藤木直人×趣里が語る『脚本芸人』の魅力「3人の芸風の違いを楽しんで」

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藤木直人さんと趣里さんが、デビュー当時の目標を語りました。

フジテレビでは、6月22日、23日、24日に3夜連続ドラマ『脚本芸人』が放送されます。

『脚本芸人』は、吉住さん、水川かたまりさん（空気階段）、岩崎う大さん（かもめんたる）が脚本を書き下ろす、テレビ局を舞台にしたオムニバス形式の3話連動型ドラマ。

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フジテレビュー!!は、第1夜で警備員を演じる藤木さんと女優・小森かなを演じる趣里さんにインタビュー。『脚本芸人』の企画を聞いたときの心境や役作りについて、物語の内容にちなんで「デビュー当時、目標にしていたこと」などを聞きました。

──まずは、『脚本芸人』の企画を聞いた時の心境をお聞かせください。

藤木：お笑い芸人の方が手がける作品は今までにもあったし、このドラマもそれがタイトルになっていますけど、それよりも“誰が書くか”というところに斬新なイメージを持ちました。

──今回お2人が出演される第1夜は、初めて脚本を書いたという吉住さんが担当されていますね。

藤木：吉住さんは普段、1人でコントをやられているじゃないですか。今回は、ネタではありえなかった“相手のキャラクター”がリアルに存在することが、いつもとは違う吉住さんの世界が見えて面白いな、と思います。

その相手というのは、僕が演じる警備員なのですが…吉住さんのネタでは、見ている人に相手の言動を想像させていたと思うのですが、僕が存在することで、何をして、何を言っているのかが分かるわけですから、すごく責任重大な役だなと思いながら演じました。

──趣里さんは、最初に企画を聞いたときの心境はいかがでしたか？

趣里：芸人さんが脚本家としていろいろな場所で活躍されているのは知っていましたし、ステキな企画だなと思いました。特に、初めて脚本を書くという吉住さんが入っているってすごいですよね。

台本には吉住さんのネタに通じるものがたくさん詰まっていたので、責任重大だなと感じていました。ただ、吉住さんの独特のテンポ感はすごく心地よくて、ステキな脚本家さんだなと感じましたし、ワクワクもしていました。

──吉住さんは脚本が自分の手を離れたときに「大丈夫だったかな」と、不安を感じていたそうです。

趣里：そうなんですね。そんな不安はまったく必要なくて…この吉住さんの世界を映像として見たときに、どうやってリアルに感じられるようにするか、ということは監督もすごく考えていたと思うんです。面白いからこそ、ちゃんと届いてほしい、と。

──その辺りは、やはり監督と話し合って撮影していたのでしょうか？

藤木：そうですね。今回僕が演じる警備員には、ある過去があるんです。本読みをしたときに、監督が「その過去を踏まえて」とお話されていて。ドラマでは、辻褄が合わないとおかしくなってしまうけど、コントなら多少設定がブレてもそれが面白かったりすることもあるじゃないですか。でも、今回は「過去を踏まえて」という監督の指示がありましたし、芸人さんが脚本を書いているからといって、笑いに走っているわけではなく、すごく真剣にドラマを作っていました。

──お2人は、今作で独特なキャラクターの警備員と女優を演じていますが、参考にした方はいますか？

趣里：しいて言うなら、吉住さんですね。

藤木：そうなんだ！

趣里：私が演じた女優・小森かなは、「顔パスでスタジオに入りたい」という思いが強い役なのですが、藤木さんが演じる警備員さんに必ず「お名前は？」と聞かれてしまうんです。それでも絶対に諦めない強い意志があって、そのかっこよさは吉住さんの動画をたくさん見て取り入れました。そこに、もちろん自分の要素も入れて。

藤木：僕は、オファーをいただいてから、スタジオに入るときは警備員さんを見るようになりました（笑）。ただ、普通、スタジオに入るときは聞かれなくても名前を言うと思うので、劇中のような警備員と女優のやり取りってあまりないんですよね。だから、参考にしたことは…ないです。

