さまざまな世界で活躍しているダンディなおじさまに、自分の人生を語ってもらう「オヤジンセイ~ちょっと真面目に語らせてもらうぜ~」。
年を重ね、酸いも甘いもかみ分けたオトナだからこそ出せる味がある…そんな人生の機微に触れるひと時をお届けする。
今回は、9月16日にニューシングル「歩いて行こう」をリリースする、72歳を迎えた歌手・前川清が登場。前編では、音楽の道に入りスターになるまで、結婚、直立不動の歌唱スタイル、名曲誕生の裏話について聞いた。
前川清の「オヤジンセイ」前編はこちら!
後編では、家族とのコラボレーション、ステージで思うこと、前川流哲学について大いに語る。そして「もし、今の人生でなかったら、なりたかった憧れの職業」にも変身してもらった。
初めて自然に手拍子が…新曲「歩いて行こう」について
新曲として発売される「歩いて行こう」は、九州地方で『前川清の笑顔まんてん タビ好キ』(KBC九州朝日放送)という旅番組をやっていまして、その番組のオープニング曲です。長男の紘毅(ひろき/ミュージシャンとして活動中)が作詞作曲をした、前向きな歌というか、家族的な曲ですね。
歌ってみると楽しい歌で、口ずさみやすい感じがします。番組のオープニング曲として作って、それを新曲として出すことになったので、いわゆる僕がこれまで歌ってきた曲とは主旨が違うんですよね。番組の楽しい雰囲気の延長で作られた曲なので、番組を見ていらっしゃらない地域の方たちにも楽しそうな雰囲気を感じていただけたら嬉しいと思っています。
先日のコンサートではこの曲の時に手拍子が起こったんです。これまでの僕の歌には、自然に手拍子が起こるような曲はなかった。かつて、坂本龍一さんから「雪列車」(作曲・坂本龍一/作詞・糸井重里)、福山雅治さんから「ひまわり」(作詞作曲・福山雅治)を提供してもらった時のように、作っていただいた曲によって自分の歌が変わるという経験ですね。紘毅は今までになかった明るい歌を提供してくれたなと思っています。
インスタライブ、YouTubeチャンネル…コロナ禍の家族コラボレーションに思うこと
YouTubeチャンネル「前川ちゃんねる」や、インスタライブは言われるがままやっています。僕なんか未だにガラケーを使っているし、僕のファンの方も、ほとんどそういったものは見ないのではと思うんですよね。でも、こういったコロナの時期で、みなさんがやられているし、時代ということもあり、経験させていただきました。
紘毅と次女の侑那(ゆきな/バンド「Dire Worf」のヴォーカリストとして活動中)が「座っていればいい。あとは適当にしゃべればいいから」と言うので、「なんでこんなことを…」って嫌々だったんですけれども(笑)。でもそれが楽しそうに映っていたのなら良かったなと。つくづく「こういう時代になったんだな」と思いましたね。
あの2人は僕のこと利用している感じもしますけれどね(笑)。息子と娘は音楽の道に進んだけれど、そんなに上手くいくものじゃないと思っています。僕自身はずっと食うために、生活するためにと、ハングリーな部分があって仕事をしてきた。でも息子と娘は土台が違いますよね、どうしてもハングリーにはなりきれない状況がある。
でも、自分たちでやりたいと言ったことなので、やればいいとは思っています。とはいえ、この世界はそんなに簡単じゃないし、一生懸命にやっても報われないことの方が多い。テレビに出ていてもピッて消せば画面から簡単に消えちゃうからこそ、消されない“何か”がないといけない。それは努力するしないじゃなくて必要なものですよね。
「テレビに出る時はアガる、歌は上手いと思ったことがない」
僕は、コンサートでお客さんが1人でもあくびをしていたら無茶苦茶気になるんです。普通は1000人いたら真剣に聴いてくれている999人の方が大事じゃないですか。でも僕はそのあくびをした1人が気になるんです。「ヤバい、1曲少なくして早く終わらせよう」とか、客席が空いていたら「そうだよな、いずれお客さんはいなくなるんだよな」と思う。その連続です。何があっても「しょうがないな、そうだよな」と受け入れる覚悟があるというか。
自分自身で歌が上手いと思ったことはないですし、いつも歌っては反省ばかりです。これまでに上手く歌えたなっていうのは1回か2回くらいじゃないですかね。テレビに出ると今でもむちゃくちゃアガります。脈なんて、ドッドッドッドってすごい勢いになる。ここまで緊張するのは和田アキ子と僕くらいじゃないでしょうか(笑)。
