『クロステイル ~探偵教室~』の脚本を担当する、八津弘幸さんのコメントが到着しました。

土ドラ『クロステイル~探偵教室~』(東海テレビ・フジテレビ系)は、探偵学校を舞台に、心の謎に直面することで成長する探偵の卵たちを描く、“新感覚”探偵ドラマ。

主人公の飛田匡(とびた・たすく/鈴鹿央士)は、突然失踪した父親を捜すため探偵学校に入学。

年齢や経歴、志望動機もさまざまなクラスメイトに、謎多き校長や個性豊かな講師陣と出会い、実習を重ねるうちに、探偵スキルや大切なことを学んでいきます。

ドラマはいよいよ後半戦へ。探偵学校に通う生徒たちの入学動機や過去など“それぞれの事情”が少しずつ明らかになっていきます。

そんな本作の脚本を担当しているのは、『半沢直樹』(TBS)、『おちょやん』(NHK)の八津弘幸さん。

八津さんが10年前に書き上げ、以来温めてきたというこの作品。誕生秘話から後半戦の見どころ、本作に込めた思いなどを聞きました。

人の弱さを救えるドラマになるといい

<八津弘幸 コメント>

――書き上げてから10年経っても「探偵学校がイケる」と思った理由を教えてください。

この10年間でミステリーものとして探偵を描いた作品はあっても、探偵学校をきちんと描いている作品が意外となかったこと。

だからこそ「本当の探偵の仕事ってどういう感じなんだろう?」と興味がより湧きました。

実際にドラマ制作でご協力いただいた探偵会社の方々に話を聞くと、「浮気調査が9割」とか「へぇ!」という驚きが結構あったし、警察が解決できない部分を解決する探偵という仕事は、普遍的で、今だからこそみんなが興味を持てるんじゃないかという気もしたんです。

人間誰しも人に言えない秘密や悩みを抱えている中で、SNSの発達があり、それこそ暴露系YouTuberなど、秘密だったことを公にされたり、それを知った人が完全な悪のようにその人を叩いたりする現状がある。

「それってどうなんだろう?」という問いかけになるし、 そういう人の弱さを救えるドラマになるといいなと思いました。

あくまで僕の中での裏テーマとしてですけどね。

芝居がすごくお上手!鈴鹿くんで良かった

――キャストについての印象は?

僕は、意外と俳優陣を知らないので、キャスティングはほとんどお任せだし、その人をイメージして書くこともないんです。

鈴鹿央士くんに関しては、ドラマ『ドラゴン桜』(TBS)の印象が強く、匡のイメージとかけ離れていたので、「上手くハマるのかな?」と思ったのが、最初の正直な気持ちです。

でも、実際にできあがったものを拝見したら、芝居がすごくお上手で、最初のイメージと180度変わって「本当に、鈴鹿くんで良かったな」と思いましたね。

朋香役の堀田真由さんは、いろんな作品に出てらっしゃるのも知ってはいたけど、お芝居を見たことがなかったんです。今回のドラマは、匡と朋香の掛け合いが見どころのひとつだし、実は、朋香ってお芝居で表現するのが難しい役。

そこを堀田さんは、表情ひとつで器用に表現してくださって「やっぱり、売れている人ってこういうことか」と感心しました。

「キャスティングしていただけてラッキー!」と思いましたね。

檀れいさんは、以前もご一緒したことがあり、そのとき、密かに「脚本的に、もっとこの人をイジってもいいんじゃないか」と思ったんです。

ただ、そのときはそこまでできなくて、今回、校長はキーとなる役だから最初から役のイメージはあったけど、檀さんに演じていただけるとなって、より拍車がかかりましたね(笑)。

変装しかり、怒らせたら怖いキャラしかり、檀さんも楽しんで見事にやってくださっていたので、僕としては脚本家冥利に尽きます。

檀さんのおかげで、あの役が本当にイキイキしましたよね。

迅平役の板尾創路さんは『おちょやん』のときも思ったのですが、独特の雰囲気と深みのあるお芝居をする役者さん。

僕は、早回しのイメージでセリフやシーンをテンポ良くワーッと書くところがあり、全部同じテンポになりそうなところを、板尾さんのお芝居がアクセントとなってメリハリが出る。

今回も“板尾節”で、僕の書いたもの以上の雰囲気を醸し出して作品のバランスを良くしてくれていますね。板尾さんには全幅の信頼を寄せ「好きにやってください」という感じです(笑)。

ドラマの核になっているセリフ

――お気に入りのセリフは?

