全国で順次公開中のジャルジャル・後藤淳平が単独主演を務めた映画「ロックンロール・ストリップ」のトークイベント付き舞台挨拶が8月26日に開催。後藤と共演の徳永えり、原作者であり監督も務めた木下半太が登壇した。

本作は、大阪のストリップ劇場を舞台に、映画監督を夢見る劇団座長・木村勇太(後藤)が売れない劇団員とともに、奇跡のパフォーマンスを繰り広げる痛快エンターテインメント。木下による自伝的小説「ロックンロール・ストリップ」(小学館文庫・刊)が原作となっている。

25年越しの夢の映画監督デビュー

本作で25年越しの夢であった映画監督デビューを果たした木下は、「監督になったぞー!」と絶叫して会場から温かい拍手を浴びる。「まさか自分の自伝を最初に映画化して、監督するとは思ってもいませんでしたが、8割くらいは本当の話です」とコメントして、鑑賞直後の観客を驚かせた。

そんな木下について後藤は「ずっとキラキラされていて、ハッピーオーラがすごかったですね。それがストリップ劇場全体を包み込んで、みんな幸せに仕事をさせていただきました」と笑顔で語った。

徳永も「(木下が)ずっと楽しそうで、それが一番嬉しかったですね。わたし自身はモニター前に監督がいて、監督が楽しそうにモニターを見つめてくれていれば、それだけで大丈夫だと思えるので、最後まで楽しそうに見ていらっしゃったのが印象的です」と声を弾ませた。

また、撮影初日は、後藤演じる木村と、徳永演じる木村の恋人・栗山千春の別れのシーンの撮影が行われたそうで、木下は「何も撮っていないのにいきなりケンカして、いきなり徳永さんが泣いてるから、『女優ってすごいなあ!』って…」と徳永の泣きの演技に感嘆したことを明かすと、後藤から「監督も泣いてました」と暴露される一幕も。

これに会場から笑いが起こると、木下監督は「あまりにも感動して。周りのスタッフから『早い、早い!』って言われて…」と苦笑していた。

初共演の後藤と徳永の意外な関係性

今回、後藤と徳永は初共演。後藤は徳永について「初共演なんですけど、安心感があるなと思ったら地元が一緒で、通っていたスイミングスクールも一緒だったんです」と明かし、「“同じ釜の飯を食う”って言いますけど、同じプールで泳いでいたんです」と笑顔を見せた。そんな2人の隣町に住んでいたという木下は、自然な関西弁を求め、関西出身者のキャスティングをお願いしたことも告白した。

本作の内容にちなみ、もしストリップ劇場で前座をしてほしいとの依頼があったら、どんなパフォーマンスをするか質問された後藤は「ちょうどストリップのネタが1本だけあるんです。(相方の)福徳(秀介)が脱ぎそうになって、お客さんの僕が『脱ぎそう・脱ぎそう…脱がなーい。おっ、おっ、おっ、おっ…おうん』ってだけのネタがあるんです。それをやります」と返答。これに観客からは笑い声が漏れ、徳永もお腹を抱えて笑いながら膝から崩れ落ちていた。

さらに、本作の内容にちなみ、自身にとっての“青春”とは?と聞かれると、後藤は「芸人始めたてのオーディションに全然受からなかった時期は、いま考えたら青春だと思いますね」と回想。

「月に1回しかオーディションを受けられなくて、何年も上がれないという中で、お互いに試行錯誤しながら、福徳がいきなり坊主にしたり、福徳の坊主が伸びきったあとに僕が坊主にしたり、ヒゲを生やそうと思ったらお互いに産毛しか生えなかったり、1人入れてトリオにしてみよう思ったり。そういう時期は、いま考えたら青春でしたね」としみじみと振り返った。

一方、徳永は「10代の頃から(芸能の)お仕事をさせてもらっていたんですけど、高校生のときにスポ根ものが流行っていて、チアダンスとか、吹奏楽とか、ピアノとか、いろんなものが一気にきていて、スケジュールを見ると今日はピアノのレッスン、今日はダンスのレッスンって、仕事なのか習い事なのかわからないくらいレッスンが多かった時期があったんです」と思い出を語りつつ「それは学校に行けていなかった分、青春だったなって思いますね」と懐かしんだ。

そんな中、木下は「今ですね。だって、やっと夢が叶って映画監督になったので」と目を輝かせ、「勢いあまってこの映画の前売りチケットを1000枚購入して、それを手売りしています。先週は岡山まで売りに行きました。僕が映画監督になって、その映画に僕の劇団員が出られるように頑張らないとなと思っています」と言葉に力を込めた。

©木下半太・小学館/タッチアップエンターテインメント

最新情報は、映画「ロックンロール・ストリップ」の公式サイトまで。