それよりも、台本を読んでいて、ドラマのポスターに自分の名前が載ったのがうれしくて「見て、見て！」っていう新鮮な感覚、俺はもう忘れちゃってたかもな、と（笑）。

──そういう時期もありましたか？

藤木：どうですかね…最初の頃はあったような気がします。でも、顔パスでスタジオに入りたいなんて思ったことはないです（笑）。

趣里：私も。というか、ドラマの現場って、あまり警備員さんと対面することってないですよね。

藤木：マネージャーが一緒だったり、スタッフさんが出迎えてくれたりするからかと思いますけどね。

──今お話にありましたが、劇中、小森かなは「顔パスでスタジオに入る！」ということを目標にしています。お2人は、デビュー当時に目標にしていたことはありますか？

藤木：目標とは違うかもしれませんが、『森田一義アワー　笑っていいとも！』の「テレフォンショッキング」のコーナーに出演することになって、「いいとも！」と言ったときはうれしかったです（※）。

※「テレホンショッキング」は、タモリさんと日替わりゲストのトークコーナー。ゲストが次回出演するゲストを紹介し、電話をかけて出演依頼をする。その電話で、タモリさんが「明日来てくれるかな？」と呼びかけ、「いいとも！」と次回ゲストが返答することが恒例でした。

趣里：たしかに！それはうれしいですね。

藤木：俺、芸能人じゃん！っていう（笑）。

趣里：すごい！私は、「お芝居って面白い」と思ったきっかけが、岩松了さん演出の舞台「シェイクスピア・ソナタ」を観たことなんです。もともとバレエをやっていたのですが、ケガをして続けられないというときに、舞台を観に行って、「こんな世界があるんだ」と衝撃を受けて。同じ舞台を6回くらい観に行きました。

藤木：えぇ！？

趣里：今思うと、自分でも怖いです（笑）。でもそれが、初めてバレエじゃない舞台に出てみたいと思って、お芝居のレッスンを受けるようになったきっかけで。

それから岩松さんの舞台のオーディションを受けて、出演させていただくことができて、すごくうれしかったです。今も、岩松さんの舞台に出続けられる人でありたいし、岩松さんのセリフを言い続けたいという思いがあります。

──劇中、キーアイテムとして飴が出てきます。お2人には「これがあると、ちょっと元気が出るな」というアイテムはありますか？

趣里：お菓子で言うと、私が常に持ってるのは、せんべいとグミです（笑）。

藤木：すごい組み合わせだね（笑）。

趣里：あると落ち着くんです。現場にも、車にも置いてあって、無くなるとマネージャーさんが入荷してくれます（笑）。

藤木：そのせんべいは、決まってるの？

趣里：「雪の宿」という、白いの（砂糖）がついてるせんべいが大好きです。あとは、「ばかうけ」も常に持っているのですが、シーズンごとにブームがあって、今は青のり味です。

──グミはどんなものがお気に入りですか？

趣里：今ハマっているのは、「男梅」のグミです。口寂しいときに食べちゃいますね。

──藤木さんは、何か元気になるアイテムはありますか？

藤木：え～、お菓子は持ち歩いてないしな。

趣里：ははは（笑）。

藤木：元気になるということではないですが、ルービックキューブはいつも持ち歩いてます。時間つぶしにやると落ち着くので、すごく大事なアイテムです。

──最後に、ドラマの見どころをお聞かせください。

藤木：どういう仕上がりになってるのかわからないので、ドキドキしています。3夜連続でそれぞれ違う世界観が見られると思いますし、吉住さん、水川かたまりさん、岩崎う大さん、3人の芸風というか、違いを楽しんでもらえるといいなと思っています。

3話とも台本は読みましたが、第3夜は特にカオスすぎて…本当に楽しみです（笑）。

趣里：3話とも色が全然違う作品になっているので、違う話かと思われると思いますが、すべてが繋がっていて、ちゃんとオチがあるので、3夜連続で楽しんでほしいです。

あと、藤木さんのかっこいい警備員姿は、絶対に見ておいたほうがいいと思います（笑）。

藤木：ははは（笑）。でもさ、3話を繋げるために、1話のラストが“あんなこと”になっちゃってるんでしょ？

趣里：そうです！

藤木：あれちょっと切ないよね。

趣里：切ない！1話は、とんでもない、衝撃的なラストです！日本中が泣きます（笑）。

撮影：今井裕治