まずは、第1話で父・迅平(板尾)が匡(鈴鹿)に言った「お前なら世界を救える!」。

一見、大げさな漫画的なセリフで、「何言ってんだ」って感じですが、匡だけじゃなくて、誰しもが実はその可能性を秘めていて、小さなことが気づかないうちに、そういう大きな力に繋がっていることもあるんじゃないかと、そんな思いも込めて書きました。

もうひとつも第1話で、檀さん演じる校長が生徒たちに言う「警察が事件を解決するなら、探偵は依頼者の悩みを解決する」。

ドラマの核になっているセリフだと思っています。

※山口香緒里の「緒」は、「、」ありの「緖」

――主人公の名前やドラマのタイトルは、どのようにつけているのですか?

僕、名前を決めるのが大の苦手なんですよ(笑)。

余裕があるときは、姓名判断の本を見たり、こだわるときは「大吉画」など画数まで見て作りますけど、今回の主人公・匡は僕のアシスタントがつけてくれたんです。

実は、ドラマのタイトルも(笑)。もちろん僕も探してはいましたが、アシスタントが3つ候補を挙げた中に『クロステイル』があり、一番いいと思ったんですよ。

「リスクを省みず、近接尾行する」という意味を持つ探偵用語だったので、ドラマにどう落とし込むかという点では大変でしたが、響き的にはすごくいいし…だからもう、本当に優秀なアシスタントのおかげです(笑)。

ひとつでも前向きな答えが見つかるような作品にできたらいい

――脚本を書く中で大事にしていることは?

月並みですけど、視聴者が楽しめるかどうか。もちろん自分の書きたいことを、そこにすり合わせていくんですけど、常に「これって僕は面白いと思っているけど、視聴者は本当に面白いと思うのかな?」と自分の中で検査をしている。

それはセリフひとつとってもそうなので、書くのがすごい遅いんですよ(笑)。あと、いかにお客さんを、いい意味で騙(だま)していくかも意識します。

とにかく、まずは楽しんでもらって、見終わったあとに、ひとつでも前向きな答えが見つかるような作品にできたらいいな、という思いで脚本を書いています。

――ちなみに、八津さんはSNSをよくチェックしますか?

つい気になってエゴサーチしちゃうんですが、意外と打たれ弱いので「ヤバイ!」と思ったら、すぐ見るのをやめます(笑)。あと、すごい先まで展開を予想する方もいて、それが僕の考えていることよりも面白かったりすると、感心しますし、凹みますね(笑)。

本作は、ストーリー上、謎はあっても、実はそこがメインじゃなくて、探偵自身の人間像を描いているので、その辺が視聴者にうまくわかってもらえるとうれしいですね。

――最後に、視聴者のみなさんにメッセージをお願いします。

今までは、探偵の卵たちの成長を描く“探偵学校の話”がメインでしたが、後半になるほど、“父親失踪の話”が前面に出てきて、その2つが両輪となって走っていく感じになっています。

深夜の放送ですし、とにかく楽しんで「へぇ!」と驚いたり「探偵って面白い!」と思ってもらえればよくて、見終わったあとにちょっとだけ心に何か残っているものがあればいいかな、という思いで書きました。

あとは「探偵になりたい」と思ってくれる人が増えたら、僕としては「してやったり」な感じです。

「10レンチャン! パシャ得キャンペーン」対象番組である、土ドラ『クロステイル ~探偵教室~』第4話は、4月30日(土)23時55分より、東海テレビ・フジテレビ系で放送されます。

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<第4話あらすじ>

「あなた方に行方調査を教えるはずだった講師は、行方不明になりました」。今回の授業テーマは、行方調査…のはずが、講師の山田が行方不明になったという。

校長の理子(檀れい)は、匡(鈴鹿央士)らに、山田を5日間で見つけなければ失格、と厳しい条件付きの課題を言い渡す。

匡は、朋香(堀田真由)たちと調査を進める中、妻のいる山田が別の女性と逃げたと考えた。が、純子(篠田麻里子)は「奥さんを傷つけるだけ」と、その先の調査に反対し、退学覚悟で匡らの調査を邪魔すると宣言する。

一方、匡の前には、父・迅平(板尾創路)を追う謎の男が現れて…。

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