岸惠子 渡仏、フランス人夫との離婚を回顧「気づいたら、したたかで強い女になっていた」

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2020年10月3日（土）から10月26日（月）までスペシャルトークショー「岸惠子 いまを生きる」を開催する岸惠子が、公演に先駆けて8月14日（金）に取材会を実施した。

8月11日（火）に米寿を迎えた岸だが、その軽妙なトークは健在。

ショーのタイトルでもある「今を生きる」になぞらえて、コロナ禍において生きることへの考え方の変化を聞かれると「難しい質問ね」と笑いながら、「コロナが始まる前もいまも、生きる姿勢に変わりはありません。ただ、この世界中の難儀にどう耐えていくか、ということだと思いますが、今日（8月14日）で88歳と3日目なんです。だから、長いこと生きてしまって、いまさら生きるということを語るのも照れくさいのですが、いつも一生懸命生きてきたつもりです。ごまかしのない、自分に正直な生き方をしてきたと思うし、それはコロナがあろうがなかろうが、同じことだと思います」と、これまでと変わらない姿勢を語った。

また、公演発表時のメッセージにある「負けて勝ちをとる生き方」についての質問では、若くしてフランスに渡ったころの話に。

「祖国を捨て、二度と帰らないかもしれないという覚悟で行ったフランスという国は、文化も精神も違って、とにかく大人な国であったわけです。いま“カルチャーショック”などといった簡単な言葉が流行っていますが、そんな言葉では言い尽くせない、非常に強いショックを受けました。日本には、“敵の懐に飛び込め”という言葉があるでしょ？フランスには“敵を自分のポケットにねじ込め”という言葉があるんです。私はこの二つの言葉の両刀遣いになりました」と回顧した。

「負けてめげないこと、負けたなかから何かを学び取るということを何年も何年も経っていくうちに、どこかで拾って来たんですね。それで、気が付いてみたら、したたかで強い女になっていたと思うんです。それが、いいことか悪いことかはわからないけれど、かなりの試練に耐えた分だけ強い女になったと思います」と語り、さらに、フランス人の夫との離婚後、当時の法律により娘がフランス国籍のままとなってしまったことを例にしながら「そういういろいろなめぐりあわせが、私にひどい苦労をかけてしまうことになったわけです。まだ、しなければいけないことは常にあります。私はめげない人間だと思っていますし、誰かに頼らない生き方をして来ました。ただ自分に出来ることを誠心誠意やろうと思っているだけです」と結んだ。

トークショーの内容は構想中。開催を決めた5月の段階では収束していると思っていたコロナ禍の状況が続くなか、「10月にどうなっているかは全く見当がつきません」と前置きしつつ、「劇場に皆さんおいでくださいというのは、今はちょっと気が引けますが、来ていただきたいです。その頃には感染拡大が収まっていることを願っています」とファンにメッセージを送った。

■公演概要
公演名：「岸惠子　いまを生きる」
公演期間：
10月3日（土）13時　新宿文化センター 大ホール（東京）
10月4日（日）13時　新宿文化センター大ホール（東京）
10月10日（土）13時　相模女子大学グリーンホール（神奈川）
10月11日（日）13時　川口リリア大ホール（埼玉）
10月14日（水）13時　オリンパスホール八王子（東京）
10月18日（日）13時　なかのZERO大ホール（東京）
10月24日（土）13時　習志野文化ホール（千葉）
10月26日（月）13時　神奈川県民ホール 大ホール（神奈川）

詳細は、公式サイトまで：https://kishikeiko2020.wixsite.com/imawoikiru