お見送り芸人しんいちさんが、ピン芸日本一決定戦『R-1グランプリ2022』(カンテレ・フジテレビ系)で、第20代目王者の座を獲得。その模様は、3月6日(日)、20時より生放送されました。
3,199組が応募する中、決勝に駒を進めたのは、kento fukayaさん、サツマカワRPGさん、金の国・渡部おにぎりさん、ZAZYさん、吉住さん、お見送り芸人しんいちさん、寺田寛明さんと、復活ステージ勝者のYes!アキトさんの8人。
ファーストステージでは、ギターを片手に「僕の好きなもの」をテーマに毒を吐きながら歌うネタを披露。463点で吉住さん、渡部おにぎりさんと同率2位となりましたが、審査員投票により、見事決勝ファイナルステージへ。
ZAZYさんと争った決勝ファイナルステージでは、「応援するよ」と題してネタを披露し、爆笑をさらい、審査員5人中3票を獲得。ラストイヤーで悲願の優勝を果たしました。
放送終了後、トロフィーとギターを持って登場したお見送り芸人しんいちさんは、リモートで記者たちの質問に答えました。
ラストイヤーにかけた思い「ピン芸人で評価されたい」
舞台裏で崩れるように泣いていたというお見送り芸人しんいちさんは、「ちょっと落ち着いたんですけど、さっき、お母さんと電話したら、また、わっと涙が出てしまいました。僕一人では獲れなかったので、皆さんに感謝しています。ありがとうございます」とコメント。
母親との会話は、「『マネージャーさんに感謝しなさい』と言われました。マネージャーには、うちの事務所(グレープカンパニー)に拾っていただきましたし、クビ寸前だった僕を全力で止めてくれました。マネージャーはお母さんとも付き合いがあるので『マネージャーさんにまず感謝を忘れたらダメよ』と言われました」と明かしました。
涙に込められた思いを聞かれると、「感謝だったり、全部入っているんですけど…。しんどかったり、と。本当にダメピン芸人だったんです。裏でファイナリストになれなかった人たちが祝福ムードで声をかけてくれたりと…。本当に全部入っていました」
続けて、「親の反対で芸人をしていましたし、芸人として食べていけなかったんです。親戚とかからも『しんいちは、いつやめるの?』と、お父さんお母さんは言われていました。それが耳に入った時に、しんどかったですね」と回想。
吉住さん、渡部おにぎりさんとファーストステージで同率2位になったことに対しては、「(同率で)463点ですよね…。『これどうなるの?』と吉住と言い合ったのは覚えています。吉住も金の国も面白かったので『いけたらいいな』というくらいの感じでした。(ファイナルステージに勝ち上がって)もう1本やれるという嬉しさが大きかったです」と振り返りました。
ラストイヤーで優勝を果たした、お見送り芸人しんいちさん。そのラストイヤーにかけた思いについては、「楽しむことだけを考えていました。(自分が出場できた)最初で最後のピン芸人の大会なので。残りの7人に点数が負けても1番楽しもうという気持ちでいました。(ネタ順が)2番手だったので、残り6人『全員スベレ』と思ってしまいました」とぶっちゃけ。
また、「ピン芸人で評価されたいという思いが強かったです。R-1グランプリで優勝するというより、1回でも出場して、グレープカンパニー初のR-1グランプリ参加者として、サンドウィッチマンさんと一緒に営業を回って食べていけたらいいなと思っていました」と語りました。
そして、「『お見送り芸人しんいち』という名前を付けてくれたのが、伊達(みきお)さんで、『お前の武器はギターと歌だぞ』って言ってくれたのが、富澤(たけし)さんでした。僕が考えたものがほとんどなくて、『髪に色を入れろ』とか、『服装をこの衣装にしろ』と言ってくれた人もいますし、ネタは僕が考えたのですが、いろんな人のおかげで優勝につながったと思います」と感謝しました。
サンドウィッチマンに伝えたい言葉を聞かれると、「あなたたちがいなかったら、今いないと心から思っています。率直にありがとうございます。おこづかいをたくさん貰いましたし、お年玉も貰いました。靴も買っていただきました。『後輩に買えるようになれよ』と言われたので、頑張ってなります」とコメント。
優勝賞金500万円の使い道「僕に戻ってくることはない」
賞金500万円の使い道については、「いったん、お父さんとお母さんに預けます。両親には、だいぶお金を使っていただいたんです。お恥ずかしいのですが、東京に出たばかりのころは、お金を貸していただきましたし、仕送りもしていただきました。全部返したいというか、預けます」と明かしました。
また、「さっきお母さんに電話したら、もう分配方法を話し合っているみたいです。甥っ子や姪っ子、妹、姉がいるので、みんなでわけるみたいです。僕に戻ってくることはないですね(笑)」と苦笑い。
6月19日には、優勝者の冠番組が放送となるそうで、「歌ネタなので、音楽に関わる番組にしたいです。親交のある、スキマスイッチさん、山崎まさよしさんとか、アーティストの皆さんが、安く出てくれないかな(笑)」と笑顔でコメント。
最後に、これからの目標や展望を聞かれると、「目標は、グレープカンパニーに1円でも多くお金を落とすことです。展望は、今いただいている仕事を全力で天狗にならずに感謝を込めてやるだけだと思っています。仕事がない時期が長すぎて、いただいた仕事を、ずっと頭を下げながらやっていきたいです」と意気込みました。