CDが売れた、地方のコンサートが満員になったとか、そういうことではなくて、緊張するし嫌だけれどテレビに出演しないと「終わったんだな」と思われますからね。お客さんの眼というものはそういうものなんだと。
だからコンサートでも一生懸命に歌いますが、終わった時に「良かったね」よりも「楽しかったね」と思ってもらうほうが好きです。やっぱり欽ちゃんの番組で経験したこと、歌の合間に話をして楽しんでもらう、終わった時にお客さんが「もう終わり?」ってなるくらいが一番ちょうどいいのかなと今は思っていますね。
僕は 「紅白でトリを務めたい」という野心はどうしても持てないんです。そういう歌い手として凛としたものがない。だいいち、アガッてしまって耐えきれません。歌番組でもステージに並ぶ時に真ん中に立たされることほど嫌なこともない。端っこの方が良いです(笑)。
前川流哲学「逆境の時にこそ馬を買って自分を発奮させる」
僕の性格として、何か落ち込むようなことがあった時のほうが良い、という考えがあります。良いことがあった時の方がいつか悪いことが起きそうで嫌なんです。だからこういうコロナ禍で先行きが不安な中、どうやって1年間暮らそうか…なんて思わないです。
こういう時代ですからやっぱり次のことを考えておかないといけない、なので買うべきじゃないのは分かっていますが、先日も敢えて競走馬を買いました。逆境時に何かをしでかして自分で自分を発奮させる、そうでないとボーっとして何もやらない性格なので。敢えて借金を作り、借金を返すために頑張る。
馬も趣味の養鯉(錦鯉の養殖)もだいたい上手くいきません。馬も速く走れるとは限らないし、錦鯉も稚魚から買ってもいい鯉にならないことがほとんど。暇ができると新潟まで行ってまだ色もついていないボウフラみたいな稚魚を一生懸命に、何万匹も何十万匹も選別して。そういうことをやっている時間は何も考えていないからいろいろ忘れられて楽しいんですよね。馬も出走するのを見るのも楽しいけれど、それまでの過程に夢があって楽しいんです。
趣味のためにはお金がいる、お金のために仕事をする。「こんなことをしなかったら仕事をしなくても今頃楽して食っていけているのに」と思いつつも、そういう自分がいるんですよね。
【前川清、トラックドライバーになる】
「もし、歌手にならなかったら?違った自分になってみてください」。その質問に、前川さんから返ってきた答えは「トラックドライバー」。その中でも「長距離ドライバー」に憧れる理由とは…?
僕も出演した映画『トラック野郎 熱風5000キロ』(1979年/菅原文太主演)とか、遠距離でいろいろな景色を見ながら運転をするって、なんだか心が自由な感じがあるじゃないですか。
実際には長距離を運転するのは大変なんでしょうけれど、1人で過ごす時間が好きなので、運転しながらいろいろな場所に行ってというのは憧れますね。歌い手でなければまた違うことをやっていたんだと思います。
撮影/河井彩美 ヘアメイク/西田美穂子(オフィスナウ) 撮影協力/(株)サウンドクルー
【前川清 新曲情報】
「歩いて行こう」c/w 花美~はなび~アコースティックバージョン
2020年9月16日(水)発売
★発売を記念して9月13日(日)にネットサイン会も開催する。
詳細はこちらまで。
藤田ニコル 豹柄&金髪ロングでまるでパリジェンヌ!街に溶け込む「お人形さんみたい」なオフショットを披露
2024年12月04日 |
20:19
朝ドラ『おむすび』出演中の松井玲奈 どアップすっぴんで“半端ない透明感”披露!「マジで10代の美肌」と驚きの声
2024年12月04日 |
19:58
「目の保養」月9出演で話題の野村康太 カレンダーアザーカット複数公開!フードから顔のぞかせる癒やしショットに「何それ反則」
2024年12月04日 |
19:37
竹内涼真 鍛え上げられた美腹筋のサービスショットにファンメロメロ「反則的にかっこいい!」「ドキドキをありがとう!」
2024年12月04日 |
19:26
「モノクロ写真はズルすぎ!」鈴木亮平 沖縄の海を満喫! 不意打ちショットに「写真集のクオリティー」とファン歓喜
2024年12月04日 |
19:09
「頬張りすぎたリスみたい」志田未来 ラーメンを前に大きく頬を膨らませた瞬間に「どんぶりデカすぎない?」と反響の声
2024年12月04日 |
19:07