TikTokと東宝が新たなクリエイターを発掘し、作品を共創して映画業界を盛り上げる新しい映画祭「TikTok TOHO Film Festival 2021」。その公式アンバサダーに就任し、作品の審査会を終えたばかりの北村匠海に、フジテレビュー!!がインタビュー。現在放送中のドラマ『ナイト・ドクター』への出演や、自身で撮ってみたい映画作品、将来やってみたいことなどを聞いた。
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“撮影現場で起きる奇跡”に身を委ねたい
――TikTokの動画は、よく見ますか?
DISH//の公式アカウントでライブ映像などを上げていますが、その時に、皆さんがアップしている動画を見たりします。いろいろな人が、日常を切り取って載せているのが面白いですよね。TikTokは、人との距離が離れがちなこの時代でも、ホッとできたり笑えたりするもので溢れているコンテンツ、という印象がありますね。
今回、自分も映画でお世話になっている東宝さんと、世界中の人をつなげられるコンテンツであるTikTokのタッグによる映画祭ということで、これは絶対に面白いだろうと思って参加させていただきました。
――もし自身が映画監督なら、どんな作品を撮りたいですか?
20歳の頃から映像を撮りたいと思っていますし、構想もいっぱいあります。どちらかと言うと、作品の内容や画にこだわるより、“撮影現場で瞬間的に起きる奇跡”みたいなものに、身を委ねられる監督でありたいなと思います。
映画「君の膵臓をたべたい」などでお世話になった月川翔監督は、まさにそうです。撮影前に考えてきたカット割りや物語、起承転結がある中で、毎日の撮影で起こるちょっとした奇跡や、助監督さんの意見、僕の提案、カメラワークから生まれるアイデアなどに、瞬発的に飛び込む監督さんなんです。その背中を見て憧れて、僕も月川監督のように作品を撮りたいと思うようになりました。
――もし良ければ、作品構想やテイストを教えてください。
きっと、暗い作品になるんじゃないかなと…。僕は日々を過ごす中で、例えば「生と死」のような、本当は日常にありふれているけど、身近に感じたくないから遠ざけてしまっている概念やメッセージに興味が湧くんです。“死生観”みたいなものは、僕の人生の1つのテーマでもあるので、そういう作品になるかなと思います。クスッと笑える映像には、ならないような気がします。
――現在放送中のドラマ『ナイト・ドクター』にも出演されています。撮影現場はいかがですか?
空気がすごく良いです。共演者の皆さんとは、ドラマの“ナイト・ドクター・チーム”同様、撮影当初は緊張感があったのですが、コミュニケーションを取っていくにつれ、今では本当に“チーム”として作品を作っています。そういう変化があったからこそ、登場人物それぞれの心情に重なる部分が多くて、すごくいい流れができているなと感じます。
将来は、夫婦でキャンプ場を経営してカレーを振る舞いたい
――北村さんは大のカレー好きで、将来はカレー屋さんを開きたいそうですが、お店のイメージはありますか?
自分は、音楽や映画だけではなく、クリエイティブな事をいろいろやってみたいので、1つの場所にとどまっていることはないだろうと思います。
なので、構想の1つとして「夫婦でキャンプ場を経営して、みんなが集まる場内の“家”みたいなところで、カレーを作って振る舞う」というイメージがあります。それから、カレー屋さんの東京支店を開いて、そこで月1回くらい、アコースティック音楽ライブをやる。僕は基本的に自然の中で過ごしたいです。
――壮大な計画だと言われたりしませんか?
壮大に聞こえるかもしれませんが、自分では意外と現実的だなと思っています。実は、僕の「カレー屋さんを開きたい」というマインドと、今回の映画祭はすごく近いと感じています。
映画祭では、いろんな人が「もしかしたら、自分も映画を作れるかもしれない」とか「あ、自分もこんなふうにもの作りができるかも」と思ってくれることが、僕の中で1つのテーマなんです。今回、第1回目となる映画祭を経て、第2回、第3回と行われるにつれて、多くの人が映画制作やもの作りに、気軽に飛び込みやすくなればいいなと考えています。
自分、そして周りに対しても、将来の可能性を信じたいのだと思います。
――5年後10年後、北村さんはどんな活動をしているのでしょう。
映画も撮りたいしカレー屋さんもやりたいし、もちろん音楽もやっているだろうし、役者なのか何なのか、もっと違うことをしているのか…無限大ですよね。自分の可能性は、あまり決めないようにしています。
――誰か、目標にしている方はいますか?
小学校6年生のとき、映画で小栗旬さんと共演させていただいて、「役者の可能性は演じるだけじゃないんだ」と知ることができました。その後、音楽活動とお芝居を並行する中で、「2つとも表現方法は全然違うけれど、それぞれ還元し合えるんだな」という気づきがありました。映画と音楽って、実はすごく密接なんですよね。
強いて言うなら「僕自身の、この23年間の生き方がモデル」でしょうか。いろいろな活動をしているからこそ得られた、さまざまな知識や経験が自分を作っていると感じています。