<コラム>『ラジエーションハウスⅡ~放射線科の診断レポート~』第3話
おい!さすがに、“黒ぶちメガネ”だけで、“ノキッチさん”ってなるかーーーい!!
都合よすぎるやろーーー!!!
だけど、どれどれ?…って、第1話、見返したら、軒下(浜野謙太)、ちゃんと、マッチングアプリのプロフィールに、“青いスクラブ(白衣)”着てるーーー!!“黒ぶちメガネ”ד青いスクラブ”とまでくれば、確かにそれは、軒下である可能性大!!加えて、前日にデートの待ち合わせまでしてるんだから、どこらへんに住んでるかまではわかってる?てか、マッチングアプリなわけだから、住所とかまでわかってたりして?(マッチングアプリ、よく知りません…)そうすっと、軒下率はさらに上がってくるわけでしょ?で、おそらくあの軒下のことだから、プロフィール画像にわざわざスクラブ姿を載っけてる=俺の一番カッコいい姿ってことで、職業欄に“放射線技師”とか書いてるよね!?“黒ぶちメガネ”ד青いスクラブ”ד放射線技師”って、それはつまり、紛れもなく、軒下やないかーーーい!!
…と、今回の第3話視聴直後、ちょっとひっかかるものがあり、だけど、確か、第1話で軒下のマッチングアプリのプロフィール画像あったな…って思って(第1話の開始16分ころに登場します)、見返したら、これよ…。いやー、ホント、ちゃんと作ってらっしゃる!!(上から)
っというわけで、今回のエピソードも素晴らしく良く出来てましたね。マッチングアプリで知り合った、軒下の相手となるにはもったいないほどのすみれさん(堀田真由)。ラジハメンバー全員が訝しげに思い、小野寺先生(遠藤憲一)は“結婚詐欺”だと直球で言いきったすみれさん…。しかも、すみれさんの隣には、幼馴染なもんで彼の本当のイケメン具合に気付いていないの♡風情を醸す(言い方!)、和真(萩原利久)の存在が…。いや、これはもう間違いない!軒下は騙されるに違いない!!すみれさん、目が笑ってないし、なんか怪しいノートにやたらメモしてるし…!!!という、このあからさまな“嫌な予感”…だけど、それって、どうせ、後半ひっくりかえしてくるんでしょ?ミスリード誘ってんでしょ?…なんつって、なんでか今回はやけに上から目線で、視聴し始めてたわけですが、第1話からやたら味を出してた、“軒下と田中福男(八嶋智人)のキャラが被ってる問題”を、いつもみたいに、それを逆手にとって笑かしにかかる…だけでなく、それも並行して描きつつ、すみれさんが軒下と田中を誤認してしまう…になり、“顔の識別ができない”に繋がるっていう…。その時点でもう凄いのに、そうだとわかって改めて振り返ると、軒下のプロフィール画像は盛大に盛られてたわけだから(デカ目でアゴがシャープ過ぎ)、普通ならリアルで対面した時、軒下と一致するはずがない…だから、もうそっから、すみれさんはキーとなるパーツだけで軒下を認識してたってことがわかるし、で、あの何気ない第1話のプロフィール画像から、伏線が仕掛けられてたってわけ!!でしょ??なんちゅう構成!!!
で、前回やたら月9的ラブモードに入って、今回も引き続き、ベースが“恋”…だったわけだけど、“恋”と言えば、“運命描写”なわけで、すみれさんがマッチングアプリを使ったのも、デート当日に和真が骨折したのも、それでドタキャンしたのも、翌日甘春総合病院に訪れたのも、そこで軒下と出会ったのも、そして偶然にも五十嵐(窪田正孝)が異変に気付いたのも…“運命”…だった。医療ドラマと“運命”の見事な融合!!…なんだけど、医療ドラマと“運命”って、本来掛け合わせが悪いと思ってて、だって、“運命”によって病気が治ったり、“運命”ってことでオチ付けられたら、お医者さん=主人公、いらないじゃないですか。だけど、ベースに“恋”があって、それだからこその“運命”で、それによってすみれさんの病気が分かり、人生が変わり、恋は少しだけ進展した…って、なんて、なんて素晴らしいストーリーライン!!
