有森也実が、コンプレックスに対する思いを語った。
19年ぶり4冊目となる写真集「prayer」(ワニブックス)が、発売とともに話題となっている俳優・有森也実。コロナ禍で自身が意識し続けていた「prayer(祈り)」と「player(俳優)」の2つを体現した写真集には、50代半ばを迎えた彼女のありのままの姿が映し出されている。
30年前に放送されたドラマ『東京ラブストーリー』(フジテレビ)以降、彼女が常に輝きを放ち続けている秘密はどこにあるのか。11月某日、都内で有森に聞いた。
<有森也実 インタビュー>
――このたび、19年ぶりに写真集を作ろうと思ったきっかけは何だったのでしょうか?
写真集って、映画やドラマ、舞台のお仕事とは違って、自分の中にあるものを“こんなふうに出したい”というコンセプトがないと、私はできないんです。そういう意味ではこの何年か(アイデアが)枯渇していて。だからお話はいただきつつも、「まだ今じゃないな…」という状態で、気付いたら何年も過ぎていたんですね。
そんな中、コロナ禍で、舞台や映像のお仕事が延期や中止になるというのを目の当たりにして。今、私には何ができるんだろうかといろいろ考えていた時に、今回のお話をいただきました。
これまで出してきた写真集は、“有森也実”というイメージから脱出したいという思いで作ってきたのですが、今回はもう少しラクに、ナチュラルにやってみてもいいんじゃないかな、と思えたんです。そんなふうに感じたことはこれまでなかったので、「今がタイミングだな」と決断しました。
――写真集のタイトルにはどのような思いが込められているのですか?
「prayer」と「player」というのは私の中にずっとあった言葉ですが、写真集を作る中でいろいろなことが腑に落ちた感覚があったんです。写真集を作る過程で感じたこと、仕事で得た経験などが、自分の中でやっと重なった感じと言いますか。
それなら、「有森也実写真集でいいじゃない」っていう部分がありつつも、今回はタイトルを付けたいと思えたことも含めて、今までとは違った感覚で作った作品になりました。
父親のジャケットを素肌に羽織り、友人から贈られた赤いパンティ姿で撮った表紙がお気に入り
――撮影はどんな雰囲気だったのでしょうか?
撮影してくださった藤代冥砂さんが同じ年齢ということもあり、私が積極的に何かを発信するというよりも、藤代さんが見てくれた“有森也実”の中に、私がその時に感じたものが映し出されていればいいのではないかな、と思って撮影に臨みました。
例えるなら、同級生の藤代さんと旅先で偶然会って、(撮影場所を)ちょっと案内してもらったような。懐かしさとちょっとした緊張感、安心感や解放感があった現場でした。
――撮影には私物もかなり持ち込まれたそうですね。
ナチュラルにやりたい、というのがあったのはもちろんのこと、自分の個性を考えたときに、バレエやダンスといった体を動かした時の表情をいかしたページがあってもいいだろう、と。これ、父のジャケットなんですけど(とページをめくり)、これを素肌に羽織ったら面白いんじゃないかって。男物のジャケットを羽織ってダンスをしたら、ドラマティックだなと思って、そういう設定を用意しました。
赤いパンティは、誕生日プレゼントをやり取りしている同級生から去年いただいたもの。彼女とは、アクセサリーや帽子なんかを交換していたんだけど、ある時、「下着にしない?」ってことになったんです。私たちくらいの年齢になると、機能性とか履き心地とかを気にして、セクシーな下着はなかなか自分では買わないから、って。
職業柄、「衣装に響かないように」ということを考え、ビジュアルだけで「これかわいい」ってセクシーなものを選ぶことは少なくなりました(笑)。それで、このキラキラした下着を受け取って、とてもうれしかったんです。プレゼントって、相手が自分を思って選んでくれた時間まで受け取ったような気持ちになりますしね。
――写真を見ていて、筋肉の美しさにも惹かれました。ボディメイクのためにやっていることは?
食生活を見直して、16時間断食を始めました。朝は排泄の時間だから(食事を摂ることで)胃腸に負担をかけないように、ということで。私には合っていたみたいで体調もすごくよくなりましたし、朝ごはんを作らなくていいのもラクなんですよね(笑)。その間、MCTオイルを垂らしたコーヒーを飲んで、油分は摂取して。
あとは筋トレをやったり、バレエも続けています。でも、バレエダンサーみたいに引き締まった体も美しいと思うけれど、ちょっとくらい足が短くても、肩幅があっても、それぞれの人の体が持った美しさってあると思うんです。
銭湯に行って、おばあちゃんの体を見ると「ああ、かわいいなぁ」と思うんですよね(笑)。フワフワしていそうでとっても愛おしくなります。
自分の理想に向かって鍛えたりするのはいいことですけど、コンプレックスをコンプレックスだと思わない気分というのも大事なんじゃないかなって。(自分は)全然ダメだし(笑)。ダメって言っちゃいけないんだけど、ウエストだって脚だってもっと細くなりたいし、二の腕をなんとかしたい、とか、いっぱいありますよ。
まあでも、「今はこの体でやらせていただいてます!」って感じです。
――ご自身の一番のお気に入りのカットは?
