<コラム>『SUPER RICH』第1話
ワクワクが…、ワクワクが止まりませんッ!!!
ああもうこんなにも、ドラマ開始前から、始まった直後から、その最中、終盤、ラストカット、次回予告に至るまで、ワクワクが止まらなかったドラマ、久しぶりですッ!!
まずお伝えしときますが、このレビュー、視聴後専用となっております。この先は、ネタバレしかございません!ネタバレっていうか、僕の心の叫び?でしょうか。まだ今作を見てない!ってのにこのレビューを読もうとしている超少数派の不届き者のあなた!そんなこと、してはなりません!さっさと視聴してください!!絶対裏切らないから!!そして、見終わった後にぜひ、このレビューでこの興奮を共有しましょう!
っというわけで私、先ほど『SUPER RICH』を見終えまして、あまりの素晴らしさ、あまりのワクワクの止まらなさに、手が、ブルブルと震えております…。自分が、怖いです…。思いが溢れすぎて、タイピングが追いつきません…。完全にヤバいやつです…。ですので、ちょっと、冷静になって、順を追って、『SUPER RICH』第1話の何が素晴らしかったのか?に迫りたいと思います。
“気概”と“あざとさ”を感じるキャスティング
このドラマ、なぜそれほどまでに僕を、開始前からワクワクさせてたか?ってことですが、そらまず、最初に入ってきた情報、江口のりこ主演!ってとこからですよね。そっからもう、このドラマには普通じゃない何かがある!って予感でいっぱいだったの。江口のりこさんがGP(ゴールデン・プライム)帯連ドラ初主演!っていう新鮮さだけでなく、キラキラとした見栄えだけのキャスティングじゃないよ!という、作り手の“気概”をビンビンに感じて、期待とワクワクが止まらなかったのです。
で、主演情報の後に飛び込んできたのが、赤楚衛二×町田啓太という衝撃!江口のりこ主演の“気概”とは全く逆ベクトルにある、赤楚×町田という、なんちゅう“あざとい”キャスティング!!で、この部分、放送前は賛否両論あったと思う。だけど僕は、このキャスティング、すっごくいい!!って思ったの。だって、江口のりこ主演のドラマなら、とことんそういう“気概”キャスティングで進めていってもいいわけじゃない。非トレンディな感じの。だけど、そうじゃない。そこに“あざとさ”っていう少し危なっかしい“えぐみ”をプラスしてみる…。すると、そこで生まれる化学反応とは…、一体どんなものだろう?って、心配はもちろんあったけど、絶対新しいドラマが誕生する!って期待が、僕には大きかったのです。往年のフジテレビドラマで例えるなら、浅野温子×武田鉄矢の『101回目のプロポーズ』、あの感じ?“気概”と“あざとさ”が同居する、あの感じ?…わかります?(うん…。自分でもわからん)
そして、松嶋菜々子…
で、その後、このドラマの“本気”でもってトドメ刺してきたのが菜々子!もうあえて呼び捨てにさせてください!俺たちの、松嶋菜々子!!!ドラマ好きを公言しているとよく聞かれる質問が「面白いドラマ教えて?」もしくは「次始まるドラマで期待してるのは何?」なんだけど、それに対して僕が常に答えているのが「キムタクと菜々子は基本」。これ、いつも、誰にも、「え?そうじゃない」って顔をされるんだけど、その言葉の通り「キムタクと菜々子は基本」、ですからね。つまり、キムタクと菜々子が出るドラマでつまらないドラマはないの!!!そういうもんなの!!!っていうか、キムタクと菜々子はどんな作品だって、自ら名作にしてしまう、おまけに大ヒットしてしまう、エンタメ引力が異常な、スーパースターなの!!!だからね、四の五の言わずに、「キムタクと菜々子は見ろ」=「キムタクと菜々子は基本」ってことなの!!!で、そんな菜々子が、今作では、まさかの、主役ではない、脇にまわるわけでしょ?なんちゅう『SUPER RICH』!!タイトルと繋がった!!!もう見ない選択肢、なくなったよね!?
次々と予想を裏切っていく、完璧な導入部
“気概”と“あざとい”に“本気”の“菜々子”…そんな、様々な要素でワクワクが止まらなかった『SUPER RICH』なわけだけど、じゃあ肝心の中身は?って、ワクワクと不安が入り混じる中、視聴を開始…したわけだけど…。もう、導入部から、素晴らしかったよね!!!
テレビドラマの第1話ってのは、どうやって視聴者に興味をひかせるか?って、そのための掴み、導入部が最も大事だと僕は思ってるんだけど、そこで用意されたのが、「生後0日から金持ちで、最初に与えられたのが土地、次に馬」って、なんちゅう超キャッチーな掴み!!で、そっから、主人公のファーストカットが「すっぴん」で、「フライドチキンを貪り食って」、「カウンセラーに突然水ぶっかける」だなんて、一体どんなドラマになっていくの!!っていう高ぶり、凄まじかったよね。でもって、「イケメンの部下(=町田啓太)にホテル行こ」でドキッとさせたと思ったら「パーティ会場乱入」で、「金なんて、なんぼあってもいいですからね!?」(すっぴんでカメラ目線の主人公)タイトル『SUPER RICH』ドーン!(BGM)ダダッダッダン♪って、もう、最高やないかぁぁぁい!!
