8月12日(木)、DISCOVER WORLD THEATRE vol.11「ウェンディ&ピーターパン」の初日開幕直前取材会が行われ、黒木華、中島裕翔(Hey! Say! JUMP)、堤真一が登壇した。
本作は、イギリス・スコットランドの作家、ジェームス・マシュー・バリーが20世紀初頭に書いた世界的名作「ピーターパン」。今回は、その小説版をロンドンで注目の若手作家であり演出家でもあるエラ・ヒクソンが新たにウェンディの視点から翻案。
2013年に英国ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの新作公演として上演。セリフに加えダンスやフライング、小道具、美術、映像などを駆使し“フィジカルシアター”のスタイルと、スペクタクルとマジカル満載の美しい舞台が話題となり、2015年にはウエストエンドでの再演も果たした。
日本では初演となる本作で、ウェンディ役を黒木、ピーターパン役を中島が演じ、堤はフック船長とミスター・ダーリングの二役に挑戦する。
記者からの質問に答えている最中、黒木が「堤さんの殺陣がカッコいい」と見どころを紹介。すると、堤は「とにかく私、年齢的にも57歳なので、立ち回りの手が覚えられない」と明かし、笑いを誘う。「毎回迷惑をかけておりまして、昨日も3ヵ所ほど頭が真っ白になりまして…」と続けると、中島は「戦ってると『今忘れてるな』ってことがありますよ(笑)」と乗っかった。
中島は続けて「僕も間違えることあるので、そこはお互いに」とフォローするも、堤は「ネジがどっかにいっちゃったんですね」とお茶目に答えた。
堤の殺陣について、「格好もカッコいいし、似合ってます。大人の男性の魅力ですよね」(黒木)、「ピーターパンとの戦い方とは、また違う感じがします」(中島)と称賛するも、堤は「ははは…」と乾いた笑いでリアクション。続けて「(セリフで)『老いぼれ』とか『クソジジイ』って言われるし」とぼやくと、中島「セリフで『ジジイ』って言ってますね」と笑った。
また中島のピーターパンについて、堤は「見た目がカッコいい。ジャニーズとか情報を知らずにお会いして、『こんなにカッコいい子いるんだ』って思いました。で、Hey! Say! JUMPのメンバーってことを聞いたけど、『センターじゃないよな?』って…」と語ると、会場から爆笑が。「こんな子がセンターじゃないってどういうこと?」と衝撃を受けたことを明かした。
「最近、メンバーに会えていない」という中島は、「この髪型になっていることも知らないと思います」とコメント。本作を観に来てくれそうなメンバーについては「何人か興味あるみたいで、有岡(大貴)とか…。申し訳ないことに、いろいろ被っちゃって、僕は有岡の舞台を観に行けてないんですけど」と苦笑いした。
また、記者から、ピーターパンのストーリーにちなみ、「冒険するとしたらどんな旅に出たい?」という質問が。堤は「海外に行きたいですね。ドキュメンタリー番組とかだと、観光客のいない誰も行かないところに行けるので、そういう秘境の地に行きたいです」と回答。
黒木は「私は、演出家・ジョナサンの舞台作品を観に行きたいです」、中島は「僕はインドア派なので、家にいたいです(笑)。本当はグループとしてもアジアとか行きたいですけど、国内でも有観客で(ライブが)やれていないので。本当に今回僕にとっては、有観客が久々なので。どこにでも気兼ねなく行けるような時代になればなと思っています」と、願いを込めた。
最後に意気込みを求められると、黒木は「ステキな舞台になっているので、観に来ていただける方は、この作品の間だけでも楽しんでいただけたらと思います。見どころはたくさんあるので、ぜひ『ウェンディ&ピーターパン』にひたひたに浸かりに来てください」、中島は「人を喜ばせたりするエンタメの力って、本当に皆さんに届くものがあるなと思います。この作品は、毎日の鬱憤を晴らすだったり、ストレス発散にもなると思うので、楽しみに観にきていただけたらと思います」とコメント。
「ちょっと長くなりますが」と前置きした堤は、「僕が21歳の時、舞台『天使物語』に出たときに黒子をやってたんですけど、そのときに初めて『舞台に関わろう』と思ったんです。そこには空間の自由度と、『こんなにぶっ飛んだことが出来るんだ』っていう感動がありました。この作品は、その時を思い出すくらい良い空間で、自由で、観るだけで涙が出るんです。照明とかキャストの立っている姿とか。なので本当に観て欲しいです、『ピーターパン』というと子どもの作品というイメージがあると思いますが、大人の方に観ていただきたいです。僕も涙が止まらないです」と、熱のあるメッセージを送った。
<ストーリー>
1908年のロンドン。ダーリング家の子ども部屋では、ウェンディ(黒木)、ジョン(平埜生成)、マイケル(前原滉)、そして体の弱いトム(下川恭平)は、戦争ごっこをしながら飛び回っていた。そこへ両親のミスター&ミセス・ダーリン(堤、石田ひかり)が入ってくる。家族が揃った姿は幸せそのもの。
その晩、熱を出したトムを医者に診てもらうも、診立てあまりよくない。やがて、みんなが寝静まった遅い時間に、子ども部屋の窓からピーターパン(中島)がやってきて、トムを連れ去っていく…。
舞台写真 撮影:細野晋司
取材会写真 撮影:引地信彦
DISCOVER WORLD THEATRE vol.11「ウェンディ&ピーターパン」は、8月13日(金)から9月5日(日)まで東京・Bunkamura オーチャードホールで上演。
最新情報は、DISCOVER WORLD THEATRE vol.11「ウェンディ&ピーターパン」の公式サイトまで。