安蘭けい＆望海風斗が双極性障害の母を熱演「私の中でダイアナが燃えたぎっている」

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安蘭けいさん、望海風斗さん、海宝直人さんらが出演するミュージカル「next to normal」が3月25日、東京・日比谷シアタークリエにて開幕しました。

本作は、トム・キット（音楽）、ブライアン・ヨーキー（脚本・歌詞）のコンビによる2009年トニー賞に11部門でノミネートされ、主演女優賞・楽曲賞・編曲賞の3部門を受賞し、2010年にはピューリッツアー賞（戯曲部門）を受賞したミュージカル。日本では2013年に日比谷シアタークリエにて初演、好評を博した作品です。

そして、2022年――待望の再演が決定。日本初演では、オリジナル版と同じ演出・デザインにて上演されましたが、今回は日本独自の演出・デザイン、さらに、2組のチームによる“新生・next to normal”として注目を集めています。

物語は、母、息子、娘、父親という“普通”に見える4人家族の朝の風景からスタート。母・ダイアナの不自然な言動に、夫のダンはやさしく愛情をもって接しています。息子のゲイブとダイアナの会話は、ダンや娘のナタリーには届いていないようで、実はダイアナは長年、双極性障害を患っていました。ナタリーは親に反抗的で、クラスメイトのヘンリーには家庭の悩みを打ち明けます。

ある日、ますます症状が悪化するダイアナのため、ダンは主治医を替えることに。新任のドクター・マッデンはダイアナの病に寄りそい、治療を進めていきます。

そんな作品の登場人物を演じるキャスト総勢12名が取材会に登場。本番への意気込みを語りました。

母・ダイアナ役の安蘭さんは「私は2013年の初演から出演しているのですが、そのときからこの作品が大好きで、いつか再演できないかなと考えていました。こうやって9年越しに上演できて、幸せに思っています。私の中は今、（役柄の）ダイアナ・グッドマンで燃えたぎっています」と気合い十分。

同じく、ダイアナ役の望海さんは「出演のオファーをうけたときは自分でもどのような挑戦になるのかわからない状態だったのですが、制作側の熱い思いをうけて、挑戦することになりました。やればやるほどこの作品が大好きになります。その気持ちを大切に、来てくださるお客様に目いっぱいのものをお届けしたい」と、それぞれ本番への心境を語りました。

長男・ゲイブ役の海宝さんは「僕はシアタークリエ10周年の『TENTH』という作品で、この『next to normal』のダイジェストバージョンのゲイブを演じたところ、作品がもつエネルギーと音楽のとりこになり、いつかフルサイズで関わりたいと思っていました。稽古をしながら改めて、音楽、芝居、いろいろなピースがバチッとハマって、心に響く作品だなと感じました」。

同じく、ゲイブ役の甲斐翔真さんは「ミュージカルが大好きな僕としては、海宝さんとダブルで（ゲイブを）やらせていただけることがとてもうれしい」と笑顔をハジけさせ、海宝さんが「よろしくお願いします」と呼びかけると、「頑張ります！」と意欲をのぞかせました。

ダイアナの主治医、ドクター・マッデン役の新納慎也さんは、「本当はここで2時間語りたいぐらい、僕はこの作品のオタクで、2007年ごろのまだオン（ブロードウェイ）にのっていないときに観劇して、好きすぎて8回ほど通いました」と回顧。

続けて、「初演を思い返すと、連日満席とはいきませんでしたが、コロナ禍でこの作品が再演できることはとてもうれしく思いますし、今や隣の人が双極性障害かもしれない。まさしく『next to normal』の時代になったので、作品のテーマが日本のお客様にも届けば」と呼びかけました。

さらに、「安蘭さんと僕は初演からずっと出演しているのですが、気づけば2チーム制になって、あからさまに若者チームと年寄りチームに分けられました（笑）。残念ながら僕は年寄りチームにいますが、若者チームの3倍のスピードで頑張りたい」とライバル心を燃やし、場内をわかせました。

初演との違いを聞かれた安蘭さんは、「今回は日本オリジナルの演出で、あのとき感じたことと、今感じていることが若干違います。セットも違うかな。あのころは3階建てだったし。その3階を使っていたのはゲイブだけなんですけど」と、背後にそびえ立つ2階建てのセットへ目線を。

そこへ、父・ダン役の岡田浩暉さんが「そのために、（ゲイブ役の2人は）大胸筋を鍛えたらしい」と、胸板の厚さが際立つ海宝さんと甲斐さんへポツリ。

安蘭さんが「3階へ上がるのに胸筋はいらないよね（笑）」とツッコむと、海宝さんは照れくさそうに「いらないです（笑）。使うのは脚の筋肉ですね」と話しました。

最後に、望海さんは「とても繊細な問題を扱っていますけど、最後には希望をもってお帰りいただける作品だと思いますので、こちらも一生懸命にダイアナを生きぬきたい」とコメント。

安蘭さんは「この作品に携わった方は絶対にこの作品が好きになる。どんな魅力があってそうなるんだろうと考えても、答えはなかなか見つかりません。題材的には重い話ですが、最後に希望で終わるところが大好き。この時代を生きている人たちへのメッセージをきちんと持ち帰っていただけるように、頑張って努めたい」と力を込めました。

最新情報は、ミュージカル「next to normal」公式サイトまで。