1月12日（火）、映画「花束みたいな恋をした」完成披露イベントが都内で行われ、主演の菅田将暉と有村架純、土井裕泰監督が登壇した。
東京・京王線の明大前駅で終電を逃したことから偶然に出会った大学生の山音麦（やまね・むぎ／菅田将暉）と八谷絹（はちや・きぬ／有村架純）の、5年間のラブストーリーを描く本作。
イベントの司会を務めた笠井信輔アナウンサーは、「今は恋愛モノの全盛期とも言えると思いますが、この作品は深さが違う！」と冒頭から作品を絶賛。
撮影のクランクインは、ちょうど1年前の同日、1月12日だったとのこと。土井監督は、「本当に思いがけないことが起きた1年でしたが、こうして完成を報告させていただけることをうれしく思っています」と謝辞を述べた。
まず共演の感想を聞かれ、菅田は「一緒にがっつり作品作りを、というのは、いろんなところで会うたびに『やりたいな』と話していたんですが、今回、一番いいタイミングでいい作品に出会えたと思います」と話した。
そして有村の「意外な一面」を問われると、「蓋を開けたら“ド関西人”なので。僕も関西人なんですけど、（これまでの）現場であまり関西弁で話すことはなくて。（今回の撮影では関西弁で話したので、）その感じは新鮮でした」と明かした。
一方で有村は「本当に貴重な同い年の役者さんですし、こうして同じ舞台でお芝居をさせていただくのはうれしく思いました。『何者』（菅田と有村の共演映画）から4年経って、お互い成長して再会できた部分もあって。おこがましいかもしれないですが、撮影中も同志みたいな関係性を感じていました。すごく、いてくれて心強い役者さんですね」と感想を。
さらに菅田について「現実世界と地続きというか。お芝居の舞台でも、すごくフラットに本番に向かわれる役者さん。肩の力がいい意味で抜けていて、“受ける”体制が常に取れていると感じました」と分析した。
公開に先駆け、すでに出来上がった作品を見たという二人。
「ただただ2人で生活して、いろんな思い出を作って…ほぼ順番通りに撮影したこともあって、1月に育んだものが2月頃爆発してくるという、リアルな関係を築けていたなと感じました」（菅田）、「撮影もすごく充実していて、濃厚な時間を過ごさせていただいて。映像を見たときに、まだ“絹”が中にいて、『ずっと続いていくんだろうなぁ』みたいな、不思議な感覚になりました」（有村）という言葉に続き、土井監督も「どこかの世界にちゃんと生きている人たちに見えることが大事だった」と、演出の意図を明らかに。
監督は「2人には、本当に自由に演じてもらいました。出会ってから告白して、付き合って、一緒に暮らし始めて…その一つ一つに嘘がないように積み重ねていけば、いろんな人に伝わる普遍的なラブストーリーになるんじゃないかなと思っていました」と振り返った。
さらに続けて「試写会をすると、大体30代以上の男性が泣きながら出てきて、自分の過去の恋愛話をし始めて…」と明かすと、菅田は「さっき（イベント前）の笠井さんと同じですね！奥さんとの馴れ初めを話すっていう…」と茶化し、笠井アナも「スタッフもみんな迷惑そうだったもんね」と、恥ずかしそうに笑った。
イベントの終盤では、作品タイトルにちなみ、「花束占い」を実施。赤いバラ、ピンクのスイートピー、オレンジのラナンキュラス、黄色のガーベラ、紫のヒヤシンスの5種類から、お互いに贈りたい花束を選ぶことで、相手への「本当の思い」がわかるという。
菅田は迷うことなくオレンジのラナンキュラスを選択。「直感的に目がいったっていうのもありますけど、今日の格好にも合いそうだなと。グラデーションがかっている部分も、内の“ド関西人”なところと、外で仕事をしているところとあっているかなと…こじつけですけど（笑）」と理由を語り、続く有村は「髪型とすごく合うから」と、紫色のヒヤシンスを選択した。
オレンジのラナンキュラスを選んだ菅田は、有村を「とても信頼している存在」と思っているとの結果が。「お互いに安心できる環境のもと、多くを語らずとも大切なことが分かり合えたり、お互いのことをカバーし合えるような、信頼にあふれた関係を続けていきたいと思っているようです」という解説に「当たっている。百発百中です」と、菅田。
「信頼されていると感じますか？」と問われた有村は「主演をやらせていただくときは、どうしても演技以外のことも、いろいろ考えるんですが、今回は菅田くんがいてくれたことで、うまく分散されていたような気がする」と、逆に菅田への信頼感を明らかに。
そして、紫色のヒヤシンスを選んだ有村は、菅田を「励ましたい存在」と思っていると結果が明かされると、2人は爆笑。しかし「相手の喜ぶ顔を見たいと思っており、相手に何かをしてもらうよりも、自分が相手に何かをしてあげたいと望んでいます。打算などとは無縁に、ひたむきにお互いを励まし合い、共に成長していけることを望んでいけるでしょう」と解説されると、納得したように頷く有村。
一方で菅田は「俺の片想いですね。こちらは信頼しているけど、励ましたいと思われて…部活の先輩のような感じですね」と冗談めかして笑いを誘った。
結果への感想を聞かれた有村が「確かに。しっかりしている人ほど心配になりますよね。ちゃんと『疲れた』とか言っているかな？とか」と、“アネゴ肌”な一面を覗かせると、笠井アナは「“姉ちゃん”ですね！ドラマと同じですね」と、主演ドラマ『姉ちゃんの恋人』のキャラクターを引き合いに出していた。
そんな様子を見ていた監督は、「撮影中もほぼ2人のシーンで、待っている間もずっと2人でいて。気づいたら河原で2人でしゃべっていたり、夜、2人でブランコを漕いでいたり。今の様子を見ていてもそのときの関係性と近いというか、とても自然体でいられるんだなと思いました」と目を細めた。
最後に菅田は「恋愛自体の面白さ、可愛さ、滑稽さがすごく丁寧に描かれています。結末以上に、どんな風に出会って、何を共通言語に、2人の関係を育んでいったのか、見る人はきっと過去のいろんなものがほじくられて、こしょばくも愛おしい気持ちになると思います」とコメント。
そして有村は「この物語は男女問わず世代問わず、皆さまの中にもしまってあるような思い出だったり物語があるのかなと思っています。見終わった後、眩しい思い出の思いを馳せて、少し口角をあげて帰っていただけたらと思います。恋愛の醍醐味が詰まった作品になっていますので、温かく、麦と絹を見守っていただけたらと思います」と呼びかけ、イベントは幕を閉じた。
映画「花束みたいな恋をした」は、1月29日（金）より全国公開。最新情報は公式サイトまで。
©2021『花束みたいな恋をした』製作委員会
配給：東京テアトル、リトルモア
