8月27日(木)、TETSUYA(EXILE)が監修した文部科学省選定教材「中学校の現代的なリズムのダンス授業 〜レクチャームービー〜」の発表会がYouTube liveで行われた。

TETSUYAは、テレビ番組で子どもたちにダンスを長年教えてきた経験や、中学でのダンス必修化とその現状に興味を持ち、「ちゃんと勉強がしたいと思って」と、2017年、自身のツアー中にもかかわらず早稲田大学大学院・スポーツ科学研究科に進学。

中学校のダンス教育の現状や問題点、解決策について研究した修士論文を発表すると、その論文が優秀論文賞を受賞。「せっかく作ったんなら、世の中のお役に立てないとダメだ」と思っていたところ、2018年4月ごろに長野県および長野県教育委員会からバックアップしてもらえることになったそうだ。

その後、長野県の中学校のダンス授業を実際に見学したり、信州大学の学生との意見交換会を実施。ブラッシュアップを重ねて完成した映像を文部科学省に申請し、「文部科学省選定(2文科初第450号) 」として2020年6月18日に認定を受け、9月1日(火)より商品展開が決定した。

この教材には、LDH JAPAN所属のEXILE / FANTASTICS from EXILE TRIBEの佐藤大樹、GENERATIONS from EXILE TRIBEの小森隼、中務裕太も(教材出演のために)“黒髪”で参加し、授業で使用している楽曲制作にはEXILE SHOKICHI、P-CHO・SWAY(DOBERMAN INFINITY)、NAKKIDが協力している。

同発表会では、教材の完成版パッケージも紹介。TETSUYA自身が7人合成で写り込んでいるビジュアルについては「ひとり“チューチュー”(※Choo Choo TRAIN)のイメージです(笑)」と裏話を明かした。

また、長野県知事・阿部守一氏や長野県教育委員会委員長・原山隆一氏からの祝福メッセージVTRも紹介。さらに、TETSUYAが実際に訪問した長野市立裾花中学校の生徒や先生からも感謝のサプライズメッセージが紹介され、TETSUYAは「感動しちゃいましたね。いや〜作ってよかった!!!」と感慨深げだった。

日本のダンス教育をより良くしていきたいと願うTETSUYAから溢れる行動力について、自身は「ただのダンスバカなんでしょうね(笑)」と言いつつも、「役に立てたら嬉しいです」と語った。

ハイレベルなパワポ解説に視聴者が感嘆

そのほか、TETSUYAがダンス教材の必要性を説くプレゼンテーションをパワーポイントで披露。彼の手慣れたスイッチ操作や理路整然としたスライドを見ていた視聴者からは「授業受けてるみたい!」「パワポ使いこなしすぎてる」「凄すぎ」など彼の知識に圧倒されたようなコメントが多数が寄せられていた。

さらに彼が強調したのは、今作が「教員がダンサーになる必要がない映像教材」だということ。この教材には、ダンスを一から学ぶ時間が確保できない教員でも指導ができるようにと、生徒の「評価ポイント」や授業の「単元構造」を解説した手引書も封入されているという。

今後の夢を聞かれると、「今年からD.LEAGUE(日本発祥のダンスのプロリーグ)も発足しましたし、日本でダンスを目にする機会も多くなると思います。いつか、この教材が必要なくなるくらい、“もっとかっこいい教材無いの?”ってときに、もう一回大学院に行ってパート2を作れたら。自分のできることをこれからも頑張っていきたいです」とダンスへの愛情を熱く語った。

<TETSUYA(EXILE) 囲み取材インタビュー>

――映像教材が文部科学省に認定された感想を教えてください。

僕自身、この映像教材が形になるまでの間も、出会いとか運とかが重なって、すごくたくさんの方にご協力いただいて、その方々への感謝というのが一番です。僕のダンサー人生の中でもベストアルバムができたような気持ちになりました。選定されるかされないか、通知が来るまではわからなかったので、(通知が)事務所に届いてスタッフさんと結果を見て喜びを分かち合えたあの瞬間は最高でした。自分の書いた論文が教材になると全く思っていなかったので、驚きが大きいです。

――今後、この教材をどのように広げていきたいですか?

まずは、中学校の教員の皆様が(ダンス授業の指導で)困難に思っているふしがあるという現状をどうにかしないといけないと思っていて、半ば教員の皆さん向けというのが教材の軸でした。実際に形になってみて、教員の方以外にも、ダンスに興味があるとか、いろんな目的で手に取る方がいたらいいなと思いますし、「日本ってダンスのスキルがすごく高い国だね」と言われるような未来になったら嬉しいですし、その手助けになれたらいいなと思います。

――今回、教材の開発で長野県とタッグを組んでいますが、長野県民へのメッセージをお願いします。

何度も足を運ばせていただいて、長野県をすごく好きになりました。豪雨があってすごく心配していて、早く長野に行きたいと思っていたところにこのコロナ禍で、今行ける状況ではなくなってしまって。でも、お礼とか感謝の気持ちを伝えにまた必ず行きたいと思うので、その日までダンスを踊って待っていてくれたら嬉しいです。

――教材が完成するまでの経緯を教えてください。

論文を書き上げて早大院を修了したのが2018年で、18年4月ごろに長野県側にお話をさせていただく機会がありました。教材のサンプル版をまず作成して、2019年に中学校で実際にテストとして使っていただいて、フィードバックをもらって、ブラッシュアップしていきました。

――第2弾を制作する場合、どのような要素を盛り込んでいきたいですか?

この映像教材は、ダンサーからしたら平易なことを詰め込んでいるということもあって、もっと教材の自由度を上げていくことが重要だなと。今後、VR技術とかも使えるようになったら僕が対面して教えられるようになるのかなとか、そういうことにチャレンジしていけたらいいなと思います。…あと!VRで発表の場があったら最高ですね(笑)。