20XX年、隕石の衝突により氷河期になってしまった世界…。

だってのに、基本ノンキ!!でこれまでやってきた『#コールドゲーム』ですが…(紹介が雑)

清掃員と偽ってた元刑事の黒崎(篠原篤)が班長となり、ファッショナブルマフラーこと(誰も言ってない)支部長・如月(中村俊介)と繋がったことで、いよいよ不穏化し始めた「第七支部」…。あぁ、そうか、いよいよこのドラマもダークゾーンに入っていくのか…そらそうだよね、“20XX年”で、“隕石衝突”で、“氷河期の世界”なんだもん、人間の極限状態を描く=ダークゾーンに、そら入っていくよね…ってちょっと身構えた次の瞬間、

お肉争奪!!一芸コンテスト開催ーーーッ!!!

て、やっぱり、ノンキかーーーい!!

しかも、牛肉1キロ塊肉(冷凍)っていうディテール!!それを3塊争奪っていうディテール!!それを偉そうに見せつけるイヤミ秘書(和田琢磨)のイヤミ感ったらない!!っていうノンキのディテール!!…うん、だけど、これこそが、僕らが求めてる『#コールドゲーム』だよね!?

しかも、謎のノンキ一芸コンテストを通して、この「第七支部」から“救出される者”を選別しようという、如月の企みも垣間見えたりしてさ…。もうまじめに作ってんだか、ノンキなんだかわからないよ!!…いや、違うな…、まじめに作ってるに違いない、あえてのノンキ、だからこそのディテールなもんだから、ノンキのその向こう側にある、思惑、意図が、見えるようで見えない、見えたとしてもそれがそうとは限らない、油断できない、信じられないっていう恐怖!!になるんですよね。しかも今回、先週このドラマにおける要素を紹介した際の「パパはずんのやす(紹介が雑)、きっと何もない(ひどい)」って部分(今、振り返ってみても超失礼)を、早速、冒頭でひっくり返してくるんですよ。パパが黒崎に脅されて副班長になっちゃって、それが見るも無残な腰ぎんちゃくっぷりで、ただでさえいいとこなしのパパなのに(何回もひどい)、これ笑っていいシーンなのかな?どうなのかな?って、あのパパにすら戸惑ってしまうくらい、何もないと思ってたパパにすら(2回言う)こんな感情になっちゃうもんだから、それ以外の何もかも、もれなく怖くなっちゃうよね…。ホント、この先、どんな話になってくのか、誰がどう動いていくのか、全く予想できないよ…。

で、“ディテール”と言えば、中村俊介さんの中村俊介さんによるTHE中村俊介(=計り知れない人物を演じたらこの上なしという意)な如月の、“ファッショナブルマフラー”だけではないディテールが今回もさりげなく炸裂して、ちょっと笑えます。いや、結構笑えます。まず序盤、如月が生活する例の校長室(おそらく)で、イヤミ秘書(言い方)と交わす“乾杯の儀式”が、氷河期で物資がないとは思えないリッチっぷり。しかももちろんそこにはファッショナブルマフラーをまとったTHE中村俊介が存在するもんだから、画になるのなんのって。氷河期×極限状態×校長室×乾杯の儀式×ファッショナブルマフラー×THE中村俊介という、謎過ぎるけど、異次元の掛け合わせで、何とも言えない、新感覚の笑い&恐怖なシーンに仕上がってること間違いなし!で、終盤、羽田美智子ママと“例の無線機”で、今回の重要な種明かし的な会話がなされるんだけど、その場面で登場する、そんとき佇んでいる、如月の寝床!腰かけている寝床!!が、ツッコミ必至。そういえば如月って、校長室(おそらく)にいつもいるけど、寝床はどうなってんだろう…。保健室のベッド(普通のパイプベッド)ですら“最高の寝心地”ってな世界なのに、如月はどんな寝床なんだろう…。って密かに想像&期待していたんだけど、それが、急に、意図せず、今はまさにママと二人で、超重要な種明かし的なシーンなんだから、“寝床”なんて関係ない…それなのに、いきなり、さりげなく、さりげなさすぎるタイミングで、如月の寝床!!!が登場するもんだから、その会話そっちのけでツッコんじゃうこと間違いなし!!…です。なので、ぜひ、その場面、ツッコミは我慢して、ママと如月の会話に集中してください。如月の“寝床のディテール”なんて、このシーンに、なんら意味はありません。どうか気を取られないで、ちゃんと、二人の会話に集中してください!(つまり、僕がそうだったっていう…)

そして今回、ここまで散々ツッコんどいてなんですが、いつもより“ノンキ比率”少な目で、発端となる「お肉争奪一芸コンテスト」からは想像できないシリアス展開、予想外のハートウォーミング決着、そして最後はやっぱりミステリアス!という、どっちかというといつもより深刻な物語が繰り広げられます。

その“深刻”を担うのが、長男である自覚系イケメン・大輝くん(結木滉星)の、自覚してるに違いないイケメン台詞(そんなこと言ったら惚れてまうやろ感がすごい)と、そのイケメンぶりの裏に隠された悲しい過去、そして“何か抱えてる感”が半端なく、“偽兄”にちょいハートマークな長女、陽菜ちゃん(久間田琳加)の残酷な過去…という二人の過去描写。特に陽菜ちゃんのパートはヘビーで、だからこそラストのハートウォーミングが効いてくる仕掛け。

また二人の過去が明かされることで、これまで謎の多かった木村家の関係性、ついでに謎の老婆(銀粉蝶)との関係性も見えはじめます…。とはいえ、じゃあ、肝心のママの正体、謎は?というと…。「トラストミー…私を信じて」という、どう解釈しても胡散臭すぎるこの言葉のせいで、何が真実なのか?混乱させるし、物語もラスト、いろんなあれやこれや、伏線をチラ見せして、“?”を増幅させ、「いやだからどういうことやねん!!」って、いい意味でフラストレーション大爆発!!からのトゥービーコンティニュー!!!…ヒドイ!!だけど、必見!!

あ、そうだ!さっきノンキ比率、少なめって言いましたけど、それは尺の比率であって、今回の“ノンキ密度”はかなり濃いめ。特に椿鬼奴さん演じる福山家が濃いめ。濃いのかなんなのか、そういう地平にない濃いめのエピソードで(よけいに意味不明)、とにかく、意味のわからない感動と笑いに包まれること間違いなし!!つまり、必見!!(2回目)

text by 大石庸平(テレビ視聴しつ 室長)