自作の“代用マスク”、現役医師はどう考える？

めざましmedia編集部

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新型コロナウイルス感染症（COVID-19）の感染が広がる中、日本各地でマスクが購入できない状態が続いている。

深刻なマスク不足が続く中、3年前に警視庁警備部災害対策課のTwitterアカウント（@MPD_bousai）で公開した＜簡易マスク＞が今、再び話題に。“キッチンペーパーを蛇腹に折り両端に輪ゴムをつけホチキス止め”（原文ママ）するだけでマスクが作れる方法を公開しており、3月2日現在では1.5万回もリツイートされ注目を集めている。

キッチンペーパーで簡易マスクを作成。キッチンペーパーを蛇腹に折り両端に輪ゴムをつけホチキス止め。ホチキスの位置で大きさを調整でき、とても簡単に作ることができました。娘に着けてもらったところ「苦しくない。いい感じ。」とのこと。密閉性には少し欠けますが、砂ほこり等は十分に防げます。 pic.twitter.com/sb46djvi45
— 警視庁警備部災害対策課 (@MPD_bousai) August 6, 2017

使い捨てタイプのマスクがなかなか手に入らない今、このような“代用マスク”は有効なのだろうか。

マスクは「手が口元や顔に触れるリスクを減らす防護壁」

審美歯科クリニック「ホワイトホワイト」恵比寿本店院長で歯科医師の石井さとこ氏に話を聞くと「マスクは手作りであるものを含めて、汚れた手が口もとや顔に直接触れるリスクを減らしてくれます。感染リスクを減らす防護壁の役割はすると思います」とした上で「“手作りマスク”は肯定派です」とのこと。

“キッチンペーパーマスク”については、「キッチンペーパーで簡易的に作られたマスクはフィット感があまり良くないです。市販されているマスクは鼻のところにワイヤー等が入り、自分の鼻や顔にフィットするように作られていますが、キッチンペーパーで作成すると、どうしても個々の箇所に隙間が生じてしまい、結果、飛沫が隙間から飛散しますので、ガーゼを介入させるなどして密封させる工夫が必要と思います」という回答だった。

“フィット感”や“密封”がキーワードとなる一方で、肝要の“ガーゼ”を活かした代用マスクを自作する人たちも増えている。

假屋崎省吾は、オフィシャルブログに＜もうマスクが無い、手作りで!!＞と題する記事を投稿。バラ柄のガーゼハンカチを三つ折りにしたマスクを写真付きで紹介し、「これでなんと24層にもなるからね」とアピールしている。

●オフィシャルブログ「華道家假屋崎省吾の世界」

https://ameblo.jp/kariyazakishogo/entry-12577947458.html

コットンなど柔らかな素材も有効

慢性的なマスク不足が続く中、手芸品を扱う専門店では、マスクの“手作りキット”や材料の売れ行きが増加したという報道もある。さらに、ハンドメイドに特化したコミュニティサイトでも、マスクの作り方についてアイデアを出しあうキャンペーンが開始されている。安全ピンやゴムを用いた“縫わないマスク”や、お茶パックを使用したマスクなど、ユーザーの創意工夫が施されている。

＜無いならば、自分で作る＞という動きが徐々に起こりはじめているが、石井氏によれば「皮膚に直接触れるものですから、（ガーゼ以外にも）マスクと顔の間に空洞を作らずフィットさせるためにも、例えばコットン100%の薄いタオル地なども良いと思います。ナチュラル素材であれば、アレルギーをお持ちの方や肌が弱い方にも使いやすいですね。柔らかなもので付けていて心地よいと感じるのも大事です。さらに、毎日洗えて、乾きやすいものも、実用的だと思います」という。

自作マスクは「毎日洗濯して清潔な使用を」

自分で作る代用マスクについて、石井氏は「布で作るときには、毎日洗い流さなければマスクの外側表面に付着した菌やウィルスは落とせないので、毎日のお洗濯が必要になると思います。洗剤でお洗濯出来て、清潔に使用する事が、手作りマスクの大事な条件ですね」とコメント。こまめに替えが利くように複数のマスクを用意しておいたほうが良さそうだ。

繰り返すが、顔とマスクの間に隙間が無いようにフィットするように装着し、はずす際は、病原体が付着しているリスクのある表面に触らないようにするのがポイントだ。

国内での感染拡大のスピードを抑制できるかどうか、この1〜2週間が瀬戸際だとされている。石井氏は「自分の飛沫がなるべく飛散しないように個人で工夫することは、手作り・市販にかかわらず必要なことだと思います」と強調した。マスクの買い占めを控え、今自分たちにできることは何かを考えながら引き続き警戒が必要だ。