白いお芝居をする、そこの覚悟は持っています。ただ、僕としては極論、作品が面白くなれば、僕個人のことはどうでもいいと思っているから、重要なところではないんですけど。
環境が変わったせいなのか、年齢的なものなのか、そこはわからないんですけど、最近は、前よりも一歩先のことが考えられるようになったかなと思います。少しだけ時間的な余裕ができて、心にも余裕ができて、だからこそ見えてきた景色があるのかな、とは感じています。
――そうやって挑んだ作品が、これからたくさん見られるのが楽しみです。
ありがとうございます。でも、この仕事って厳しいことを言えば、すべて結果論だと思うんですよね。自分の中で途中経過はあるにしろ、それは人に見せるところでもないから。
僕は今までも素晴らしい作品を作ってきたと自分では思っているんですけど、環境が少し変わったことで、改めてその意識を強く持てる機会にはなったのかもしれないですね。もっといいものを作りたいと思えるチャンスをもらったのかもしれないです。
16歳は記憶がないくらい大変な日々。「でもそういう16歳があったから、今がある」
――今作は“16歳”という年齢特有の、登場人物たちの不安定な心情を描いていますが、板垣さん自身の16歳はどんな感じでしたか?
いや~16歳は記憶がないんですよ(笑)。
――約一年に渡ってドラマ「精霊の守り人」(NHK)に出演していた時期です。
今だから話せますけど、本当に壊れていたと思います(笑)。1年間かけてやるドラマだったので、その世界観にどっぷり浸かってしまっていて。(主演の)綾瀬はるかさんを始め、すごい役者さんたちに囲まれて、皆さんに支えていただきましたが、まだ学生でしたし、音楽活動もやっていたので、一回、完全に余裕がなくて壊れたかと思いました(笑)。
――でも、そこから今に向かって上がっていくわけですよね。
ちょっとずつだったとは思いますけど。そこから僕、明るくなったんだと思います(笑)。でもそういう16歳があったから、今があるわけで、すごくいい経験をさせてもらったと思っています。面白い16歳でした。
――そうやって今、笑って話せるのが何よりですね。そんな苦しい時期も乗り越えて、俳優を続けているわけですが、仕事をする上でポリシーとしていることは何ですか?
ポリシー…なんかそう言えるものが。外見的なこだわりとかもほぼないので、この服装じゃなきゃ嫌とか、この髪型がいいとかもないですし。
――ポリシーを持たない、というポリシーありますけど。
なるほど(笑)。でもあとは嘘をつかないことですね。そのときに自分が思っていることや、日々感じていることを、素直に表現できたらいいな、とは思います。
それから、一緒にお仕事をするスタッフの方々とみんなで作り上げたいという気持ちはすごくあります。映画やドラマの現場では、監督がいらっしゃって、その上で、みんなが発言をして、こういう意見もあれば、こんな意見もある、という中で素敵な作品にしたいな、というのはあります。
ゆうたろうとの関係は?「独特の雰囲気が一緒にいて楽」
――では、今のプライベートでの楽しみは?
最近、お花屋さんに行ったりするんですよ。部屋に花を飾ってます。好きなんですよね(笑)。
――なんで笑いながら話しているんですか?
ちょっと花が好きって言うの恥ずかしいじゃないですか(笑)。一回、寝つきが悪くなったことがあって。そのときにおじいちゃんから、部屋に彩りがないといい生活ができない、と言われて。確かにそうだと思って、彩りって何だろう?って考えて、花を飾るようになったです。
そしたら、寝つきがよくなったんですよ。そこから花瓶も気になるようになって、今は花瓶もいろいろ集めてます。透明のタイプのものだけじゃなくて、この間見つけた、真っ白で妊婦さんの形をしたものとか、ちょっと変わったものが気になっています。
あとは脱出ゲームとか、サウナとかですね。サウナはこのドラマの撮影で静岡に行っているときに、近くにすごくいいサウナがあって、そこに行ってからハマったんですけど。昨日も行ったし、東京に帰ってきてからもよく行っています。
――このコーナーのタイトルが“眼福男子”と言うのですが、板垣さんが今、“眼福”しているものも教えてもらえますか?
ゆうたろうくん(笑)。
――今、毎日会ってますからね(笑)。確かに“眼福”ですし。ゆうたろうさんとは波長が合うのですか?
いや、全く違うと思います(笑)。でもそこがいいというか、僕と本当に違うから、ゆうたろうくんといると新しいものに出会えるんです。何か質問をすると、全く予期しない答えが返ってきたり、お芝居でも「そうやって入ってくるんだ!」っていう驚きがあったり。
だからもっとどんな人なのか知りたい、と思って、静岡にいるときはよく一緒にサウナにも行きました。もっと知れたら、お芝居においても変わってくるのかな、とも思って。なんか不思議な出会いでした。あの独特の雰囲気が一緒にいて楽なんですよね。
――それから、最近、料理をするようになったとか。
結構しますね。昨年の後半ぐらいからするようになって、さすがに毎日ではないですけど、わりとしています。麻婆豆腐とかも作ります。
――なにかやり始めたきっかけはあったのですか?
寝つきがよくなかったときが外食ばかりだったので、そのせいかとも思って自炊を始めたら楽しくて。意外と僕、できちゃうんですよ(笑)。友達を家に呼んで鍋もやりました。
――レシピはどうしているんですか?
料理サイトも見ますけど、大体はインスタで調べてます。ホントに簡単な一人飯みたいなものしか作ってないですけど。昨日は焦がしネギの肉ふりかけ丼を作りました。美味しいですよ。
――それで寝つきもよくなった、と。
はい。お花と自炊のおかげでよくなりました。
――そんな板垣さんが今、人生で一番優先していることは?
100%仕事ですね。毎年、年始にその年の目標を細かく書くんですよ。映画に何本出る、とか、この人を超えたい、とか。それを達成することが、今、一番優先していることです。
――それを一年の終わりに検証することもしますか?
します。そうするとできなかったこともわかりやすくなるので。“アカデミー賞で新人賞を獲りたい”というのは、ずっと書いてますね。
でも考えると、優先しているのは、仕事という言い方より、お芝居ってことかも。僕の中でお芝居はオンリーワンかつ、ナンバーワンです。それは何年も前から変わっていないことですね。
撮影:山口真由子
<最終話 ストーリー>
めいを置いて、浅田に会いに行った息吹は、浅田が本気で自分を好きでいてくれるのを感じて、その気持ちに向き合おうとする。だがそこへ、めいの異変に気付いた直から連絡が入る。
息吹、浅田、直の3人は必死でめいを探すが見つからない。浅田はパニックになる息吹を「お前ならめいちゃんがどこに行ったか見当がつくはず」と諭し、3人はある場所へ向かう。