<コラム>『SUPER RICH』第2話
「500円が…、交通費だったんです!」とか
熱弁してるのに“いちいちお腹鳴る”とか
正論言って傷つけて、挙句寝ちゃった女の子に肩掛け添えて「ごめんね…」とか
自転車で追っかけてるのに、“さほど差が詰められない”とか
頭くさくて「今年初湯舟~♡」とか
全裸で「その服、碇さん(古田新太)のです!」とか
満面の笑顔でボロボロのおにぎり食べながら「しっかり握ってほしいなぁ」とか
段ボール積みすぎて「前が見えない」とか
卑怯か!!!赤楚(衛二)くん演じる、春野優の描写、卑怯か!!!そういうドラマじゃないねん!!このドラマ、そういうドラマじゃ、ないねん!!!(どういうドラマ)
幸せのカタチ=“スーパーリッチ”を追い求めるキャリアウーマンの、ジェットコースターのような波瀾万丈な半生を描く完全オリジナルドラマ(公式より)やねん!!
なのにいちいち、様々な角度から、なんの前触れもなく、突然に、だからといって狙ってる感じもなく、SUPER NATURALに、だからこそこっちが勝手に、とんでもなく、異常に、その場面の意味以上に、猛烈に、過剰に、反応してしまう!春野優の、破壊力よ!!!!!
もうホントに、春野優って男はさ、こっちは物語に集中したい、いったいどうなっちゃうの!どんな展開になっちゃうの!!って、こっちはドラマと真剣に向き合おうとしてるのにさ、でもって、こちとらレビュー書かなきゃいけないから、誰よりも余計に細かく、物語に注視しよう、堪能しようとしてる…ってのにさ、あいつ、マジでさ…、当たり屋だよ!!!
いちいち、ことあるごとに、尋常じゃない初速で、“キュン!!!”って体当たりしてくるやん?それによってこっちの思考、停止させられるやん?こんなにも大エンターテインメントで、目が離せない物語が、繰り広げられてるっていうのに、春野優の“キュン!!!”によって、目がくらんでしまうやん?で、僕、一応、メンズですし、何より、ドラマレビューを書かなきゃいけない立場なもんで、“キュン!!!”となってはならない、“萌え目線”になってはならない…だって、物語追えなくなるやん?…と肝に銘じ、とか言いつつ、いつも失敗してるわけだけど、ホントにマジで、今回の春野優ってキャラクター、異常すぎる!!
とんでもない初速で体当たりしてくる、あの“キュン!!!”を有効活用すれば、関東全域1日分の電力イケるんじゃ?ってくらいの異常エネルギー。だけど、なのに、自転車乗っても、ちっとも差が詰まらないんだぜ?もうたまらん!!あいつ、何者やねん!!!(混乱の極み)
うん、だけど、そうは言いつつ、さんざん春野優という男に、僕だけじゃない、老若男女誰しも(ですよね?そうだと言って!)、散々翻弄されているというのに、このドラマの主人公・氷河衛(江口のりこ)ってのは、そんな春野優という末恐ろしい男を前にしても、圧倒的なキャラクターで居続けられるんだから、江口のりこという女優も、とんでもない、とんでもない異常よな!!!だってこれ、江口のりこさんじゃなかったら、主人公そっちのけで、春野関連をおかずにご飯何杯も食ってたかんね(いや、それはそれで、御馳走さん!なんだけどね!!…って何言ってるの僕)。それは主人公が関西弁で、だいたいすっぴんで、っていう見た目の異質さだけがそうさせてるわけじゃなく、強さと弱さのバランスがとてつもなく絶妙なのよ。
今回のお話、一ノ瀬(戸次重幸)を早く探し出してお金を返してもらうってので、話済むやん。だけど、それに対する逡巡(しゅんじゅん)が見事で、匙(さじ)加減間違えれば一切共感できない、絵空事の人物になっちゃってもおかしくないのに、とてつもなく人間臭い人物に仕上げてるからね…。でもって、大金持ちが一気に転落し、再起を目指す波乱万丈の物語…っていう、そのストーリーラインの激動を楽しむだけじゃない、ちゃんと人間ドラマとしての面白さを加味させてくれてるからね…。
で、だけどね、そこにね、ポップでキャッチーな春野優が加わってくる…。本来であれば決して交わることのなかった、二人のキャラクターが、このドラマでは見事にマリアージュしてる…てのが凄いの!骨太ヒューマンと、ポップトレンディが見事に融合したって感じ?もう、これ、ある意味発明だよね。こんなドラマ見たことないもの。
独身女性の部屋に、いきなりあんな子犬男子が上がり込んで、風呂まで入って、やたらパーカーのジップ下げがちの、胸元見せがちって、完全そういうシチューション入っちゃってる、見た目は完全にキラキラ恋愛トレンディなはずなのに、江口のりこさん演じる氷河衛というキャラクターは、全くそうはさせない。ちゃーんとヒューマンドラマに引き戻しちゃうからね。こんなドラマ、見たことないぜ?で、それを、トレンディドラマの原点、W浅野の『抱きしめたい!』やってた、フジテレビ、木曜劇場で放送中だってこと!!う~ん進化!!!
ってもう、ちょっと、わけわからん方角からも感心してしまうゾーンに入ってしまいましたが、前回待望して、だけどちょっとだけそこ狙いすぎたらやだなとか心配してた、宮村空(町田啓太)も、素晴らしかったわー。
春野とのやり取りももちろん良かった、良すぎたんだけど、僕的には公式で、事前に、町田くんの宮村って人物は“忠犬”キャラと紹介されてたもんだから、フン!どうせ、狙いすましたかのような、わかりやすい、“萌え”を見せてくるでしょ?これ見よがしの“忠犬描写”見せてくるんでしょ!(どういう描写やねん)って、その“忠犬描写”には疑いしか持ってなかったんだけど、ありゃあもう、あの“忠犬描写”はもう、間違いなく“忠犬”だったよね!!だって“クリスマスの夜、投身自殺を図ろうとするも助けられた”。よって“忠犬”になりましたとさ…。っていうTHEベタ、超絶ベタ、果てしなくベタ…だってのに、氷河の「何かお探しですか?」から始まって、レストランでパスタ食わしてもらう…ってさ…。うん、そら、有無を言わさず忠犬になるわ!!どこまでも氷河さんを守りたいと決意する、忠犬になるわ!!
で、あの、町田くんの、イケメン過ぎて、おかしいほどに顔面は主張してるはずのに、行動の方はというと全くそうじゃない、グッと耐えて、見守る、あの感じ…顔面と行動のギャップ!!あれこそ!!町田くんの真骨頂だぜ!!(え?僕、一体何の評論家なん?)で、あのパスタのシーン、宮村くんの感情全部こっちに入ってきちゃって、状況いまいち把握できてないのに、ちょっと泣いちゃったよね…。あんな顔面持ってる宮村くんなのに、なんで死のうとすんのよ、一体どんなことがあったんよって、それまでの宮村くんを異常なまでに想像して、ちょっと泣いたよね…。
で、でよ、肝心の物語はと言えばさ、ラスト急に解散!して、古い一軒家で「ようこそ我が家へ」って、もうどういう話やねん!!そこどこやねん!!どこが『SUPER RICH』やねん!!!あぁ、もう、気になるぅぅぅ!!!!!はよ、3話見してーーー!!