剣崎元春(大倉忠義)が、建石澪(広瀬アリス)を家へ送り届ける途中、澪の母・久恵(片平なぎさ)が現れて、元春に抱きついてきた。久恵は元春を「婿」と呼び、「澪が毎日怒るから家に帰って来なくなったのよ」と言った。
澪は「母が認知症を患っていて変なことを言ってすみません」と元春に謝ったが、元春は気が気ではない。また元春は、澪と結婚していた世界で、すでに久恵の認知症が発症していたのではないか、と疑いショックを受ける。忙しさにかまけて気づいていなかったが、振り返ると澪の態度に思い当たることがあった。
澪の家を出た元春は、久恵が「自分が過去を変えたことを知っているのではないか?」という疑念を拭いきれない。それを知っているのは自分ともう一人、小池良治(生瀬勝久)だけのはず。元春は小池を探しに出会った公園へ行くが、姿は見当たらない。
翌日、元春はなぎさ(川栄李奈)から母が作ったいなり寿司を受け取る。かつて澪がこれを好きだったことを思い出した元春は、銀行で一人残業している彼女に届けに行く。すると、元春より先に来ていた津山千晴(松下洸平)が、澪に告白をしていた。なぜか元春の気持ちは揺らいでしまう。
その後、元春と津山は、木田尚希(森田甘路)の店に行く。澪と泊りがけの研修に一緒に行くことになった津山は、これを機に彼女を口説き落とそうと木田と盛り上がるが、元春は思わず反対してしまう。その頃、澪は帰り道でなぎさと出会い、告白されたことを打ち明けるが、相手に運命を感じないと漏らしていた。
翌日以降、津山は仕事でも澪を優しくフォロー。そんな時、木田の店に一人で飲みに行った元春に、なぎさは津山に紹介したい女性がいると話す。木田は津山には好きな女性がいると反対するが、元春は賛成する。
そこへ、津山が澪と一緒に現れた。澪は元春がなぎさの兄だと知り、なぎさは澪に紹介しようとしていた津山が、すでに彼女を好きなことを知る。元春の心はさらに複雑になってしまう。
週末、元春は沙也佳(瀧本美織)と彼女の両親と過ごす。元春は一緒に研修に行った澪と津山のことを考えて、ゴルフも上の空。沙也佳は食事中、両親にチェロのレッスンを受けたいと話すが受け入れてもらえず、母親には大学の講師も辞めて良い頃だと言われ、父親にはチェロは趣味と断じられてしまう。そんな話にも元春は関心を抱かない。さらに、帰宅してもゲームをしている元春に、沙也佳は八つ当たりしてしまう。
心ここにあらずの元春は木田の店へ。津山からの報告メールを期待している木田が元春には面白くない。すると、木田にメールが来た。研修後の親睦会を終えたら、澪とバーに行くという津山からの連絡。不機嫌な気持ちで木田の店を出た元春は、津山たちの研修先のホテルへ行ってしまう。すると、ちょうどバーへ向かう津山と澪に会う。津山は元春に帰れと言うが、澪は一緒に飲もうと誘う。
3人で飲みながら、津山は澪に映画の好みを聞く。澪が好きなのは泣けるラブストーリーだと思っていた元春。だが、澪の答えはスカッとするアクション映画だった。さらに澪は、泣けるラブストーリーを見るのは悲しい時で、プライドの高い自分でも、映画を口実に泣けるのだ、と言い、元春は衝撃を受ける。かつて、澪が映画を見て泣いていたのは、自分が悲しい思いをさせたからだと気づいた。
トイレから戻った元春と入れ違いに、津山が席を外した。テーブルに突っ伏して寝ている澪に、元春は心の中で謝罪し、頭の上に手のひらをのせる。すると、澪が目を覚ます。元春は髪に何かついていたと誤魔化すが、澪は手のひらの感触に何かを感じる。
元春がホテルを去ると、澪と津山はそれぞれの部屋へと戻った。澪を思いながら家へと向かう元春は小池を発見。元春は追いかけようとするが転んでしまい、姿を見失う。その後、独りで街を歩く小池を久恵が見ていた。
次の朝、元春は機嫌が戻っていそうな沙也佳に、夕食は待ち合わせして食べに行こうと誘う。沙也佳は喜んで、銀行に迎えに行くと答えた。その夜、宮本和弘支店長(おかやまはじめ)が行員たちを飲みに誘うが、元春は断った。
みんなが出て行き、元春も帰り支度をしていると澪が来る。澪も飲みに行こうとするのだが、確認したいことがあると元春のもとへ。そして、澪は元春の手を持ち上げて自分の頭にのせた。手のひらの感触を確認する澪。と、そこに元春と待ち合わせた沙也佳が現れて…。