フジテレビュー!!編集部おすすめ!“目の保養”となるような麗しい男子を紹介する「眼福♡男子」。Vol.40となる今回は、総合格闘家・佐々木憂流迦(ささき・うるか)選手(31歳)を特集する。格闘家はイケメンが多くこの企画でもたくさん紹介してきたが、憂流迦選手は、既婚者でファッションディレクターという一面もあり、ちょっと“大人モード”の眼福男子をお楽しみいただければと思う。

12月31日(木)に開催される「RIZIN.26」に参戦する憂流迦選手。リングネームの「憂流迦」は、サンスクリット語で「天狗」を意味しており、天狗のように、型のない自由な身のこなしで戦う華麗なファイトスタイルが人気だ。大晦日当日はどのように観客を楽しませてくれるのか、今からワクワクが止まらない。

憂流迦選手といえば、昨年10月の「RIZIN.19」で朝倉海選手と対戦。顎を砕かれ敗戦したことが記憶に新しい。あれから2度に渡る手術を経て、今回はおよそ1年3カ月ぶりの復帰戦となる。

試合前にも関わらず穏やかな表情でフジテレビュー!!取材班を迎えてくれた憂流迦選手に、たっぷり話を聞いた!

顎を粉砕するケガ「恐怖心でフラッシュバックするか不安も」

――大晦日に向けてコンディションはいかがですか?

とてもいい感じです。ケガから1年空いたので筋肉をつけるトレーニングで体を鍛えていました。あと6キロくらい減量しなくてはならないのがきついですが。

――やはり、格闘技は楽しいですか?

格闘技って“真剣の斬り合い”みたいで好きなんです。でも、前回の試合のケガで神経をやられてしまって、あの日よりも前の感覚が思い出せなくて。手術をしたので8割は戻ると言われているのですが、まだ戻っていません。格闘技は傷つけ合うスポーツだし「ただじゃ帰れない」という思いが前よりも強いです。

人間なので恐怖心が絶対に残っていると思います。試合当日はもちろん楽しみもあるけど、フラッシュバックするのか、不安もあります。でもビビったらだめです、ダサいじゃないですか。

小学校の文集に「IWGPチャンピオンになる」

――そもそも格闘家になろうと思ったきっかけは?

小学生の時、叔父がテレビでよくプロレスを見ていたんです。兄がはまって、僕もそれを真似して。小学校の文集には「IWGPチャンピオン(新日本プロレスが管理する王座)になる」って書いていたんですよ(笑)。中学に入ると、自宅で兄と練習していて、マット代わりにしたウォーターベッドを壊して怒られたことも。

高校でレスリングの強いところへ入り、そこで出会った強い先輩の背中を追いかけてたくさん学ばせてもらいました。

――総合格闘家として活躍している中、UFC(アメリカの総合格闘技団体)からオファーが来たんですよね?

そうなんです。渡米することに迷いはなかったですね。出身が静岡で、最初東京に出ることすら「やばい、こわい」と思っていたので(笑)、ニューヨークに住むのも「同じでしょ!」と。最初は言葉で苦労しましたが、移民も多くて、その後色んな国で闘った経験から、海外の宗教観などたくさん知ることができました。

自信がなかった自分にパワーをくれた「ファッション」

――憂流迦選手といえば、格闘家の中でもおしゃれなイメージがありますよね?

いやいや!おしゃれじゃないですよ。好きなものを着ているだけです。子どもの時に自分に自信がなくて、かっこいいなんて全く思っていなくて。でも服ってその人にパワーをプラスしてくれるんですよね。「かっこいいじゃん」って言われるとめちゃくちゃうれしくて。服ってすごいな、と思い始めました。

――それで自分のブランドも作ってしまったと?

そうですね(笑)。以前、モッズコートにペイントして着ていたら、海外の空港で「その服どこの?」って聞かれて。服の持つパワーって全世界共通だな、と思いました。服が好きになって、デザインに目が向いてディープになっていった、という感じです。美術館や公園に行くのが好きで、そこでアイディアを練ることが多いです。

昨年8月、憂流迦選手が立ち上げた自身のブランド「LAZY GOD」。コンセプトとしてオフィシャルサイトに書かれていたのは【世界を見て、闘い、感じたものを日常に創造する。過度に引き締めずに適度な脱力を。怠惰の神の名を冠する「脱力と創造」】とある。海外で目にしたさまざまな宗教観やものの考え方が影響しているという。

「LAZY GOD」公式ページ

――格闘技とブランドディレクターの両立は大変では?

格闘技はコーチ、打撃コーチ、寝技コーチ、マネージャー…と、担当が分かれています。ブランドも同じで、チームを組んでやっているので、僕が関われない部分はしっかり人に任せています。目指すのは、格闘技もブランドもしっかり続けていきたいということ。

近々「LAZY GOD PEACE」というラインを展開するのですが、売上げを児童養護施設に寄付します。ブランドを1年やって、ようやく寄付できるくらいにまかなえるようになりました。

医療従事者、児童養護施設へ売り上げを寄付する理由

先日は、新型コロナウイルスと闘う医療従事者へTシャツの売り上げを寄付したばかり。憂流迦選手のことを「いい人だ」という関係者が本当に多いのは、こういう姿を見ているからだろうか。

憂流迦選手は「いい人」なんですか?

――憂流迦選手は「いい人」だとよく聞きますが、「いい人」なのですか?

いい人じゃないですよー。やりたいと思ったら我慢ができない、自分勝手な人間なんです。ケガした時に皆さんから声をかけていただいたりサポートしていただいた時にすごく嬉しかったんです。自分も人によくしたい、それが結局「僕が嬉しいこと」につながるんです。

実はインタビューをしているそばで妻が付き添っていた。結婚して3年の妻について「すべてサポートしてくれているんです、僕がすげーわがままなんですけど、嫌にならないんですかね?(笑)」と語った。

――愛妻家なんですね?

いえいえ、愛妻家ではないです。普通に好きです。付き合ってからすぐに同棲して、ずっと一緒にいます。最近は「疲れるだろうから」と運転してくれて。けんか?めちゃくちゃしますよ(笑)。それがまた楽しいんです。

「普通に好きです」と彼や夫に言われたい!と思った人も多いのでは?妻の話の時が一番笑っていたように見えた憂流迦選手。

「眼福♡男子」という企画なので、自分の考えるチャームポイントを聞くと?憂流迦選手は「え-!チャームポイント?わからないです(笑)」と困ってしまった。すると…「好きなものを形にしてしまうこと」と横から声が♡。そう、妻のナイスなアシストだった!

――助言してもらっちゃいましたね?(笑)

はい(笑)。助けてもらっています!

一見クールな雰囲気が漂う佐々木憂流迦選手だが、格闘技にかける熱い思いからファッションにはまった理由、そして妻への変わらぬ愛まで!真のイケメンに間違いなかった。「あ~!こういう夫はどこにいるのだろうか…」とお腹いっぱいになった編集部一同なのだった。

撮影:河井彩美