2024年7月26日に開会式が行われるパリオリンピックのメダル候補を紹介する「メダルへの道」。今回は、23歳ながらすでに日本選手権で5度優勝し、パリオリンピックでメダルが期待される女子3m板飛び込み・三上紗也可選手。「厳しかった」という安田千万樹(ちまき)コーチと二人三脚で目指す、金メダルへの日々と思いに迫ります。
オリンピックを見据えた14年越しの秘策「5154B」
三上選手が安田コーチから指導を受け始めたのは小学4年のころ。
「大きな目標へ」期待するからこそ、コーチからは時に厳しい言葉もあったといいます。
大川立樹アナ:安田コーチとの14年間はどんな日々でしたか?
三上選手:一言で表すと厳しかったなと思います。
そんな二人がオリンピックを見据えて14年前から計画的に練り上げてきたのが、世界でも数人しか飛ぶことができないという「5154B」という技。
安田千万樹コーチ:彼女の持ち味というのは優れたジャンプ力なんです。世界でもトップクラスの力を持っています。
そんな三上選手の強い脚力があるからこそ挑戦できるこの技は、着水までの「2秒弱」の間に空中で2回半の前方宙返りとひねりを2回行うものなんです。
東京五輪での悔しさから芽生えた“覚悟” 二人三脚で勝ち取る金メダル
3年前の東京オリンピックでは、「5154B」の精度にまだ自信が持てなかったため、この大技を回避し準決勝へ進んだ三上選手。
しかし、決勝に進むことはできず、大技を披露することはなく敗退してしまう結果となりました。
この時、三上選手は安田コーチの“悔しさ”を実感したある姿を見たといいます。
三上選手:安田先生がずっと階段の裏ですごく泣いていたのを目にして、安田先生のほうが悲しかったのかな、悔しかったのかなというふうに受け止めました。
安田コーチもこの時をこう振り返ります。
安田コーチ:私のエゴで日常を奪って、学校の活動だったり友達との交流だったりそういうことも全部奪って、私についてきた選手ですので、目標としてきた形(メダル)を取らすことができなかったというのが非常に悔しかったですね。
2人で挑んだ初めてのオリンピックでの悔しさが三上選手の心に変化をもたらしました。
三上選手:“覚悟”みたいなそういうところが芽生えてきたのかなと思っています。
強い覚悟を持ち、3年間コーチと地道に練習を積み重ねた結果、その卓越したジャンプ力もさらに磨きがかかり、ウォーミングアップの縄跳びでは4重跳びもできるように。
そして、ジャンプ力が向上したことで、「5154B」の精度もアップ!
2023年4月に行われたワールドカップ・スーパーファイナルでも成功させ銀メダルを獲得しました。
大きな目標へ向け、“二人三脚で歩む安田コーチの存在”が三上選手のメダルへの道です。
安田コーチ:全力でやりましたとか、一生懸命やりましたっていう言葉で終わらせずに、貪欲にしっかりとメダルを取らせたいと思っています。
三上選手:パリオリンピックでは自分の持っている力をすべて出し切って、絶対金メダルを持って帰ってきたいと思っています。
(『めざましテレビ』2024年7月13日放送より)
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