9月27日(日)の「RIZIN.24」(さいたまスーパーアリーナ)に参戦が決定しているスダリオ剛選手にフジテレビュー!!が単独インタビュー。二度にわたる暴力問題で、去年大相撲を引退。貴ノ富士は、「スダリオ剛」として格闘家デビューをする。50キロの減量を経て、激しいトレーニングに励む日々を送っているが、そもそも格闘家に転身しようと思ったのはなぜなのか?どんな心境の変化があったのか?

僕が求めているのは本当の“殺し合い”

――まずはRIZIN初参戦について、率直な感想は?

自分は大相撲で問題を起こして辞めることになってしまいましたが、引退していなくてもチャンスがあれば「いずれRIZINに出たいな、総合格闘技をやってみたいな」と思っていました。相撲は土俵から出して勝ち、相手が手をついたら勝ちじゃないですか。でも僕が求めているのは本当の“殺し合い”なので、総合格闘技は魅力的だなと感じていました。今回は、いきなりRIZINという大きな舞台に出るチャンスを与えていただいたので、うれしいです。興奮する試合をしたいと思います。

――いつ頃、総合格闘技でやっていこうと決めたのですか?

一度目の問題を起こした後、いったん格闘家になりたいとも考えたのですが、その時は周りの方々に支えられて、もう一度力士としてやろう、と。二度目(去年9月)はさすがに自分の自覚のなさでダメだ…と。

実は、昨年11月に結婚したんです。力士時代からお付き合いしていて、ずっとサポートしてくれた方と。二度目の問題を起こしたときに、正直自殺しようと思ったんです。さすがに、親や弟や彼女も大切な人たちを苦しめる結果になってしまいましたから。人前にも出たくなかったですし、報いを受けなければ、と。その時に、妻が「格闘技やりたい?」と聞いてくれました。

以前、格闘家への転身を考えた時、妻は反対していたので、まさかこんな風に聞いてくれると思わなかったので驚きましたが、そこで「相撲界でやりきれなかったエネルギー、気持ち、それを格闘技の世界で出せていけたら」と思い始めました。

自殺しようと思った時、妻から「格闘技やりたい?」

――格闘家になるために、どのような準備を?

まずは体重を落とすところから始めました。去年12月から4ヵ月で50キロ減量したのはきつかったのですが、今までの力士出身の格闘家と同じ風には見られたくない、半端な気持ちで挑んでいない、というのを分かっていただきたかったので。減量してから、筋力、そしてテクニックを磨くという流れで考えていました。最初は、格闘家は日頃どんなことをやっているんだろう?とYouTubeなどで研究して練習していましたが、師匠の(初代修斗ヘビー級王者)エンセン井上さんの元に通うようになりました。

――RIZINでのデビュー戦が正式に決定したときの妻の反応は?

ほっとしていましたね。本当は僕がアルバイトをして生活を支えなければならないのに、妻は「練習に専念して」と、仕事を掛け持ってやってくれているんです。妻も半端な気持ちではなくて、「試合に勝って欲しい」と言って僕に賭けてくれています。エンセンさんのジムが自宅から遠いこともあり、今は住み込みでお世話になって、鍛えてもらっています。

――エンセン井上さんのトレーニングはいかがですか?

エンセンさんが現役の頃からモットーにしている“大和魂”を引き継いで、リングの上では自分が死ぬか、相手を殺すかという思いで挑めと言われています。きつい練習の時こそ「今だよ」と励ましてくれて、自分もメンタルが鍛えられています。

――対戦相手のプロレスラー、ディラン・ジェイムス選手から(9月13日の)記者会見で「お前はいじめっ子だろう」と挑発的なコメントがありましたが、冷静でしたね?

そういう風に見られて当然だよな、と。やってしまった過ちは消せないし、でも受け止めて前に進もうと決めているので、今更何を言われても感情的になっても仕方ないな、と。

――試合を楽しみにしているファンにメッセージを

自分はイメージが悪いですが、リングの上ではそのイメージを少しでも払拭できるように、そして皆に応援してもらえるようなファイターになりたいと思っています。