“月9”史上初となる2クール連続で放送されているフジテレビドラマ『監察医 朝顔』(第2シーズン)。

田川隼嗣は第1シーズンに引き続き、上野樹里が演じる主人公の万木朝顔(まき・あさがお)が勤める法医学教室でアルバイトをする医学部生・熊田祥太役を演じている。

フジテレビュー!!では、田川のインタビューを前後編で掲載。前編では『監察医 朝顔』の現場でのエピソードを公開したが、後編では田川自身にフィーチャー。その穏やかで実直な人柄が垣間見れるインタビューとなった。

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普段から自分の感情の変化には気を使うようにしています

――仕事をする上でご自身が“PRできる”と思うポイントを教えてください。

他の人と比べて特出して何かができるわけではないけど、言われたことはやり通そうとします。こういうことをやってほしい、と言われたら、断ることは絶対にしないです。僕にやれるだけのことはやって、出せるだけのものは出します。100%の力で応えようとします。

――困難なことでも挑戦しますか?

します。それに対して億劫になったりはしません。ただやってみてダメだったと言われるとへこみます(苦笑)。それは人一倍感じやすいような気がします。

――努力型タイプですか?

どうだろう(笑)。努力というか、コツコツやる作業が得意ではないです。テスト勉強とかも結局前日から始めて徹夜するとか。瞬発力で乗り切ろうとするタイプです。

得意じゃないことは人から言われないとなかなか気持ちが乗らなくて。たださっきも言ったように、人から言われればやれるんです。なので、これからそうやって仕事を通してやらなくていけないことが増えて、経験が増えていくことは楽しみでもあります。

――仕事をする上で、ポリシーとしていることはありますか?

演技をするときに、自分の気持ちが乗っていないと、ただそこに立っているだけの人間になってしまうので、普段から自分の感情の変化には気を使うようにしています。あとは、その現場がすべて終わったあとに、どんな結果であれ自分はできた、と一回認めるようにしています。

反省をしない、というわけではなくて、そこは一つひとつするんですけど、とにかく一回は認めてあげて、今日も無事に終わった、良かった、って気持ちで美味しいものを食べに行ったりします。金額的に高いものとかではなくて、ファミレスとかですけど(笑)。今日くらいはちょっと美味しいものを食べてもいいよね、って。

――監督に芝居を褒められたり、他の役者さんとのやり取りがうまくいったりしたときですか?

いや、もうそんなことがあったら焼肉に行きます(笑)。今はまだそういう経験はなくて、これからそうできるように頑張ります。

気分転換は好きな歌を聴きながら絵を描くこと

――田川さんが今“眼福”しているものは何ですか?

猫です。グレーの方がテンちゃんで、黒い方がつぶちゃんです。実家で飼っているんですけど、この2匹を合わせて全部で猫を7匹と、あと犬も1匹飼っています。

――この写真の猫はすごく小さいですね。

生後一週間頃の写真です。うちで飼っていた猫が産んだのではなくて、近所の野良猫が産んで、うちの庭に連れて来て放置していったんです。この家なら拾ってくれるだろう、って。

そう思ったのにはたぶん理由があって。うちで飼っている長寿の2匹も、元はその親猫が育ていた子たちなんですよ。子猫のときにボロボロになっていたのを発見したので、うちで世話をしてあげたんですけど、あるときに親猫がやってきたので返してあげようとしたんです。でも、子猫たちは親猫の方には行かずに、うちに戻ってきちゃったんです。

その経験があったから、親猫の方も産んでおいていけばこのうちで育ててくれるんじゃないか、って(笑)。なので、真ん中の3匹は保護猫を引き取ったんですけど、上の2匹とテンちゃんとつぶちゃんはきょうだいです。

――昔から家には動物がいる環境だったのですか?

母親が動物が大好きで、もともと犬が2匹いたんですけど、父親は猫が大嫌いで。昔、猫に引っ掛かれてケガしたことがあって、それが未だに許せない、って言っていたんですけど、そのボロボロになって倒れていた猫を拾ったときに、母性のようなものが沸いたみたいで(笑)。「こいつは俺が育てる」って。

そこから猫が増えていって、なんでも僕が実家に帰っていないうちに、猫用の部屋まで作ったらしくて。僕が今、東京で住んでいる部屋よりも広いんですよ。僕も動物を飼いたいんですけど、今は環境的に難しいので、こうやって実家から写真を送ってもらって癒されています。

――プライベート気分転換のためにやっていることはありますか?

好きな歌を聴きながら絵を描くことです。最近は藤井風さんをよく聴いています。もともとは落書きが好きで、そのうちに絵が描けるようになってきて。今は水彩画もやっていますが、一番好きなのはボールペン画です。細かいものをずっと描いているのが好きなんです。その間は何も考えずに集中できるのがいいです。あと、ストレス解消だと料理をしています。料理は生きる術として、普段からやっています(笑)。

――今後、こういう役をやってみたい、というものはありますか?

挑戦してみたい役はいろいろあるんですけど、汚れ役というか、人間の黒い部分が出ているダークな作品とかはやってみたいです。普段の生活でそういう人になってしまったらダメですけど、お芝居であれば可能じゃないですか。僕自身、変にずっと真面目に生きてきてしまったものだから(苦笑)、そういう人に憧れると言うとダメですけど、経験してみたい、という気持ちがあります。

――12月25日で二十歳を迎えますが、今後の自分に期待することはありますか?

自分に期待することは特にないですけど、お芝居を見ていて上手いとかではなくて、背筋がゾワゾワするような役者さんに憧れていて。最近で言うと、映画「万引き家族」での池松壮亮さんとか。あるシーンで言葉は発しないんですけど、その表情とか風貌から見たときに一瞬、息が止まるような感覚があって、すごい、って。そういう感覚を僕もいつか誰かに味あわせてみたい、と思いました。上手いとかじゃなくて、今の何?みたいな。人の心を圧倒できるような役者になりたいです。

撮影:小嶋文子