チョコレート研究員・村松美紀が自身に課す“セブンルール”「自分の経験を活かせることなら、いくらでも自分を使ってほしい」
2月9日(火)放送『セブンルール』
視聴者が“今最も見たい女性”に密着し、自身が課す“7つのルール=こだわり”を手がかりに、その女性の強さ、弱さ、美しさ、人生観を映し出すドキュメントバラエティ『7RULES(セブンルール)』。
2月9日(火)放送回では、「ロッテ」チョコレート研究員・村松美紀に密着。さいたま市にあるロッテ浦和工場で、新たなチョコレートの味を研究・開発している彼女。2012年に入社して以来、「パイの実」や「コアラのマーチ」、「トッポ」などの人気商品を手がけ、2年前からはチョコレート売り上げナンバー1ブランドである「ガーナ」を担当している。
現在25種類が展開されているガーナブランド。その改良に加え、毎年発売される新商品の開発など、味作りすべてを任されている。2400名の社員から、ガーナの研究員として選び抜かれた5名のリーダーを務め、理想の味を追求する彼女のセブンルールとは。
ルール①:朝食は品質チェック用のチョコレート
部下4名を束ねるガーナチームのリーダーとして、研究室で日々、新たな味を模索する村松。ある日はお酒を入れた大人向けのガーナの試作に取り組んでいた。
ジンを混ぜたチョコレートを試食すると、「面白い反応があるかもしれない。今は風味が少し強いけど、モテッとした重さみたいなところを消してくれる感じがあるね」と、分析した。お酒の配合を少しずつ調整し、味と香り、チョレートが引き立つ最高の分量を探っていく。
ベースとなる味の方向性が決まったら、その他の成分を組み合わせ、試作品作り。そして、所長による試作品チェックまでにかかるのが約3ヵ月。そこから5ヵ月ほどの期間で、工場製造品の最終チェックを行い、商品発売に至る。
さらに、彼女の仕事は味の開発にとどまらない。 毎日、出社直後は工場から届く商品の品質チェックをおこなっている。購入客にはわからない程度の違いでも、研究員がおかしいと思えば、出荷を止めることもあるという。
「人間は朝、何も食べてない状態が一番味覚が鋭いと言われていて」と、何も食べずに出社し、品質チェック用のチョコレートを朝食に。味やツヤ、食感、見た目など、多岐にわたる項目を細かく確認している。
毎朝、チョコでも幸せだと話す彼女は、「休みの日も朝からチョコレート食べるので、幸せです」と満足そうに微笑んだ。
ルール②:味の楽譜をかく
東京・町田市で双子の妹として生まれた彼女。幼少期は児童合唱団に所属し、オペラ歌手になるのが夢だった。オペラコンクールで入賞するほど音楽に打ち込み、東京工業大学・大学院では建築を学んだ。
多才な彼女が仕事に選んだのは、何より好きだったチョコレート作り。「自分がつらかった時も楽しかった時も、常にガーナがそばにあって。私も誰かの人生にとって欠かせないものづくり、チョコレート作りをしたいと思いました」と、その選択の理由を明かす。
2012年、ロッテに入社し、その後は日本人研究員として初めて、グループ会社であるポーランドの老舗メーカーへ赴任。
「音楽も建築も感性が大事な分野であって、その感性をチョコレートづくりに活かせるんではないかなと。どこがポイントで、どこをどうしたらおいしいチョコレートが作れるかというのは常に考えています」と話す。
そんな彼女が、新しい味を生み出すには、「味の楽譜をかく」というルールがある。新しいガーナを作ってみたいといい、味のイメージを「ミルク感も感じられてカカオ感も感じられる、音楽でいう、2回サビが来るような味わい」と表現した。
「楽譜のように図にすることで、可視化されるのでイメージが湧きやすいんですよね。味を追求していく中で作りやすいです」と語り、そうしてメロディーのように記した味のイメージは、研究チーム内で話し合い、具現化していく。
合唱がピアノで終わるように、最後に「タララン♪」と上がってくる「スパイス感」を入れたいのだと彼女が説明すると、チームメンバーは「バニラの香り」でそれを表現することを提案。彼女も「おもしろい、音色も似てるね。少し上がったほうがバニラが引き立つ」と納得の表情を浮かべる。
味を音楽に置き換えた彼女独特の打ち合わせに、チームのメンバーは「最初はピアノってなんだろうとか、テノールとバスの違いはなんだったかなとか、戸惑うことが多かったんですけど。勉強しました」と笑顔で語った。
ルール③:ビュッフェはスイーツから
12月のある休日、銀座のチョコレート専門店を訪れた。「銀座はショコラティエの有名なショップが多いので、いつも休日に来て巡ってます」と話す彼女。休みの日でも、頭の中はチョコレートでいっぱいだ。
さらに、休日をともに過ごすことが多い双子の姉と待ち合わせると、ホテルニューオータニへ。2人の目的は、本格的な料理をはじめ40種類ものメニューが並ぶビュッフェ。
その中でまず彼女が手を伸ばしたのは、ショートケーキやマカロン。「常に甘いものでお腹を満たしたいと思っている」と、他の料理に目もくれず、スイーツから頬張った。
そんな妹に、姉は「スイーツは楽しみにとっておきたいじゃないですか。最後に、と思っても、最初にこうやって全部持ってきて、どれがおいしいとか教えてくれちゃうので、楽しみを奪われてる感じがする」と、呆れたように笑った。
