綿矢りさの小説「ひらいて」が、山田杏奈主演で映画化されることが決定した。2021年秋に劇場公開予定だ。
女性から圧倒的な支持を得る芥川賞作家・綿矢りさが、高校生による禁断の三角関係を描き、人間の根源的な愛を問う、文芸少女のバイブルとなった「ひらいて」。
主人公の女子高生・木村愛役を演じる山田杏奈は、「ジオラマボーイ・パノラマガール」「樹海村」など主演作が続々公開中。今、若手の中でも最も旬な女優といえる彼女が、屈折した少女の恋心を圧倒的な存在感と演技力で表現する。
脚本・監督を務めるのは、「また一緒に寝ようね」でぴあフィルムフェスティバル2016映画ファン賞・審査員特別賞を受賞し、オムニバス映画「21世紀の女の子」でも注目を集めた24歳、新進気鋭の若手監督・首藤凜(しゅとう・りん)。
荒々しさと繊細さが共存する少女の姿を美しくもポップに描き、見る者を最初から最後まで引き込む、青春エンタテインメント作品に仕上げている。
<山田杏奈 コメント>
木村愛役を務めさせていただきました、山田杏奈です。愛が自分と他人を壊しながら、もがきながら生きる姿が皆さんにどう映るかとても楽しみです。普段、役と共に泣いて、共に喜ぶことを目標にしていますが、今回は愛という人とひたすら戦った撮影期間でした。 私は彼女が嫌いですが、彼女を愛さずにはいられませんでした。素晴らしいキャストの皆さん、スタッフの皆さんと紡(つむ)いだ作品をどうぞ楽しみにしていてください。
<首藤凜監督 コメント>
綿矢りささんの「ひらいて」を初めて読んだ17歳の冬から、この映画を撮るために生きてきました。静かな戦いのような撮影期間、そうずっとあなたに会いたかったのだと思う瞬間が幾度(いくど)もありました。歪(いびつ)な彼女たちの青春でもって、世界にはこんなやり方が無数にあるのかもしれないと予感されるように、私の才能と熱の全てを使います。
<綿矢りさ コメント>
「ひらいて」は炎のように自分も周りも焼きつくしてしまう、激しい性格の女子高生が主人公で、映像にするとどんな風になるか想像もつきませんでした。でも脚本を読ませていただき、主人公の激しさのなかにある揺らぎや、人に出会って少しずつ変わってゆく様子が描かれていて、感動しました。首藤監督の作り上げられた映像作品を見るのが、とても楽しみです。主演の山田杏奈さんが、主人公の体当たりの恋をどのように演じられるのかも、想像が膨らみます。
<あらすじ>
高校3年生の愛(山田杏奈)は、成績優秀、明るくて校内では人気者。そんな彼女は、同じクラスの「たとえ」に片思いをしている。彼はクラスでも目立たず、教室でもひっそりと過ごす地味なタイプの男子。だが寡黙さの中にある聡明さと、どことなく謎めいた影を持つたとえに、愛は高1の時からずっと惹かれていた。しかし、どこか人と関わりを持つことを避けているようなたとえに、愛はなかなか近づけずにいた。
自分だけが彼の魅力を知っていると思っていた。しかし、彼が学校で誰かからの手紙を大事そうに読んでいる姿を偶然見てしまった事で事態は一変する。
愛はある夜、悪友たちと学校に忍び込み、その手紙を盗んでしまう。手紙の差出人は、糖尿病の持病を抱える陰気な少女・美雪。その時、愛は、初めてふたりが密かに交際していることを知るのだった。
学校内でも目立たない彼女の存在が突如たとえの彼女だと知り、熱い恋心が乱反射する。そして自らの気持ちを隠して美雪に近づいていく愛。そこから愛と美雪、たとえの絡み合った三角関係が始まるのだった。
詳細や最新情報は公式サイトにて確認を。