9月26日(日)14時からフジテレビでは『ザ・ノンフィクション「ちょっと心配な家族がおりまして〜母と私と姉夫婦の話〜」』が放送され、語りを仲里依紗が担当する。

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行く末を案じた妹が撮ったユニークな夫婦の日常

あなたには「心配な家族」はいませんか?

2020年、実家で産休中だったテレビディレクターの“私”の元に、驚きの知らせが飛び込んできた。長姉のチエ(44歳)が貯えを使い果たし、夫・シゲキさんとともに暮らしている一戸建てを売るというのだ。預金通帳の残高は、わずか「4873円」だという。

中学2年生の時、不登校になり、のちに「うつ病」と診断され、部屋にこもったままとなった姉は、家族にとっての長年の気がかり。そんな姉が部屋から出て、通信制の大学に通い出した26歳の時、講師をしていた24歳年上のシゲキさんと出会う。

家柄の良い資産家の息子で、大学で講師をする立派な人。結婚を決めた2人に「これでチエちゃんの将来も安心」と、家族は胸をなでおろした。

シゲキさんが親から譲り受けた家で、両親からの経済的援助を受けながら暮らす姉夫婦だったが、シゲキさんの両親が亡くなると雲行きが怪しくなる。シゲキさんには、生活を支えていくだけの収入はなく、姉は、症状が改善せず、働くことはできない。そしてついに、両親の遺産も含め、貯金を使い果たしてしまったのだ。

追い込まれた姉夫婦は、親から譲り受けた家を売り、姉は40代半ばにして、人生初の仕事探しを始めるが…。家族の心配をよそに「大富豪になる日は近い」「ニャンとかなる」と、意に介さない“浮世離れ”した姉夫婦。

“私”は、「この撮影をきっかけに経済的自立を促せるのでは」との思いから、2人の日常をカメラで追い、質問をぶつけていく。夫婦はマイペースに生きているように見えるが、チエさんの胸の内には葛藤があり、そこも明かされていく…。

自身3度目となる『ザ・ノンフィクション』のナレーションを担当した仲は、2人の物語に「元気をもらった」とコメントしたが、どんなことを思ったのか。収録後の仲に話を聞いた。

<仲里依紗 インタビュー>

――妹さんがディレクターとして姉夫婦を追った物語はいかがでしたか?

家族の在り方、夫婦の在り方は、いろいろ違っていいし、実際にいろいろあるんだな、と思いました。そばにいらっしゃるご家族には大変なことも多いと思いますが、私自身としては、シゲキさんのスーパーポジティブさを素晴らしいと感じて、元気をもらいました。どんな状況になっても、絶対にマイナスなことを言ったり、悲観したりしないじゃないですか。

私も実は、そういうタイプなんですけど(笑)、そんな私からしても、「見習わなきゃ」と思う部分がありました。そばにいる人が「(ため息をつくように)はぁ…」となると、周りもつられて沈んでしまったりしますよね。チエさんもおっしゃっていたように、シゲキさんのあの明るさが、チエさんの支えにもなっているのかな、と思いました。

――こちらは心配しているのに、「大富豪になる日は近い」「人生はニャンとかなる」なんて言われたらどうしますか?

心配しているご家族には申し訳ないですが、「だよね!」「わかる!」と言ってしまいそうです。私には、ちょっと名言のように思えました。弾かないグランドピアノの売却を渋ったときにも、「人生で豊かさをコレクションしていくのは大事なこと」とか、おっしゃっていましたよね。名言だなぁって。

難しい小説を書くのではなく、ああいう名言を日めくりカレンダーにしたり、YouTube(※)でも、お2人のやりとりをそのまま配信したほうがいいんじゃないかと思いました。お2人の普段の会話や食事シーンも、すごく気になりましたし、もっともっと見たくなりました。

※シゲキさんは、「学問とは何か」をテーマに1人しゃべりのYouTubeを配信している。

――気になる、もっと見たくなるご夫婦、という印象を持ちましたか?

そうですね。大きなお家を売ることが決まり、引っ越しのために片づけをするってなったときも、(チエさんの)お母さんや“私”が手伝いに来たら、「じゃあ、僕はYouTubeの撮影があるので」「私もちょっと…」と、お2人がいなくなったじゃないですか。

ああいった場面でも、日本人的な感覚だと、どんなに自分が嫌でも苦手でも手伝わなくちゃ、と思うものだと思うんですけど、お2人は違う。自分の意思をはっきり表明できるって、やっぱり大事なことなんじゃないかと思いました。手伝いに来た方も、相手が「内心、嫌々やっているんだろうな」と思うより、「じゃあ、僕は…」って言ってもらったほうが、私だったら気が楽です。

自分たちに素直に生きていらっしゃるところが、すごく好きでした。

――“私”は、チエさんを含めた三姉妹であると紹介されていましたが、仲さんも一緒ですよね。そこから共感することはありましたか?

私もチエさんと同じ長女で、妹たちに頼っているところもあるし、結構、似てるな、と思いました。うちの三姉妹って、三女が一番のしっかりもので、次女がタイプがちょっと違って、長女は何でも思い切りよくいっちゃうんです(笑)。チエさんも、お金の使い方が豪快でしたけど、私もおんなじ。自分の預金残高もあまり確認しないし、欲しいものがあったら、すぐに買ってしまう。

家族もいますし、先のことを考えるのも大事ですけど、基本は「今が楽しいことが一番大事」なんです。だから、チエさんが、結構お高い家具を買ってしまうのを見ても、「わかる、わかる!あそこに置きたいよね」と思ってしまうんです。

――では、改めて番組の見どころと視聴者へのメッセージをお願いできますか?

今、こういったコロナ禍の状況もあって、不安になることも多いと思いますが、このご夫婦を見ていると、自分の悩みがすごくちっちゃいものに思えて、ポジティブな気持ちになれるんじゃないかと思います。

シゲキさんのように60代後半になっても、YouTubeを始めてみたり、小説を書いてみたり、新しいことにどんどん挑戦していく行動力も素晴らしいですし、そういったところに背中を押される人もいるのではないでしょうか。

――シゲキさん、今は「シェイクスピアを超える」と言っているそうです。

素敵ですね!本当にお2人のこれからが気になるので、第2弾をお願いします。待っています!