表紙が一番好きです。今の私っぽいので。父のジャケット、友だちからもらったパンティ、自分の靴っていう、全部自前だからっていうのもありますし、ふとした雰囲気で、キマり過ぎていないのがいいのかな。話しかけられて「え、何?」って振り向いた動作の中の一コマっていう感じだし、それが、私の人生の一コマのようにも感じられる気がして好きなのかもしれないですね。
――お渡し会も開催されましたが、どんな反響がありましたか?
みなさん控えめな方が多くて、恥ずかしがって言ってくれないんですよ。この間、(有森のファンで知られる)松村邦洋さんのラジオに出演させていただいたときに、「どのカットが好き?」って聞いても、照れくさそうにして言ってくれませんでした(笑)。
――今年は、『東京ラブストーリー』から30年です。昨年には、現代版がメイクされましたが、ご存じでしたか?
はい、もちろん。
――それを聞いたときの印象は?
うれしい気持ちの反面、(オリジナルが)古典になりつつあるのか、って(笑)。(オリジナルを配信などで)若い方が見てくださったというのも聞きましたし、私と同世代の方が、「懐かしいね」って言ってくださっているのも聞きました。同世代の友人たちとは、あの時代だったからこそ切なさ、もどかしさっていうのが浮き彫りになっていたんだろうね、面白い時代に私たちは生きていたよね、なんて話もしました。
設定や時代背景は変わっても、人を好きになったりする気持ちはおんなじだし、(相手の)気持ちが見えないもどかしさがあって、それが反対に思いやる気持ちになるわけだから、いつの時代も、ラブストーリーっていうのはいいですよね。
事務所を退社して1年半「事務所にいた時にはよく見えなかった景色が見えるようになりました」
――年齢を重ねて、お仕事への向き合い方にも変化はありましたか?
この2年ほどは舞台のお仕事がとても順調なのですが、作品に育ててもらっていると希望を感じているので、今後も続けていければと思っています。映像のお仕事はもうちょっと生々しく今の自分を映し出すものなので、年を取って渋い役もやっていきたいし、年取るっていいねと思ってもらえるように頑張りたいです。
あと、事務所を独立してフリーになったんだから、自分が踏み入れたことがない未知の場所にも行ってみたいと思っていて。具体的に形になるまでには時間がかかるかもしれませんが、“身体表現”の打ち出しっていうのも、もっとやっていきたいというのはずっと考えています。
――フリーになって1年半が経ちますが、大変なことはありますか?
うーん…意外とみんな助けてくれるんですよ。それ以前に、事務所にいた時にはよく見えなかった景色が見えるようになりました。請求書1枚出すにしても、「うわ、こんなことをやってもらっていたのか」とか(笑)。今まで感じたことなかったですものね、そういうことの大変さですとか。1つの仕事が決まるまでに、こんなにもやりとりがあって、時間がかかっていたのかとか。
――プライベートでハマっていることはありますか?
(小声で)最近、インスタを始めたんです。それが、ちょっと楽しいかな。きっかけは、写真集なんですが、松村さんやみなさんが写真集を宣伝してくださったりしているので、自分が何もしないでいるのは、「これはいかん」と思いまして。宣伝ではないけど、どんな思いでこれを作ったか、発信はできるわけじゃないですか。だからやってみようと。まだ超初心者ですけど…。
――2021年も終わりますが、2022年はどんな年にしたいですか?
12月に朗読キネマ「潮騒の祈り」という新たな試みをやるんですけど、主宰の高橋郁子さんは独自のスタイルで、リーディングをやっていらっしゃる方。人間が楽器となって「音」を奏でるという意識が高い方なので、どんな表現になるのか、とても楽しみにしています。
お客さんの前で舞台ができるようになったことは本当にうれしいし、コロナの流行も少しずつ落ち着いてきて、2022年は生身の人間の面白さをもっと感じられる年になるといいですよね。
一方で仮想世界にも興味があって、みんながアバターを操るようになったら、生身(なまみ)の役者は必要なくなるんじゃないかと考えたりすることもあって。仮想世界は面白そうだけれど、“生身”の自分をきちんと構築しておかないと、恐ろしいことになりそうだとも思います。
でもやっぱり、肉体の表現が与えられる熱量への需要は変わらないはず。コロナで失ったものを嘆くばかりではなく、失ったから気付けたものもあったのではないかと考えられる年にしていきたいです。
撮影:今井裕治
有森也実写真集「prayer」(3300円/税込)
撮影:藤代冥砂
発売元:ワニブックス
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