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内戦で友達も死んだ。にしゃんたが日本人に伝えたいこと

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スリランカ出身のタレント・にしゃんた。

テレビ・ラジオの情報番組やバラエティ番組でのイメージが強いが、羽衣国際大学教授(経済学博士)という肩書があるほか、随筆家、落語家、空手家、講演家など多くの顔を持っている。

現在は、自分自身の体験などを通してダイバーシティ(多様性)について講演する活動を全国各地で積極的に行なっている。

外国人の受け入れを拡大する改正出入国管理法(改正入管法)が2019年4月に施行されて、まもなく一年。

にしゃんたに、なぜ「多文化共生」が必要で、これからの日本が外国人とどう向き合っていくべきかなどについて話を聞いた。

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阪神淡路大震災が生んだ多文化共生

――にしゃんたさんは「多文化共生」をテーマに取り組まれていますが、どういうきっかけですか?

私が多文化共生に関わるきっかけになったのは「阪神淡路大震災」です。最近は訪日外国人ののために標識や案内等の多言語化が進んでいますが、日本社会で多言語化が本格的に始まったのはあの時なのです。

阪神淡路大震災の年は、ボランティア元年、多文化共生元年と言われています。あの時、被災地に多くのボランティアが集まり、例えば医療や福祉など多くのサービスが提供されましたが、それらを享受できない外国人がいたのです。

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理由は、「言語の壁」です。被災地では日本語でしか情報発信されず、例えばどこに行けば医療サービスがあるか、無料のお風呂があるのか、行政サービスを受けられるのかわからない人がいました。その気づきをきっかけに多言語相談窓口や「FMCOCOLO」などの多言語放送局などが誕生しました。

日本の社会には基本的に日本語しかありませんが、日本語ができない人も、日本で同じように生活が出来るようにする必要があるんだという思いが阪神淡路大震災をきっかけに日本社会で生まれます。

そこで、私も仲間と共に株式会社グローバルコンテンツという会社を立ち上げました。「どこでポルトガル語のニーズがあるのか」「ここにはタガログ語(フィリピンの母国語)のニーズがある」といった具合に全国をまわって多文化共生のニーズを調べ、日本に住む外国人のために携帯端末を介して母語(多言語)で情報提供するサービスをはじめたのです。

多文化共生という言葉が生まれて、本格的に普及していく中で誕生した会社です。

スリランカ内戦を経験。きっかけは多文化共生の失敗

――多文化共生を考え出しのたが、スリランカ内戦の影響と聞きました。いったい何があったのでしょうか。

スリランカは、国旗を見てもわかるように、自他共に認める多民族、多宗教、そして多言語国家です。言語に関して3つの言語が平等に保障されていて、どの言語でも教育を受けられます。

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そこまで進んだ多文化共生社会でありながら、共生をめぐって25年間殺し合っていました。

1956年、首相候補であったバンダラナーヤカが「私が当選したら、公用語を多数派の言語のシンハラ語にします」という、いわゆるシンハラ・オンリー政策の公約を掲げたことがきっかけなのです。ナショナリズムにスイッチが入った瞬間です。

彼が首相に選ばれその公約を実現しようとすると、少数のタミル民族からは「今まで同じように言語の平等性を保ってほしい」との声が上がりました。

バンダラナーヤカ首相はその意見に耳を傾け、「マニフェストそのものが間違っていたので正します」と政策方針を転換しましたが、今度は「裏切り者」と身内が許さない。1959年9月、仏僧がピストルでバンダラナーヤカ首相を撃ち殺したのです。

その後も、この言語問題が解決されることなく、こじれたことで内戦がはじまり、25年も続いたのです。

マイノリティとマジョリティが共生できず、殺し合い、その中で私の友達なども死んでいきました。文化的に違う者同士が共に生きていく中で、互いの人権を尊重し、丁寧に生きていかないと一つの国が壊れてしまうのです。

日本も事実上の移民の受け入れがはじまりました。日本も、多文化に対する丁寧さが欠落したら将来こじれてしまうのではないかと、実は懸念しています。

そのようなことが、私が大好きなこの日本で起こしてはならないと、そのために、全国をまわって講演をしたり、文章を書いたり、大学教員やコメンテーターとしても、多文化共生の必要性を説いています。参議院選に立候補したのも、そういう実体験が原点にあったからです。

――実体験のからの信念は、固いですね。

どこからか借りてきた言葉ではないんです。動物の本能として、僕ができることはあると思っています。私の実体験は消しようがないです。これは私が社会に貢献できる最大の強みなのです。

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【にしゃんた 羽衣国際大学 教授(経済学博士)/ タレント】
セイロン生まれ。高校生の時に来日、日本国籍を取得。スリランカ出身、教授、タレント、随筆家、落語家、空手家、講演家、子育て父、僧侶などの顔を持つ。大学で教鞭をとる傍らメディア出演や講演活動を行う。「違いを楽しみ、力に変える」(多様性と包摂)をテーマに全国各地で講演していることなどから「Mr.ダイバーシティ」と言われることも。ボランティアで献血推進活動に積極的。

【聞き手:株式会社クロボ代表取締役社長CEO北氏智弘】
2019年3月に株式会社クロボを設立し、訪日外国人や海外をターゲットとしている企業にグローバルで活躍ができる人材紹介を行っている。

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