のん「映画という娯楽は人間に必要」主演女優賞受賞 同作品で監督賞受賞にも喜び
5月31日(月)、映画批評家ならではの視点で選出される、第30回「日本映画批評家大賞」授賞式が行われ、各賞の受賞者が発表された。
「日本映画批評家大賞」は、映画評論家のみが選考委員を務め、“本音で”その1年の中で輝いた優秀な作品、俳優を選出する。
ここでは引き続き、授賞式に登壇した各賞の受賞者のコメントを紹介する。
<最優秀主演女優賞:のん>
「私をくいとめて」で主演を務めたのんが、主演女優賞を受賞した。“おひとりさま”を満喫している31歳の黒田みつ子(のん)。彼女の脳内にはもうひとりの自分である相談役「A」が存在し、いつもアドバイスをくれていた。そんなみつ子がある日恋をすることで怒涛の展開を見せていくパワフルな物語だ。
選考委員は、のんの存在感を絶賛。白いワンピース姿で登壇したのんは、目を潤ませながら、同作品で監督賞を受賞した大九明子監督の受賞を喜んだ。
そして「主演のいいところは、たくさん出番があって、ずーっと演技をしていられるところです。その充実感を久しぶりに味合わせてもらいました」と笑顔を見せ、「映画という娯楽は人間にとって必要、必須なもの」と締めくくった。
<監督賞:大九明子>
「様々な作品を撮れる、今の時代に必要な才能」と選考理由を伝えられた大九監督は、喜びの表情を見せるも、そこに花束を渡すプレゼンターとして電撃ネットワークの南部虎弾が登場。南部はお得意の芸“おでこの缶からのビール注ぎ”をサプライズ披露し、ビール缶をおでこにくっつけてコップにビールを注ぎ、「かんぱーい!」と、映画のヒットを祈願した。
そのサプライズに、大九監督は笑いながら「頭が真っ白になった」と語り、「一作一作、大切に作ってきました。監督というのはスタッフがいて、俳優がいて、お客様がいて形になる」と感謝の言葉を伝えた。
また、緊急事態宣言下におかれている映画館の状況についても触れ、「映画は不要でも普及ではない、これからも映画を作っていきたい」と強い決意も見せた。
<第30回 日本映画批評家大賞 受賞一覧>
作品賞:「星の子」
主演男優賞:中村梅雀「山中静夫氏の尊厳死」
主演男優賞:津田寛治「山中静夫氏の尊厳死」
主演女優賞:のん「私をくいとめて」
助演男優賞:宇野祥平「罪の声」
助演女優賞:浅田美代子「朝が来る」
監督賞:大九明子「私をくいとめて」
新人監督賞:内山拓也「佐々木、イン、マイマイン」
新人監督賞:HIKARI「37セカンズ」
新人監督賞:佐藤快磨「泣く子はいねぇが」
新人男優賞(南俊子賞):宮沢氷魚「his」
新人男優賞(南俊子賞):奥平大兼「MOTHER マザー」
新人女優賞(小森和子賞):服部樹咲「ミッドナイトスワン」
新人女優賞(小森和子賞):佳山明「37セカンズ」
新人女優賞(小森和子賞):吉本実憂「瞽女GOZE」
ドキュメンタリー賞:「ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へ」
アニメーション作品賞:「劇場版 ごん – GON, THE LITTLE FOX – 」
脚本賞:天野千尋「ミセス・ノイズィ」
脚本賞:入江悠「AI崩壊」
編集賞(浦岡敬一賞):李英美「スパイの妻<劇場版>」
映画音楽賞:渋谷慶一郎「ミッドナイトスワン」
特別賞(松永武賞):新文芸坐
国際審査員特別賞:チェ・ブラム
ゴールデン・グローリー賞(水野晴郎賞):火野正平「罪の声」
ゴールデン・グローリー賞(水野晴郎賞):田中裕子「おらおらでひとりいぐも」
ダイヤモンド大賞:大林宣彦
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