視聴者が“今最も見たい女性”に密着し、自身が課す“7つのルール=こだわり”を手がかりに、その女性の強さ、弱さ、美しさ、人生観を映し出すドキュメントバラエティ『7RULES(セブンルール)』。

6月29日の放送回では、「ネイバーズファーム」の代表・川名桂に密着した。

東京・日野市の住宅街で、多摩モノレールが走るすぐ脇に、彼女の農園はある。ナスやズッキーニなど数種類の野菜を育てる中、彼女がメインにしているのが、トマト。

栽培するビニールハウスの床には土ではなく、環境にも優しい、ヤシ殻を使用。さらに開閉式のカーテンを使用し、温度と日射量をコントロール。東京大学出身の彼女は2年前、ひとりで農園を立ち上げた。

2018年の都市農地賃借法の制定により、都市農地を借りて新規就農者第1号となった、「ネイバーズファーム」の代表・川名桂の7つのルールとは。

ルール①:トマトは完熟で収穫する

農地では、一般的な大玉、中玉、色とりどりのミニトマトなど6種類のトマトが栽培されている

一般的なトマトは収穫から店頭までの流通に約2日かかるため、未熟な状態で収穫し、輸送の間に完熟させることが多いというが、彼女は完熟の状態で収穫。そのため、収穫からわずか3時間で袋詰めのトマトが店頭に並ぶ。

そこには「採れたての濃い状態のトマトをお客さんに届けられるように」という彼女の思いがあった。

スタジオでは、青木崇高が「トマトの映像で唾液が出たのは初めてです」と目を見開いた。ゲストの野田クリスタルは「農業って神様のせいにしがちじゃないですか。(でも彼女は)神様のせいにしなさそう」と独特な感想を語った。

ルール②:ハウス内は土足厳禁

日野市で、農業とは縁のない会社員の家庭に育った彼女。幼い頃から勉強熱心で東京大学の農業とは程遠い文系入学したが、スラム街にホームステイしたり、ボランティア活動に参加する中で様々な貧困問題に触れた。その経験により、「農業が、人にとって基本となる産業だ」と気付いたという。

そして卒業後に、農業関係の企業へ就職し、2年前に独立。「消費者が見えるところで農業がやりたい」と、自らの農園を開いた。そんな彼女のビニールハウスは、土足で入るのは禁止。

外から害虫や病原菌を持ち込まないように、さらに床に敷いてある光合成の効果を上げるための白いシートを汚さないためだという。

ルール③:トマトの廃棄ゼロを目指す 

傷がついたものや割れてしまったトマトを彼女は、地元のパン屋さんに協力を仰ぎ、イチゴ、パッションフルーツを加えたトマトジャムを作ったり、地元の居酒屋さんには、トマトと味噌を合わせた万能調味料を試作してもらったりして、廃棄しないように工夫している。

トマトが違う形になって商品になることが「ワクワクする」と言う彼女は、「(トマトに)可能性を感じる」と頬を緩めた。

スタジオには、川名が栽培したトマトが登場。YOU、青木、長濱ねるが「美味しい」と声を上げる中、トマトが苦手な尾崎世界観と野田。「俺が食った中で1番食べられるトマト」(野田)、「すごくトマトの味ですけど、美味しいです。これくらい(トマトの味が)来てくれた方がうれしいですね」(尾崎)と試食するも、野田が「苦手が2人もいてすみません」と謝った。

ルール④:休日は家族とカタンで遊ぶ

繁忙期は土日も畑に出るという彼女が、貴重な休日に向かったのは、農園から自転車で10分の距離にある実家。川名家では、家族が揃ったときにはドイツ発祥のボードゲーム「カタン」で遊ぶ。

無人島を舞台に、サイコロを振って獲得した「資源」を使い、1番早く未開の地を開拓するというルールで、運や心理戦が絡み合う。長いときには2時間かかるゲームで、この日は川名が見事勝利を収めた。

スタジオでは、仲の良い川名家の様子に尾崎が「家庭が完熟してますね」と巧みにコメントするも、確認するように青木が「家庭が完熟してますね」とリピート。野田は「(拍手をしながら)素晴らしいコメント力ですね」といじった。

ルール⑤:畑仕事中はポッドキャストを聴く

仕事中には、耳にワイアレスイヤホンを装着し、ポッドキャストを聞くという彼女。この日聞いていたのは歴史が学べる「COTEN RADIO(コテンラジオ)」。高杉晋作についての放送で、高杉がストレスからお金を使いすぎてしまったり、生まれたときから偉人ではなかったことを知ると、「ストレスがなくなって生きやすくなりますね」と笑顔を浮かべた。

ルール⑥:トマトは数字で育てる

大量生産のできない都市型農業で、彼女はその仕組みを考える最中にいる。廃棄をしないための加工品や近代的なハウスはその一環だ。

樹が吸い残した排液を使って、「濃度は4.7とかちょっと高すぎるので。肥料が濃いと味も濃くなるけど、生育も悪くなっちゃうので」と、ペーハー(※)と肥料の濃度を計測。その数字を元に次の日、樹に与える肥料のバランスを調整する。

「数字を記録しそれをベースに考えている」という彼女にとって、生育や調査した結果が成績表代わりなっているという。

※ペーハー→水素イオン濃度の指数

ルール⑦:あと28年「東京の農家」を辞めない 

この日彼女が、トマトを370袋用意し向かったのは、農家仲間と年に4回ほど開いているマルシェ。大盛況のうちにトマトは完売し、約13万円という過去最高の売り上げを達成した。

現在29歳の若き農家、その覚悟「『一生続ける仕事をしたい』と、もともと考えていたので、辞めるつもりはまったくない。契約期間30年のうち2年が終わったので、あと28年間です」と、農地の契約年数にふれ表現した。

さらに「ここが成功しないと次に絶対つながらない。しっかり仕事として成り立つところを見せていきたいなと思います」と意気込みを語った。

※記事内、敬称略。

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