6月27日(日)14時から、フジテレビでは『ザ・ノンフィクション「はぐれ者とはぐれ猫~小さな命を救う男の闘い~」』が放送され、語りを松本穂香が担当する。

名古屋の町に、ある怒りと闘いながら日々を生きている男がいる。

革ジャンがトレードマークの阪田泰志さん(36)。自由奔放な気分屋で、普通の会社員になることは考えたこともなく、自らを“活動家”と呼ぶ“はぐれ者”だ。その彼が心血を注ぐのが“猫の保護活動”。

7年前に自分の行き場を失った時に一人で始めた活動だが、運営するシェルターは火の車。1000万円もの借金を抱えながら、それでもたくさんの猫を保護し続けている。

ペットブームやコロナ禍の巣ごもり需要…猫を飼いたいという人々が増える一方、保護の相談が後を絶たない。その数は、毎月20件以上にもなるという。

ある日、依頼先へ向かうとそこに捨てられた子猫がいた。保護すると、驚くほど悲惨な姿だった。一体誰がこんなことを…。市の動物愛護センターからも猫を引き取り、新たな飼い主を見つけるまで、昼夜を問わず、世話をし続ける。

阪田さんは“人間の身勝手な行動”で、猫が犠牲になっていることが許せないのだ。そんな阪田さんの元に届いた一通の手紙。薬物所持の罪で刑務所に服役する女性が「飼い猫を預かってほしい」と頼んできた。

さらに、崩れかけた家族関係により起こった“多頭飼育崩壊”。劣悪な環境の中でやせ細る猫たち。怒りをこらえていた阪田さんだが…。

小さな命を救う闘いを続ける男と行き場を失った猫たちの向こう側に見えてきたものとは…。自身も、動物好きで、犬を飼育しているという松本は、何を感じたのか。収録後に聞いた。

<松本穂香 インタビュー>

――収録を終えた今の感想は?

結構、しんどい内容でした。事前に映像を見ていなかったので、初見で見て、つらかったです。動物が好きなので。ああいう現実があるんだろうな、とはどこかで思いつつも、いざ、それを目にすると、ちょっと息苦しくなる感じはありました。

――特につらいと感じたのは?

多頭飼育崩壊のシーンもそうですし、悲惨な状態になってしまっていた猫ちゃんですとか…。かわいらしい姿が見られる場面もありましたけど、ああいうこと(動物虐待)が日本だけではなく、世界中で起こっているんだな、しかも、猫だけじゃないということにも、すごく考えさせられました。

――そんな中、ナレーションを読む上で心掛けたことは?

やっぱり、見てると阪田さんっていい人だなっていうか、こういう人が世の中にいると救われる気持ちになるな、って思いになりつつも、あまり、見ている人に押し付けないように、とは意識しながら読んでいました。

――阪田さんの印象は?

人間味があってあったかいなと思いました。人生の苦労がにじみ出ているのもわかりますし、読んでいるうちにどんどん好きになりました(笑)。若いころのことも知って、「何がきっかけでこうなるか、人間ってわからないな」と思いました。

――印象に残った阪田さんの言葉などありましたか?

多頭飼育崩壊をさせてしまった女性と話しているとき、いっぱい言いたいことはあるんだけど、でも、抑えている姿は、本当にいろんな思いがあるんだと伝えってきて、見ていてつらかったです。

私も犬を飼っているので、改めて大事にしなきゃいけないなって。大切な命なので、話はできなくても、気持ちを汲み取って大事にしないといけない存在なんだなって。飼い主はみんなそうあるべきなんじゃないか、と感じました。

――ご自身の犬との関係は?

うちは、代々、犬を飼っていて、今私が飼っているのは6年くらいになります。毎日、ウザがられるほど、ギューッとしてるんですけど、もっともっとしようと思いました。

――ペットブーム、コロナ禍もあり、世界中で動物虐待が起こっているとありました。どんなことを思いましたか?

一緒に住んでしまえば、“家族”なので、人間が「飼ってあげてる」みたいな感覚は違うんだろうと思いました。そういう意識から、ああいうことが起こるんだろうな、と。やっぱり、責任を持たないといけないですよね。

――『ザ・ノンフィクション』の語りは、何度もやっていますが、毎回、かなりテーマが違いますね。

本当に。どこからこんなに違った方たちを見つけるんだ、って、毎回、思います。そして、みなさん魅力的ですよね。その語りをやらせていただいて、このお仕事をしなかったら、きっと知ることがなかっただろうなっていうくらい、毎回、新しい世界に触れさせていただけるので、ワクワクするといったらあれですが、とてもありがたく思っています。

――最後に、改めて視聴者にメッセージをいただけますか?

コロナ禍でペットが人気ということはあると思うんですけど、命は流行りではないと思いますし、少しつらい場面はあるんですけど、できれば、目をそらさずにこういう現実もあるんだな、っていうことを知ってもらえるきっかけになれば。

自分も意識していなかった、気づいていなかったけど、あんなことしちゃってたな、とか、気づけることもあるかもしれませんので、ペットを飼っている方もそうではない方も、考えるきっかけになればいいな、と思います。