で、ああいう“非モテキャラ”(ひどい)のエピソードって、大抵の場合、やたらと非モテを強調して、暴走して、挙句に無闇に傷つけて、だけど最後、非モテだってカッコいいとこあるじゃんって、投げやりな展開に持ってくのがデフォじゃないですか。だけど、全然違ったもんね。軒下は(軒下はどうしても呼び捨てにしたくなる)は、はじめからプロフェッショナルで、デートドタキャンされてちょっと機嫌が悪くったって、“オカルト骨折”にちゃんと気付けるプロフェッショナルだったもの。これまで築き上げてきた“ラジハ”の良さ…”プロフェッショナルな集団の物語”を、単独エピソードだからって無下に崩壊させないのが良かったよね。あそこ、私情入っちゃって気付けませんでした…とかだったら、今までの積み重ね、台無しになるからね。で、何より、あの幼馴染…すみれさんはそのイケメン具合に気付いてない♡風情出してる和真(ひがみが凄い)だってのに、軒下は男としてちゃんと対等に向き合って、尊重して、結果、容姿だけでなく、内面まで心底いい奴、最強イケメンでした!!ってんで、完膚なきまでに叩きのめされ、“俺よりも幸せにできる男がいた”って、あきらめた…、その潔さ…、そのことで、軒下のキャラクター性がさらに高まりましたとさ…。って、なんちゅう爽やかハッピーエンディング!すみれさんもすみれさんで、軒下を最初から最後までいい男として向き合ってくれてたからね、もう、完璧じゃん!!
…うん、だけど、あの渚先生(和久井映見)の偏食シリーズ(って言い方で合ってんのかな?)。異常なまでに堅いせんべい登場→渚先生以外誰も食べられない→と思いきや広瀬(広瀬アリス)だけは平気…っていう、いつもの偏食キター!から、発展して、広瀬でオトす、笑わせポイントまで持っていきたいだけ…かと思いきや、堅すぎるせんべい→銀歯の人は大変→銀歯!?(五十嵐、何かに気付く)→外来患者の丸井さん(温水洋一)は肺がんではない!?→肺放線菌症(はいほうせんきんしょう)の疑い?→銀歯を誤飲したことで感染症になってました…って、まさか“堅いせんべい”を起点にして、あんなにもナチュラルに、なめらかに、物語が転がっていく…てのはさ…、卑怯だよ。だって、あんな細かいもの、ギャグ要素だと思ってるものまであんなに巧みに拾ってっちゃったらさ、こっち、どこまで血眼になればいいのよ!!ただでさえ、鈴木雅之監督イズムが継承された画面にもくぎ付けだってのにさ…(第2話からの相沢秀幸監督もホントに画力があって素晴らしい)。うん、つまりは、ホント、ちゃんと作ってらっしゃる!!(結局)
で、最後に、杏ちゃん(本田翼)と辻村先生(鈴木伸之)とのラブ模様。前回、あんだけ男前な姿、やりおる男(=出来る男)認定された辻村先生だったはずなのに、前回の告白に対し杏ちゃんの「もう少しだけ考えさせて…」に、喜びを隠しきれない無言のガッツポーズ!!…って、あいつ…、ちょっと、ダメだな!!告白、からの「考えさせて…」は、どう解釈したって、フラれるフラグでしょ。いくら、日を置いて、杏ちゃんのあの真剣な表情…があったとしたって、「考えさせて…」はフラれるに決まってんだろ!!五十嵐に「一歩リード!」とか、余裕ぶっこいてる場合じゃねーぞ!!!そういうとこだぞ!辻村先生!!!(どういうとこ)