ルール④:辛いものは食べない
日々、試作を繰り返し、新しい味を追い求める彼女だが、常に味覚を最高の状態に保つため、おこなっていることがある。それは、水の中にわずかに忍ばせた甘みや苦味などを当てる、味覚の試験。
ある日の試験で全問正解を叩き出した彼女を、「感性研究課」の黒田玲子さんも「村松はスペシャリストです」と称した。
「研究所で10%程度の人が、この試験をしたときに連続正解する。彼女はいつもそれに入っていて、こちらとしても頼りにしている存在です」という黒田さんの言葉に、彼女もうれしそうな表情を浮かべた。リーダーとして「この商品はこの味でいく」と決定をくだすとき、このテストが自分への自信を与えてくれるのだという。
そんな彼女には、ランチタイムのルールがある。昼食をともにする他の部署の同僚がカレーやステーキなど、思い思いのメニューを食べている中でも、辛いものやにんにくをとらない。
「午後は試食があって。少しの味の違いのものを評価していくことが多いので、全部同じに感じてしまうときもあって」と、するどい味覚を維持する努力を怠らないのだ。
ルール⑤:試作品を食べたときは「おいしい」と言う
ある日、ガーナチームのメンバー・荒川さんが試作品を用意した。それぞれが作った試作品の味をチェックし、アドバイスして改善点を探るのも、リーダーである彼女の仕事だ。
一口食べ、「おいしい。すごい好きだよこれ。一瞬食べた時にすごいおいしくて、味として最高だったけど若干ポロっとしたのが…」と感想を述べると、荒川さんも「そうですよね、そこをすごい悩んでいて」と頷いた。
さらに、別の試作品でも「すでに、すごいおいしいんだけど…」と、まず一言。試作品を食べたとき、第一声は「おいしい」と伝えるようにしているという。
チームメンバーの成長のため、メンバーの気持ちに寄り添い、ポジティブな言葉をかける彼女。「みんなにとって試作品は汗水たらして作り上げた傑作。みんながしっかりと話し合って納得して、『その方向で行こう』って100%思えるように導いていきたい」と語った。
ルール⑥:課題はその日に解決する
バレンタインに向け、ガーナチームが総力をあげて取り組んでいたのが、いちごパウダーを入れた新商品、ガーナピンクチョコレートの開発。何度も配合を変え、半年前から試作を重ねてきた。
そして迎えた所長・芦谷さんによる試作品チェックでは、風味違いの自信作2つで勝負をかけたが、「フレッシュなのはちょっと青い(未熟)。青いからホワイトチョコとバッティングして、ケンカしてる感じがするかな」と、指摘を受ける結果に。
改善のため、ベースとなるミルクから仕込み直す。「私たちとしてはすごい自信を持ってお見せしたつもりだったんですけど、ちょっと悔しいですね」と、彼女。
そんな中でも前向きに、抱えた課題を先送りにしないのが、彼女のルールの1つだ。「今からすぐに試作し直していきます。もう一度味を追求できる。向き合ってみられるチャンスをいただけたので」と、すぐに作業に取り掛かった。
そんな彼女について、芦谷さんは「異常ですね。チョコレートに関する愛情は僕がびっくりするぐらい異常でして。かなり追求するタイプですね」と話す。結局この日、試作品作りは夜まで続いた。
ルール⑦:仕事の範囲を自分で決めない
バレンタインに向けた新商品「ガーナピンクチョコレート」は、所長からの指摘を受け、一からベースの配合を変えてミルク感を調整した。
緊張が走る、最終チェックの瞬間。所長・芦谷さんはひとかけらを口にすると、「うん。いいと思います。しっかり街に出しても恥ずかしくない商品に仕上がっている」と、笑顔で頷いた。
その結果に、彼女も「ここで承認いただいて、ようやく我々はホッとできる」と、安堵の表情を浮かべた。ここまで半年以上にわたり取り組んできた製品が、ようやく彼女たちの手から離れ、工場に移っていくのだという。
そんな彼女の仕事は味の研究、開発だけではない。
去年12月、新たに研究所に作られた、試作品作りや期間限定商品を製造するための施設「カカオチョコレートラボ」は、彼女がその設計を買って出た。大学で学んだ建築の知識をいかし、進んで担当したのだそう。
「自分の持っている経験とかを活かせる場所があるなら、いくらでも自分を使ってほしいって思いますね」と話す彼女。その原点は、彼女が入社4年目で赴任したポーランドでの経験だった。
最初こそ、言葉や文化の壁に苦しんだが、「自分が日本から海外駐在させていただいている意味ってなんだろう」と考えるように。
そして、日本人だからこそできる、日本人の目から見たヨーロッパのチョコレート市場を毎月詳細に調査し、報告。それは、チョコレート研究員の枠を超えた仕事だった。
「自分の範囲を超えるような業務をすることで、自分自身の幅が広がったような気がします」と、彼女。既存の枠組みに囚われていては、未知なる味にも出会えない。
※記事内、敬称略。
次回、2月16日(火)の『7RULES(セブンルール)』は、「湖池屋」マーケティング部・野間和香奈(のま・わかな)に密着。じゃがいも本来のおいしさ、パッケージの可愛さも話題の「プライドポテト」の仕掛け人である、彼女の7つのルールとは。
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