7月22日(木)、品川祐が「品川ヒロシ」として監督した6年ぶりの長編映画「リスタート」の「ヒット御礼 特別座談会 悪役を演じる男たちの集い」に、EMILY(HONE BONE)、品田誠、岩崎う大(かもめんたる)、品川ヒロシ監督が登壇した。
上映終了後、地下アイドルの主人公・未央がライブシーンで着ていた衣装で登場したEMILYは“悪役を演じる男たち”が主役の今回は進行役にまわり、ゲストである品田誠、岩崎う大、品川ヒロシ監督を呼び込んだ。
未央を追い詰めるパパラッチ・野村役を演じた品田と、地下アイドル時代に未央が好きすぎるあまりストーカーと化してしまう狂気のファン・山田役を演じたう大。そんな2人を悪役に選んだ品川監督に、まずはEMILYから「監督の悪役像は?」と質問が及ぶ。
すると品川監督は、「野村も山田も、自分のこと悪って思ってないじゃん?もちろん悪役ではあるんだけど、山田は未央を応援してたのに裏切られたっていう理由があって、ある種ちゃんと筋は通ってる。野村も自分の仕事をポリシー持ってやっていて、言ってることはわりと正論だし」と持論を展開。
「俺が一番嫌いなのは、(未央が殴られているところを撮影したあとに)救急車を呼んだユーチューバー。あれが世間でいうところの一番の悪というか。自分がいいことした、ぐらいに思ってるじゃん」と、まさかの「ここにいない悪役がいちばん悪い」発言が飛び出した。
続いて、EMILYがう大に「山田役で参考にした人はいたんですか?」と質問すると、「いないいない。台本通りに演じたらああなっただけで」と答えるう大。
そんなう大はEMILYとの格闘シーンが印象に残っているそうで、「蹴るタイミングがなかなか合わなくてね。でもなんかちょっとEMILY、俺のせいにしてたよね。『う大さん、もうちょっと早くしてください』みたいな。かなりテンパってたし、主役だったから許したけど、オレは絶対正しかった」と、自身の正しさを改めて主張。
するとEMILYも負けじと、「じゃあ私も言いますけれど、う大さんもテンパってましたよ!」と反論。本来見せなくてはいけなかった方とは逆の手をカメラの前に出し、EMILYが「逆!逆!」と小声でツッコんだことを明かすと、「いやいや、そんな余裕なかったでしょ。絶対ウソ」とあくまでも認めないう大に会場からも笑いが起こった。
未央と山田の格闘シーンには監督も苦労したそうで、「『リスタート』の現場で大声出すことなんてほとんどなかったんだけど、あのときだけは…。5分に1回電車が通るんですよ。しかも近所の犬がずっと吠えてて(笑)」と撮影場所がかなりの悪条件だったといい、「思わずトンネルの真ん中でウワァ〜ッ!ってなって『撮れないだろ!こんなの』と大声を出してしまった」ことを明かした。
すると、現場でそれを見たう大は「『やべえ。このモードに入ったってことは、これからもずっと爆発するぞ』と思って怖かった」と、内心ヒヤヒヤしていたことを笑いながら振り返った。
また、“ファンについて”の質問には、アイドルの女の子にリサーチしたという品川監督が「アイドルの子も、『あそこまではいかないけど、(山田のような)ああいうお客さんいる〜!』って言ってた」と言うと、すかさずう大が「でも、そういう力を利用しちゃってるんですもんね、アイドルって」とポツリ。それを聞いた品川監督は「山田だ〜(笑)!」と、う大の内面に潜む“リアル山田”に怯えたそぶりを見せ、笑いを誘っていた。
一方、パパラッチ役のために知人の記者に話を聞いたという品田は、「僕も野村のことを悪だとは思っていない」と明かした上で、実際、パパラッチの中にも野村のようにジャンルの違う写真を撮っていたり、写真コンテストに応募する人も多いと聞いたという。
また、野村役を演じる上で、品川監督から「野村は裏の主役だから頼むね」と言われたことがいちばんの演出だったと話す品田は、「あとは見守ってくれるのが演出だったというか…」と振り返ると、品川監督は「まぁ、イメージ通りだったんだよね」と、演出する必要がなかったことを明かした。
最後に「コロナ禍で、お客さんの前でトークさせていただく機会はないんじゃないかと思ってたんですけれど、今日のような機会があって本当に楽しかったです」と笑顔で挨拶する品田。
続いてう大が「人生は一度きりって言いますけど、何回もリスタートができれば、人生…」と話し出すと、品川監督が「なんかヤな感じだなぁ。おまえが監督っぽい感じでさぁ」と割って入り、クレーム。しかしう大はそれをものともせず、「常にリスタート。以上です」とビシッと締めて会場を沸かせた。
映画「リスタート」
©吉本興業
配給:吉本興業
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