闇、深ェーーーーー!!!
もちろん百合亜(桜庭ななみ)の闇ですよ、とてつもなく深すぎる。
最後、百合亜がママ(板谷由夏)に“あの日の出来事”を告白するんだけど、あまりにも闇が深すぎて、想像してたことと、想像してなかったことがないまぜになっちゃって、理解が追いつかなくて、ママがいい感じのこと言ってそのシーンを締めにかかってくるのが入ってこないのなんの…。もうね、ママと失踪時に百合亜の担任だった岸先生との関係は誰もが想像した通り、案の定、やっぱりかよ…って感じのお話なんだけど、それに対する百合亜の感情と“あの日の出来事”は全然想像もしていなくって、それがとてつもなく辛くてかわいそうで、だからこそママの締め台詞が薄っぺらーく聞こえてくるんだよ…ママ、あんたの罪は相当重いよ…。
そしてそれを見守っていた刑事たち、全員、百合亜に謝って!!
事情も知らず、ようあんな高圧的な態度とれてたよね?まぁだけど、先輩刑事の田辺さんは演じる遊井亮子さんがあまりにもうますぎて、もう“そういう人”にしか見えない…ある意味ご馳走サン!って感じだったし、永井くん(青柳翔)もガタイの良さと反比例するようなヘタレっぷりが最高だったし、そんな永井くんが今回、ヘタレだけどピュアな部分によって百合亜の心を開くのか…?と期待させといて、結局全然使えねぇ!やっぱりオレ達の永井くん!って感じの勇気、もらったからその二人については良いんだけどさ…なんだか妙に腹立ったのが大したこと言わないくせに偉そうな上司の広岡さん(久ヶ沢徹)な。百合亜の壮絶すぎる“独白”を聞いて、視聴者はもちろん、永井くんも、あの田辺さんですらちょっと引いちゃってるのに、広岡さんだけ、
「これで逮捕状請求できる!!」
「できる!!」じゃねーよ。百合亜の話聞いてた?あんた鬼なの?…だけど、どんな感情にも流されない、それが刑事の鑑!!…ってか?くぅーッ、広岡さん腹立つ!
っというわけで、百合亜の深すぎる闇が判明するラストシーンと、ママの薄っぺらに感じちゃう締め台詞、それを見ていた刑事たちの反応、とどめの広岡さんの鬼っぷり…とリアクションも含めて最後までお見逃しなく!!
そして今回、百合亜以上に悲惨だったのが“ユウくん”ですよ。前回、マジ誰?状態だった、突如として現れた黒川(藤森慎吾)の弟、黒川ユウキ…つまりユウくんなんだけど、今回もホントにマジ誰、何者って感じで、大した出番、台詞、分数も出てないし、百合亜が明かしたしたユウくんとの出来事も想像通り…もちろん、前回登場した“斧”の使われ方も想像通り…なんだけど、わかってたはずなんだけど…。
あなたも僕も、ユウくんの顛末に…、泣きます。
なんで斧やねん!古代ヨーロッパか!とか、そういう邪念を全部吹き飛ばして、“ユウくーーーーーーん!!”って絶叫しながら泣きます。あぁ辛い。思い出しただけも辛い。
そして、前半で見せられる百合亜と黒川のある“証拠映像”が、後半のその出来事を経たあとで見ると、全く違ったように見えてくる…同じ映像なのに、その裏にあった出来事を知った後にみると全く違った景色が見えてくる…というトリック的な見せ方は、一面的じゃない深みが増し、一体何が真実なのか視聴者を攪(かく)乱させ、そのことでさらに次回が気になる効果を生んでいます。
…なんだけど、それを経て、そんなユウくんの悲劇があって、こっちは絶叫しながら泣いたっていうのに、広岡さんの「これで逮捕状請求できる!!」に、やっぱり猛烈腹立ってくるんですよね。こっちも思い出しただけで腹立ってきた…。
で、そのラストシーンで真相はほぼ解明。あとは黒川が新たに起こした女児誘拐事件の真相だけで、それが最終回暴かれるわけだ…そのエピソードで最終回まるまる使っちゃうの?なーんだ…その辺は結構どうでもいいのにな…今回無理矢理最終回に持ってってもよかったんじゃね?(いろいろヒドイ)なーんて、ちょっと油断してたら、最終回予告で今まで見てきたことを全部ひっくり返してきます。
まさか、まさかの?前回、ちょっと言い過ぎたかな…って心配してた“百合亜の「セックス知ってる」問題”が掘り下げられそうです。怖いよ!来週最終回だよ?大丈夫かな?
「オトナの土ドラ」、その辺の歯止め効かないんだよな…心配だな…。だけど、結局、最終回気になり過ぎる!!
text by 大石 庸平 (テレビ視聴しつ 室長)