新型コロナウイルス感染拡大防止のため、緊急事態宣言が発令。外出自粛が呼びかけられたこと、多くの商業施設の休業が続くことで、私たちの買い物のスタイルに変化が起こった。

実店舗での買い物が減り、ネットショッピングや通信販売（以下、通販）の利用が増えたという方が多いのではないだろうか。

スーパーに行く機会を減らすため、水、米、洗剤などの重たい日用品、 “おうち時間”を充実させるための便利グッズや癒しグッズ、流行りの「オンライン飲み会」でちょっと自慢できるような高級取り寄せグルメなどなど、“巣ごもり”で通販需要が増加しているという一方、懸念されるのが宅配業者への負担の増大だ。

実際、SNSでも「暇なのもあって、気づくと週一でお取り寄せしてる」「スーパーで売り切れだった水を大量購入した」「出かけるのが怖いから、できるだけネットスーパーやアマゾンを利用」と通販の利便性に預かりつつも、「注文が殺到して激務になっているのでは？」「配達員さんに感染リスクを負わせてしまっているようで後ろめたい…」と業者を心配する声も。

便利なサービスを、安全かつ快適に活用するために、受け取る側である私たちができることは？フジテレビュー!!では、ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便の宅配業者3社に取材を行った。

「外出自粛の要請後、通販などによる個人向けの配達物量は増加しましたか？」という質問については、やはり3社ともに「増加傾向にある」と回答。では、それによる影響はあるのだろうか。

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負担増大が懸念される宅配業者の現状および今後について、各社は以下のようにコメントしている。

「緊急事態宣言を受け、個人宛の宅急便は増加傾向にあります。今後も行政からの要請に応え、お客さま、社員の安全を最優先に、外出を自粛している多くのお客さまの暮らしや経済活動に貢献するため、大切なお荷物をお届けしてまいります。」（ヤマト運輸）

「個人宅様へのお荷物は増えておりますが、現状は、外出自粛の影響で、在宅率が向上（再配達が減少）しておりますので、配達品質は維持できております」（佐川急便）

「弊社は新型インフルエンザ等対策特別措置法が定める指定公共機関として、郵便・物流業務を継続する必要があり、基本的には、政府、自治体の指示に従うこととしております。また、弊社は物流業務というライフラインを担っているという認識であり、現時点では、総量規制やサービス停止は考えておりません。一方で、窓口時間の短縮や航空便の減便で引受けを停止し、ご不便をおかけしていることもありますが、できる限りお客様に影響の少ない形で業務運行を続けていきたいと考えております。」（日本郵便）

佐川急便の回答にある「在宅率が向上しているため、配達品質は維持できている」という点は、外出自粛のメリットだろう。配達物は確実に一度で受け取る、という小さな配慮が、配達員の負担軽減につながるといえそうだ。

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さらなる負担軽減のため、私たちにどんなことができるだろうか。

ヤマト運輸が「対面でのお荷物お受け取り時の受領印・サインの省略や、非対面による荷物のお受け取りは、多くのお客さまに知っていただき、ぜひご利用いただきたい」と回答するなど、3社いずれも“非対面での荷物受け取り”に対応している。

配達員が到着した際、インターホン等で非対面の受け取りを希望する旨を伝えれば、玄関前など指定した場所に置いておいてもらうことが可能で、受領印は不要。※一部サービスは対象外

荷物を届けてくれた配達員に、インターホンで「〇〇（希望の場所）においておいてください」と伝えればいいそうだ。

佐川急便は、代金引換や内容物が高額な場合など、非対面受け取りに対応していない荷物について、受取人の要望によっては受領印押印の際に配達員が離れた場所で待機するなど、臨機応変に対応するとしている。

ヤマト運輸においては対面で荷物を受け取る場合でも受領印・サインの省略を導入しており、これにより代金引換など対面でしか荷物を受け取れない場合でも、配達員との接触を極力避けることが可能になる。

こういった場合においても「少し離れて待っていてください」あるいは「サインを省略させてください」と一声かければすぐに対応してくれる。

いずれも、互いの感染を防ぎつつ、個人宛の配送が増加している配達員への負担の軽減にもつながるので、可能であれば積極的に活用してみたい。

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このほか、「宅配ボックス」を積極的に活用することや、店舗受け取り、そして「PUDOステーション」という複数事業者が共同利用できるオープン型宅配便ロッカーなどのサービスを使うのも有益だ。近所に指定できる受け取り場所があれば、必要な外出時に立ち寄って荷物を受け取ることが可能に。

そのほか、取り組みの詳細や社内での感染防止策、最新情報については各社のHPを確認していただきたい。

ヤマト運輸：新型コロナウイルス感染症や緊急事態宣言に関するお知らせ
佐川急便：新型コロナウイルス感染症に関するお知らせ
日本郵便：コロナウイルス（COVID-19）に関するお知らせ

日本郵便は「郵便物等の取集・配達等については、社員の安全も含めて、お客さまへの影響と感染拡大の防止に最大限配慮して、継続してまいります。お客さまにはご迷惑をおかけいたしますが、ご理解とご協力を賜りますよう、何とぞよろしくお願い申し上げます」と呼びかける。

そしてヤマト運輸からは「HP掲載の「受領印・サインの省略および非対面によるでの荷物のお受け取り」は、外出を自粛している多くのお客さまへ、是非ご利用いただきたいと考えています。今後もニーズの変化に合わせた取り組みを通じて、引き続きお客様のくらしをサポートしていきたいです。」とのコメントが得られた。

安全かつ快適な毎日を送るため、一人一人にできること、小さなことから始めてみたい。インターホン越しの「玄関前に置いておいてください」の後にもう一言、「いつもありがとうございます」を加えるだけで、なんだか気分が違ってくるのではないだろうか。