谷原章介『めざまし8』MCオファーに「妻の反対は一切なし。ただ、僕の性分をわかっているので…（笑）」

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3月29日（月）からスタートするフジテレビの朝の情報番組『めざまし8』。今もっとも関心の高いニュースを独自の目線で深く掘り下げるほか、エンタメ＆カルチャー情報や生活情報も満載で放送する、いわば“大人のめざまし”だ。

MCを担当するのは、ニュース情報番組のメーンキャスターに初挑戦する谷原章介。『めざましテレビ』で5年間、メーンキャスターを務めた永島優美フジテレビアナウンサーとともに、新たな“朝の顔”となる。

番組がスタートする直前の心境を、「ワクワクしつつドキドキしていて、初恋のような不思議な気持ち」と語った谷原に、新境地に臨む意気込みやスタンス、22年間続いた『とくダネ！』の後番組を継ぐ心境、家族の反応などを聞いた。

──いよいよ番組のスタートが近づいてきました。準備も着々と進んでいると思います。今の心境と意気込みをお願いします。

僕としては、なるべく偏らず、いろいろな情報を入れるように、新聞2紙と、ニュースなどを扱う総合週刊誌を1誌読んでいます。そして、うれしいことに、今までお世話になったスタッフやプロデューサーさんがアドバイスをくださるので、それを日々参考に情報収集しています。

日々の暮らしの中、どういう意識でいるのかによって、物事に対する見方が変わってくるじゃないですか。ニュースの見方もそう。ニュースを見た時に、自分だったらどう言うのかなって。いろいろな思考を重ねることも日々やるようにしています。

心境としては、ワクワクしつつドキドキしていて…。なんていうんでしょう。初恋のような、不思議な気持ちですね（笑）。

──どんな雰囲気の番組にしていきたいですか？

『とくダネ！』とそんなに大きく変わることはないと思っているんです。今までの視聴者もいらっしゃるので、まったく違うものになってしまうと戸惑いもあると思いますし。長く愛されてきた番組の伝統や、小倉智昭さんが大切にされてきたことを継承しつつ、徐々に独自のカラーをスタッフのみなさんと一緒に出していければいいなと思っています。

大事なことは、僕がブレずに、おもねらずに、わかったふりをせずに、ということだと思いますので、わからないことはわからないと正直に言うスタンスでいきたいですね。

かつて、ジャーナリストの筑紫哲也さんの報道番組『筑紫哲也 NEWS23』で「多事争論」というコーナーがありました。その意味の通りで、違う意見も大事にしつつ、みんなで語り合うこと、意見を闘わせることが大事なのではないでしょうか。

僕は、僕なりの意見を持つ。でも、そうじゃない意見も封じ込めないようにしたい。そして、視聴者やコメンテーター、あるいはアナウンサーのそれぞれ違った意見も共存することが望ましいのではないか、と。その中で、僕自身がブレることと、誰かの意見によって考えが変わるということは違うと思うので、柔軟性をもって臨みたいと思っています。

――これまで、司会、ナビゲーター、生の情報番組のMCなどをされてきましたが、さらに、帯のニュース情報番組のMCというキャリアも加わることになります。

最初は、ナビゲーターやVTRの振りみたいなものをやらせていただきました。そこから、生収録形式で司会をやった『世界の競馬』（NHK BS1／2002年～05年）、情報エンタメの『王様のブランチ』（TBS／2007年～17年）、そのあと、『きょうの料理』（NHK／2013年～）、『パネルクイズ アタック25』（テレビ朝日系／2015年～）、『うたコン』（NHK／2016年～）といった、さまざまな世界で司会をやらせていただく中で、帯番組はいつか取り組みたいと思っていたものでした。

今回、『めざまし8』をやらせていただけることで、帯番組のMCという目標がクリアできます。とてもうれしいですし、そういう場を与えてくださって感謝しています。

──今回、オファーを受けた決め手は何ですか？

縁だと思ったからです。もうすぐ49歳になるんですけど、僕の中で漠然と50歳を超えてから今回のようなお話があったらいいなと思っていたんです。

なぜかというと、『王様のブランチ』をやっていた34歳から44歳までの10年間は、あまり生のお芝居である舞台ができなかったんです。だから、残りの40代は芝居に打ち込んで、50代になったら帯番組ができたらいいな、と思っていました。

そうしたら、数年早くお声がけいただいて。でも、もし今これをお断りしたら、数年後また同じようなお話が来るかどうかわからないじゃないですか。朝の番組は、一度始まると長く続くものが多いので、「数年早いけど、どうだろう。やろうかな？」と妻に話したら、妻もどこかでいつかやるだろうなと思っていたみたいで（笑）。「家族で長い旅行はできなくなるね」なんて言いながらも、反対は一切なかったですね。

──谷原さんは、ネタ選びにも参加されるそうですが、どんなニュースをピックアップしたいと思っていますか？

ニュースというのは、日々起きること。その中で、中・長期的に僕らが追っていきたいニュースと、今日だけで終わるニュースがあると思うんです。そういう意味で、リアルタイムに注目したいネタは番組が始まってからだと思いますが、現在であれば、コロナの問題は避けて通れないでしょうし、オリンピック直前ですから聖火ランナーのことでもいろいろな意見がありますよね。そういうことに対しては見えていることも多いので、自分の意見はもちろん持っています。

それと、僕は子供が多いので、必要な補助を受けられずに困窮している方や、DVなどで苦しんでいる女性たちが気になりますね。女性が苦しんでいるということは、子供が苦しんでいるということですから。そういうことは、子供を育てている身としては、とても気になる問題です。

──生活のサイクルのも変わると思います。ご家族はなんとおっしゃっていますか？

妻は、起きる時間というよりは、家族が一緒に過ごせる時間、特に、子供と過ごせる時間が減るのではないか、ということを心配していました。

でも、『めざまし8』だけでいうと、子供が起きる前に家を出て、慣れてしまえば昼前には家に帰れると思っていて。だから、家で子供たちと過ごせる時間が減るわけではないと思うんです。

ただ、妻は僕の性分がわかっているので、しばらくしたら『めざまし8』をやりながら、ドラマや映画、舞台などを同時にやり出すのではないかと思っているようで（笑）。そうなると、本当に時間がなくなるし、僕自身も体力の衰えは感じているので、当面は、同時並行でいろいろなことをやらないでおこうと思っています。

──これからバディとなる永島優美アナの印象を教えてください。

とても丁寧で柔らかくて、天然のかわいらしい側面もある魅力的な方だと思いました。『めざましテレビ』は、これからお仕事に行く方たちに「いってらっしゃい」と送り出す時間帯でしたが、『めざまし8』は、「さあ、奥様これからどうしましょう」という時間帯に変わるので、結婚された永島さんが、主婦の方にどのように向き合い、情報を伝えるのか、僕自身も非常に楽しみです。

──最後に視聴者へメッセージをお願いします。

小倉さんの長く続いた番組から新番組『めざまし8』となって始まります。僕自身、さまざまなジャンルの司会をさせていただいてきましたが、情報・報道番組は1年生。いや、新生児（笑）。生まれたばかりの状態から始めます。視聴者のみなさまと共に成長していきたいですし、「もうこの人の顔は見たくない」と言われないように、みなさまの意見に寄り添って、「この番組を見て1日が始まると気持ちいいんだよね」と思っていただける楽しい番組にするよう努力しますので、どうかお付き合いください。