ここまでのシークエンス、状況はまだ掴めないし、予想を次々裏切っていくし、だからと言ってそれが何なのか?わけはわかってないんだけど、確実に言えたのはこのドラマ絶対面白いじゃん!っていう期待感が異常ってこと。でもって、“どれぐらい金を持ってるか”という主人公の背景をさりげなく説明し、“カウンセラーに語らせる”ことで自己紹介を自然に済ませて、なおかつ“水をぶっかけた理由”も、“すっぴんでパーティ会場へ乱入したその後”も、実はちゃんとあって、視聴者が予想する展開を次々裏切っていくだけの、インパクト重視ではない、実はちゃんと考えられた、丁寧なドラマ運びでした…ってのも含めて、完璧なテレビドラマ第1話の導入部でした。
とかいいつつも“ベタ”
予想を裏切っていく展開…ではあるんだけど、「大金持ちの主人公が転落する」という大まかなストーリーラインや、「産気づいた妊婦さんに出くわして面接に遅刻」「めげずに社長へ直々猛アタック」とか、主人公と対となるキャラクターのストーリーラインはまさにベタ中のベタ。…なんだけど、そこが、すっごく良かったよね。特に「出会って間もない男女が追っ手から逃げるように街中ダッシュ!」からの「一杯のラーメンを二人で分け合う」って、昭和か!!平成飛び越えて昭和か!っていう、コッテコテの、ベッタベタ…なんだけど、そこが、なんか、なんでか…いいの。だってその“ベタ”は、予想できない展開の中に挿入されるし、“ベタ”とは言ってもそこには地に足ついた愛すべきキャラクターがいるし、だからこそ、そんな“ベタ”でも、安心感と安堵感が生まれて、感動…にまで感情が振られるんですよ…。
僕、二人が走り出したあの瞬間、何でそこにいるの?とか、よくわかんなかったのに、ちょっと涙出たもの…。なんの感情なのかわかんなかったけど、ちょっと泣いたもん…。それはつまり、僕、このドラマに、もうすでにどっぷりハマってる…ってことなの。そしてこのドラマは僕を絶対裏切らない!っていう信頼感が、知らず知らずのうちに生まれてた…ってことなの…。
江口のりこの真骨頂。消費されない赤楚衛二
登場した瞬間からすっぴんで、大金持ちだったのに転落し、ラストはお金貸してください!とか土下座までしてしまう主人公…だってのに、女優さんがすっぴんでイヤミかよ…と思わせず、だけど醜いわけではなく、凛とした美しさがあり、そうでありながら、かわいそう…という感情にもならず、強くて弱くて、哀しさはあるけど、悲壮感は感じない…っていうこんな複雑すぎる、味わいが深すぎるキャラクターに仕上げるって、江口のりこさんしかいないよね。オープニングの「金なんてなんぼあっても」のセリフなんて超露悪的だし、終盤の土下座はとんでもなく惨めだってのに、それを見ても氷河衛という主人公を絶対に嫌いになることはできない…。そんな主人公像って、ドラマの生命線だし、“嫌いになれない”って、まさに、それこそが、江口のりこの真骨頂!!ですよね。
でもって、そんな強烈な主人公と対になる…ってのに赤楚くん演じる春野優の存在感たるや…。赤楚くんは、前期では『彼女はキレイだった』(フジテレビ系)でも強烈なインパクトを残した、今最も“萌えさせる”役者として、大注目の俳優さん…なわけだけど、今回もテイストは違えど、言っちゃえば“萌えキャラ”じゃん。で、こういう“萌えキャラ”って、連発されると、供給側が視聴者におもねってるみたいで、興ざめしちゃうこと、あるじゃん。だけど、そういうの一切ない感じさせないからね。“また来た”だなんて、微塵も思わないからね。どんな“萌え”が、何度来ようとも、その“萌え”は損なわれることなく、すり減ることもなく、むしろ増大され、まったく消費されることがない…それが赤楚衛二!!で、それを見事に表したのがあのラストよな。“ジェットコースタードラマ”と自称する、展開の速さが肝の、このドラマの、大ラスが、主人公転落の成れの果て…ではなく、信頼していた相棒の裏切り…でもなく、逆に“一杯のラーメンでシミジミ…”でもなく、主人公を追いかけて来て、子犬のような目で見つめる春野=赤楚くんでトゥービーコンティニュー!って、あれは反則よ。っていうか、どういう脚本会議したらそうなるのよ。だけど、それこそが、天才的!どんな意外性のあるドラマよりも、衝撃展開よりも、あの子犬のような赤楚衛二!!に勝る次週への引き、あるはずがないよね!!
その他、このドラマ、主人公が女社長で、その舞台が電子書籍(漫画もあり)を扱う気鋭企業で、無垢な貧乏男子が転がり込んでくる…って、これ、まるっきし、前期同枠の『推しの王子様』じゃないか!!…だけどこんなにも印象を変えてくる、全く違うものを見せてくれる、フジテレビドラマチームのクリエーションの多彩さ!だったり、あの強烈な主人公が憧れる女性として登場するのが菜々子…嗚呼、なんて美しいの菜々子…やっぱ菜々子は基本だよね…という再確認だったり、次回予告で男女がひとつ屋根の下…ってあからさまな恋愛ドラマフォーマット!だってのに、主演・江口のりこが全くそうはさせてくれない!…だったり、このキャスティングの妙は、さすがの上野樹里主演『監察医 朝顔』(フジテレビ)で、ロンバケ以来の山口智子を持ってきて、風間俊介×時任三郎×大竹しのぶを実現させて僕をゾワゾワさせた、金城Pだけある!だったり(だって、その3人は伝説の木曜劇場『それでも、生きてゆく』だもの!)、そしてそして、今回接点がなかった、赤楚くんと町田くん…。次週…どんな、絡みが…って、もう!!そんな、そっから、あからさまに、狙いにくるだなんて、僕、そんなことでコロッといく男じゃないんだから!!(僕、一体誰)だったり…もう!言いたいことありすぎ!第2話の分まで書いちゃいそう!!
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