＜試写室＞おかしすぎる中島ハルコと、振り回されるいづみに笑いつつ…結局、痛快！って煙に巻かれる爆発力半端ない

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すごい！何なの、このドラマッ！？

演出の文法はラブコメなのに、ラブコメじゃないし

最近のドラマでは見慣れない新鮮な風景…、それは名古屋だし

超かっこよく啖呵（たんか）切ってるはずなのに、ありがたみ…ありそうでないし

何より、主人公・中島ハルコ（大地真央）が、結局のところ最後の最後まで、あんた誰！？だったのに

それなのに、なぜなの？なんて痛快！！新・感・覚！！！

「オトナの土ドラ」で、「何なの、このドラマッ！？」って叫ぶときって、大概、中身が相当クレイジーな時だし（うん、でもそれこそが「オトナの土ドラ」たる所以だよね）、このドラマも相当変な類いのドラマ（失礼）だし、クレイジーかクレイジーじゃないかで言ったら（究極の二択）クレイジー方面のドラマであることは間違いないんだけど…だって、このドラマの公式HPのトップ（https://tk.tokai-tv.com/nakajimaharuko/）見て！インパクト！！ってのはそうなんだけど、唐突に“今週のハルコ占い”っていう、脈略！！脈略なさすぎやろ！！（どれどれ、僕の“おうし座”はというと…「ほら、背筋が曲がってるわよ！」って、当たってるーーー！！！じゃねー！！）…ね？クレイジー方面でしょ？…なんだけど、こんなにポップで軽やかで、ためになったようで、なってないような…、だけど、やっぱり最後、痛快！！って気分になれる「オトナの土ドラ」…っていうか、こんなドラマ見たことない！だからこその新感覚！

で、よくよく振り返ってみたら『さくらの親子丼』→『その女、ジルバ』→『リカ～リバース』→『最高のオバハン 中島ハルコ』って、完全に、この枠、歳を重ねた様々な女性たちが主人公…ズバリ言っちゃえば“おばさまシフト”してる…よね？だけど、人情→自分探し→クレイジーラブ→痛快って、どれも個性が強すぎるし、作風も違いすぎるから、“おばさまシフト”に全く気付かせない…どういう路線にするつもりなのか、全く読めない…っていう東海テレビさんの戦略…？…うん、嫌いじゃないぜ。

っとまあ、そんなことはいいとして、今作『最高のオバハン 中島ハルコ』って、一体どんなドラマかというと、主人公・中島ハルコのエキセントリック！に圧倒される！！そんなドラマなんです！！…って全然説明になってない…。

とにかく中身については説明できない、見たことのない面白さがあるので、それを作り出している外側を解説すると…。コミカルな映像演出で、ラブコメを見るような軽快さがあり、今回の第1話も“不倫”をテーマにしてはいるんだけど、重苦しさとか、生々しさとかは全くなく、それに対するハルコの見得にはちゃんと風刺がきいてる…んだけど、ことさらそこを深堀りして強調するわけでもないから全然説教くささがない…だからすごく気持ちいい。そして、さすがの東海テレビさん、最近はどのドラマも街並みが見慣れた風景…ってのに陥りがちだけど、今作の基本舞台は“愛知県”なもんだから、イケメンゴリラ“シャバーニ”で有名な東山動物園や、ロケーションが最高過ぎる蒲郡のクラシックホテルなど、名所満載で見た目が新鮮＆ゴージャス！！画的なワクワク感もあります。また愛知県…名古屋という、その土地柄なのでしょうか？今回の第1話限定なのでしょうか？登場人物たちみんなが“リッチ思考”で、考え方がぶっ飛んでます。その常人には理解できない“リッチ思考”が、どういう世界の物語？って見ている僕らを刺激してくれるんだけど、それより、何より、そんな刺激的登場人物たちの、トップオブトップに君臨するのが、中島ハルコっていう圧倒的主人公！！だって見た目の美しさも、リッチ感も、思考のぶっ飛び具合も、もうこれ、どうしたって、大地真央さんでしか成立しないだろっていうほどの圧倒的さ！！しかも「美のスーパードクター！」って、ホントに自ら、自称しちゃってるし、ちゃんとドクターの仕事っぷりもシーンの中で見せてるはずなんだけど、その存在感が異次元過ぎて、結局のところいったい何者なのか？最後の最後まで全くつかめない…何が何だかわからない気分にさせる超エキセントリックな人物に仕上がっているのです。もうホント大地真央さん、“オバハン”とかタイトルで言ってるけど、信じられないほどのビューティ＆チャーミング！！そして、品ありすぎ！！だからすべての挙動が画になるし、言いっぱなしな言動も多いのに、嫌味じゃないし、もう圧倒されちゃって、なんでか妙に納得してしまうんです。要するに、こんな主人公、見たことない！ってなること間違いなし。

そして、このドラマの重要人物となるのが、圧倒的主人公のバディとなる女性…。このドラマ、どんなジャンル？って言われるとノンジャンルだし、主人公も共感できるとかそういう次元のキャラじゃないから、ヘタすると視聴者置いてけぼり…になってもおかしくない…んだけど、視聴者目線ポジションを担い、かつツッコミの機能としてもうまく働いてくれるのが…10年もの不倫の末、男から200万円をせがまれ、バックレられるというトンデモない境遇にはまっちゃってる、いづみ（松本まりか）…がすっごくいい味を出してくれます。

僕、松本まりかさんが演じるこのポジション、少し心配してたんですよ。だって、松本まりかさんって、“怪演”もしくは“あざとさ”で魅了する女優さんじゃないですか？（思い込みひどい）、だから、中島ハルコがそもそもエキセントリックなトンデモキャラなのに、松本まりかさんがそのポジション…視聴者目線になれる？…って。だけど、そんな心配、全くいらなかった！いづみが、ハルコや第1話で登場する“お金持ちたち”の、常人には説明しがたい言動を、心の声で適格にツッコんでいくので、“え、なんなのこの人たち！？”って、ストレスを感じるどころか、ツッコミが絶妙すぎて、おかしくって笑っちゃいます。しかも、いづみ、さっき挙げたようにとんでもなく“男を見る目がない”ので、応援したくなるような…だけど松本まりかさんが演じるんだからさもありなん（ホント失礼）…とか妙に納得してしまう…そんな不思議な感情にさせられる、今まで、見たことのない松本まりかさんに、出会えると思います。

もう、とにかく、おかしすぎる中島ハルコと、そこに集まる人物たち、それに振り回されるいづみ…に笑いつつ、途中“え？今、なんか、いいこと言った？そんな気がするけど、これ、役に…たつ？”とか思いながらも、ラスト、なんだかよくわかんないけどハルコの圧倒的な存在感によって結局、痛快！！って煙に巻かれる、そんな爆発力半端ないドラマ！！土曜の夜、気軽に楽しめて、いい気分で眠れる、そんなドラマになってると思います！！

あぁ、それにしても劇中で何度も登場した“生しるこサンド”…。気になりすぎる…。名古屋行ったら、買ってこよーっと。

text by 大石庸平（テレビ視聴しつ 室長）