『イチケイのカラス』第6話完全版
10年前、弁護士から裁判官になったみちお(竹野内豊)は、日高(草刈民代)に会う。そこで日高から、なぜ裁判官になったのか、と問われたみちおは、弁護士として刑事裁判官に対して思った「どうして」を全部実践してみようと思った、と答える。続けてみちおは、どうして裁判官を志したのか、と日高に問いかけていた。
現在――。草野球の試合を終えたみちおたちは、相手の井出(山崎育三郎)、城島(升毅)ら地検チームと一緒に石倉(新田真剣佑)の実家「そば処いしくら」に集まって飲んでいた。そこに、坂間(黒木華)が日高を連れてやってくる。坂間は、女性裁判官の会に出席し、日高の最高裁長官内定のお祝いをしていたという。
するとみちおは、志摩総一郎(羽場裕一)という男の名前を出し、彼が被害に遭った窃盗事件を担当することになったと日高に告げる。志摩は、弁護士時代のみちおが最後に担当したある事件に関係する人物だった。
みちおが裁判長を務める窃盗事件とは、前科6犯の窃盗犯・岸田(バカリズム)が、会計事務所所長の志摩の自宅に忍び込み、現金113万円を盗んだ事件だった。岸田は犯行後、盗んだ自転車で逃走を図ったが、その途中で新聞配達員と自転車同士の衝突事故を起こして顔を見られたため、犯行から1週間後に自首していた。
第1回公判で、岸田はエリート人生から転落して窃盗を繰り返したという井出の言葉に反発し、泥棒がいかに魅力的な仕事であるか、どんな金庫も開けられる優れた耳を持つ自分がその個性を生かすためにいかに努力をしているかを力説し始める。また岸田には、金が余っている家しか狙わず、人は絶対に傷つけない、というポリシーがあるのだという。
第2回公判。みちおは、岸田と衝突事故を起こした新聞配達員の下山(長島令玖)から話を聞く。下山は、岸田が重そうなカバンを自転車の前カゴに載せていたためにハンドルが切れなかったのではないか、と証言する。
そのカバンの中身について問われた岸田は、泥棒におけるあらゆる道具だと答えた。みちおは、これまで理路整然と話していた岸田が、逃走時のことなるとあいまいな証言をすることや、今回初めて自首してきたことが気になり、逃走経路周辺の防犯カメラを確認することにする。
公判後、みちおのもとへやってきた坂間は、12年前の事件・東丸電機殺人事件のことを詳しく話してほしいと頼む。12年前、東丸電機の研究部主任だった被告人の仁科壮介(窪塚俊介)は、被害者である同社の経営戦略部部長・布施元治(中野剛)から研究部門の解体および製造部門への異動を命じられたことがきっかけで彼とたびたびトラブルを起こした挙句に撲殺した罪で、無期懲役を言い渡されていた。
仁科は無罪を主張していたが、連日の厳しい取り調べの末、一度は犯行を認めてしまう。しかし、公判では一転無罪を主張していた。実は仁科は、事件現場から逃げていく男を目撃していた。その男こそ、岸田が起こした窃盗事件の被害者で、国税庁OBの志摩総一郎だった。
みちおは、東丸電機殺人事件の裁判長を務めた日高に、志摩の証人尋問を要請したが、関連性が薄い、という理由から却下されていた。その後、仁科は「私は無実です」という書き置きを残して、自ら命を絶ってしまう。
どうして証人尋問を拒否したのか、どうして現場検証をさせてくれないのか、どうして仁科を救えなかったのか。「僕には『どうして』がいっぱい残った」。そう坂間に告げるみちお。
そこに石倉がやってきて、岸田の窃盗事件に関しておかしなことがあったと報告する。
石倉は、岸田の逃走経路に設置されている自治体の防犯カメラ映像の閲覧申請をしていた。すると、石倉よりも先に、その映像を見せてほしいと言う人物がいたのだという。
それが新聞記者の真鍋伸(坂口和也)だった。しかも真鍋は、その後歩道橋で何者かによって突き飛ばされて頭を打ち、脳死状態になっていた。みちおは、過去の事件ではなくまず目の前の事件に集中するにあたり、今回の裁判を合議制に変更し、裁判所主導で改めて捜査を行うことにする。
防犯カメラの映像を検証すると、盗みに入る前の岸田のカバンは軽そうに見えたが、犯行後は明らかに重そうな様子だった。そこでみちおたちは、民間の科学捜査研究所の研究員も呼び、自転車に積まれた際の荷物の重さを検証する。
川添(中村梅雀)が岸田役を務めたその実験では、カバンの中身が約20kgであることが判明した。もしその中身が現金だとすれば2億円相当の重さだった。
みちおは、坂間、石倉とともに、真鍋が入院している病院を訪れ、彼の妻・智花(山田キヌヲ)に会う。智花は妊娠中だった。みちおたちは、智花から真鍋が国税庁の天下りについて調べていたことを教えられる。
智花によれば、志摩は天下りのコーディネーターのような役割を担っていたらしいが、なぜ真鍋が窃盗事件について調べていたのかまではわからないという。真鍋は、事件翌日に出産のため里帰りしていた智花に会いに行く予定だった。
そこに、駒沢(小日向文世)から連絡が入る。岸田の窃盗事件に関して、検察庁から大至急送検するよう、要請があったのだという。取り調べを担当したのは、小宮山(テイ龍進)という検事だった。
駒沢は、次回の公判までに、小宮山検事の取り調べの録音と録画を証拠として請求するよう、井出に依頼した。そんな駒沢に、みちおは、志摩を法廷に呼びたいと告げる。
小宮山は、やってきた井出と城島に、取り調べの際の録音・録画データは「不見当」だと告げる。するとそこに、城島の後輩だが上司にあたる次長検事の中森(矢島健一)が現れる。中森は、検察が起訴した証拠によって判断を下すのが裁判官の職務だと主張し、以後地裁への捜査協力は禁止すると井出たちに言い渡す。
第3回公判では、傍聴席に小宮山の姿もあった。そこで、20kg相当のカバンの中身について問われた岸田は、実は金以外に美術品も盗んだが、盗品専門の鑑定士によって模造品であることがわかり、破棄したと証言する。
法律や裁判所の実情にも詳しい岸田は、自分の刑なら2年6ヵ月の実刑相当なのだから早く判決を下すよう求めた。「詳しいですね」とみちおに言われた岸田は、常識だと返し、エリート意識で人を見下す人間は嫌いだと言う。それに対してみちおは、最終学歴が中学卒業であることを明かし、裁判官だからエリートという発想こそ紋切り型だと返す。
続いて証言台に立った志摩も、模造品が盗まれたことを認めた。志摩は、みちおが12年前の事件の際、自分を容疑者のような扱いで法廷に呼び出そうとしたと言い出し、最高裁に抗議書を提出するとみちおに告げる。みちおは、かつての事件と本件は関係がないと返し、真実を明らかにしないと岸田を正しく裁けないとして、岸田について調べたことを述べる。
岸田が会社を辞めたのは、移動販売のパン店をやるためだった。だが、それに失敗した岸田は、窃盗を繰り返すようになったのだ。駒沢は、小宮山検事による取り調べの録音・録画はどうなっているのか、と城島に尋ねた。しかし城島は、「不見当」だと返す。
公判後、駒沢や坂間からも責められた城島は、中森からの圧力があったことを認める。実は中森は、12年前の事件で公判を担当した検事でもあった。そこに、糸子(水谷果穂)がやってきて、脳死状態だった真鍋が亡くなったことをみんなに伝える。
所在尋問で智花を訪ねたみちおたちは、事件の前に気になったことはないか尋ねた。その際、みちおたちは、真鍋の趣味が釣りで、父親から受け継いだ船を所有していることを知る。智花は、事件の前も釣りに行っていたかもしれない、とみちおたちに告げるが…。
一方、川添、浜谷(桜井ユキ)、糸子の3人は、バッテングセンターにいた井出と城島を訪ねる。そこで3人は、井出と城島の司法修習記念アルバムを取り出し、2人の言葉を読み上げて捜査協力を訴えた。
その夜、「そば処いしくら」に集まっていたみちおたちの前に、井出と城島が現れる。井出たちは、2人だけの会話のように見せかけて、調べてきたことを話しだす。小宮が警察よりも先に岸田の行方を見つけ出そうとしていたこと、交通機関のICカード履歴から岸田が犯行後用賀付近に潜伏していたことを見抜き、なんらかの取引が行われた可能性もあることを…。
別の日、みちおたちは真鍋の船が係留されている港を訪れる。そこで真鍋の釣り仲間に会ったみちおたちは、彼が舟板を外していたという情報を得る、真鍋の船を調べると、そこには手帳に挟まれたUSBメモリが隠されていた。
第4回公判では、駒沢や川添たちが見つけた防犯カメラの映像が流された。そこに映っていたのは廃屋から出てきた岸田に接触する人物――小宮山の後輩で、ヤメ検弁護士の畠山(日向丈)だった。
畠山は、公判中も何度か岸田に面会していることも明らかになっていた。証言台に立った小宮山は、何も関知していない、話なら畠山から聞くべきだと主張する。だが、実は畠山は、証人尋問を要請した途端、姿を消していた。
そこでみちおは、何があったのかを岸田本人から聞こうとする。法壇から降りたみちおは、まだパン店にチャレンジできるのではないかと問いかけ、それは決意の問題だと続けた。自分自身も、弁護士を辞めて裁判官を志したとき、正しい裁判を必ず行うと決意したのだという。
みちおは、岸田に後ろを向いて話すよう指示した。傍聴人席には、智花の姿があった。みちおは、窃盗事件を調べていた真鍋が亡くなったことに触れ、誰も傷つけない犯罪などない、と告げた。
そこで岸田は、みちおが一連の公判で計13回も「正しい裁判」という言葉を使っていたことに言及し、盗んだのは113万円ではなく2億円だったことを証言する。畠山からは、1000万円で買収されたのだという。
岸田の証言を受け、岸田の弁護人・奥山(中野順一朗)は、真鍋が隠し持っていたデータを公開する。そこには、志摩の会計事務所が担当する大手企業の裏帳簿があった。
駒場は、これが売り上げと利益を少なく見せかけた脱税であること、しかも国税庁が黙認した可能性もあることに触れた。騒然となる法廷から逃げるように立ち去ろうとした志摩は、待機していた私服警官から同行を求められ…。
閉廷後、みちおと坂間は、智花に真鍋の手帳を返却する。そこには、生まれてくる子どものために真鍋が考えた「直輝」という名前が記されていた。
日高に会いに行ったみちおは、真鍋が入手した裏帳簿から、12年前、東丸電機も脱税していたこと、被害者の布施と志摩に接点があったことを伝える。みちおは、かつて日高が、裁判官は「社会の医者」だから志したと言っていたことに触れ、日高に憧れている坂間が仁科の遺族に会いに行っていることを伝える。
そのころ坂間は、仁科の妹で、フリースクールの教師をしている由貴(臼田あさ美)に会い、12年前の事件の再審請求をするよう説得していた。
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