前世で犯した殺人!?古いビデオテープが語る真相『シャーロック』第6話完全版

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誉獅子雄（ディーン・フジオカ）が珍しく眠っていると、いつものように江藤礼二（佐々木蔵之介）が捜査依頼に来ている。江藤が若宮潤一（岩田剛典）と見ているのはテレビやネットで話題持ちきりの前世殺人のニュース。

17歳の女子高校生・高遠綾香（吉川愛）が自ら告白した殺人を捜査すると遺体が発見されたのだ。しかし、遺体は死後20年以上が経過している。綾香は自らが生まれる前の殺人について、前世で殺害したと証言したのだ。若宮と江藤が事件について意見を交わしていると、獅子雄が起きてくる。

獅子雄は過去に発生した前世の記憶について語り、前世殺人だったら盛り上がると飛びついた。

獅子雄は若宮、江藤とともに綾香の家に行く。娘を罰するつもりで来たのかと憤る母親の美樹（霧島れいか）に対して、父の一也（二階堂智）は冷静に対応。獅子雄は前世の記憶を持つと言われる人間が存在したことを綾香に話して心を開き、話す機会を得た。綾香の部屋に入って話を聞く獅子雄は、彼女が不眠症であることを見抜く。綾香は塾帰りに男から襲われそうになったPTSDから不眠症になり、大学病院でカウンセリングを受けていた。

綾香を治療していたのは、PTSDの権威、平田初雄教授（伊藤洋三郎）。しかし、平田はすでに退官していた。獅子雄たちは平田が勤めていた大学病院を訪ね、准教授の宇井宗司（和田正人）と会う。宇井は平田退官後、患者を引き継いでいた。綾香のことを聞きにきたのかと察し、患者個人については答えられないと言う宇井。すると獅子雄は前世について尋ねるが、バカバカしくて答えられないと一蹴されてしまう。研究室で、宇井はカナリアを飼っていた。獅子雄は、宇井が近付くとカナリアが鳴き止むことを確認する。

綾香が証言した遺体の身元が判明した。田島純子という名前で、殺害当時は高校で英語教師をしていた。純ちゃんと呼ばれるであろうことから、綾香の証言とも一致する。また、衣類からアラビアゴムが検出されたことで、江藤は綾香の母、美樹の犯行を疑う。アラビアゴムは絵具の原料で、美樹は陶芸教室に通っていた。陶磁器は仕上げの際に絵具を使用する。獅子雄は前世との関連にこだわるが、江藤は美樹の動機を調べ始めることに。

ベーカーハイツで若宮が、平田と宇井の論文を整理していると獅子雄がカナリアの入った鳥籠を持って帰って来た。獅子雄がカナリアの世話を若宮に押し付けていると、江藤も来る。がっかりした様子の江藤。アラビアゴムを原料とする絵具は陶磁器には使用されなかったのだ。獅子雄は、若宮の用意した論文に没頭してゆく。

再び宇井を訪ねた獅子雄は自分もカナリアを飼ったと切り出す。そして、炭鉱でのカナリアの話をし出す。有毒ガスに弱いカナリアがさえずりを止めることで落盤を知る手段だ。宇井は島根県出身で、かつて祖父が石見銀山で働いていたのだ。獅子雄は綾香への治療を聞くが、守秘義務として口を閉ざす宇井。獅子雄が記憶操作をしたのではないかと尋ねるも、宇井は取り合わない。しかし、獅子雄は宇井が記憶操作の研究をしていたことを論文から知っていた。

獅子雄は若宮とともに、綾香に会いに行き、もう一度前世の話をして欲しいと頼む。警察への証言を繰り返す綾香。綾香の家を出る時、獅子雄は美樹に綾香のカウンセリングには毎回付き添ったかと聞く。美樹は宇井に代ってからは、基本的に綾香一人で行っていたと言う。また、宇井は平田がカウンセリングしている時から、傍にいたことも話した。そして、獅子雄は美樹も島根出身だと知る。

退官した平田の家にカナリアを携えて向かった獅子雄は、ベルを鳴らすが返事がない。カナリアも鳴きやんでしまう。獅子雄は美樹の過去と平田の家を捜索するよう江藤に連絡。獅子雄の懸念通り、平田は亡くなっていた。練炭が焚かれ、遺書もあったことから江藤は自殺とみる。死亡日は前世殺人が報道された翌日と推定された。また、遺書には患者のカウンセリングを記録したビデオテープが添えられていた。獅子雄は、これが前世殺人の正体だと江藤に告げる。

20年前のカウンセリング記録には、被験者の女性がジュンちゃんを殺したことを証言していた。しかも、ある男性に命令されたと。平田は遺書に、この女性の告白を綾香に植える記憶操作をしたと書かれていた。若宮と江藤は、これで前世殺人は落着したと安堵するが、獅子雄はまだ終わっていないと言う。

数日後、獅子雄は宇井を訪ね、自分を治療してもらえないかと聞く。記憶操作で忘れたい記憶を消したいと獅子雄。また、獅子雄は平田は記憶操作に反対していたと切り出し、遺書は宇井が書いたものだろうと続ける。なぜ自分がと問う宇井に、獅子雄は平田を殺したからだと突きつけた。最初に獅子雄があった時、宇井がカナリアに近づくと鳴きやんだ。獅子雄は宇井の体から、一酸化炭素を感知したのではないかと言うのだ。平然としている宇井を前に、獅子雄は江藤に電話。すると、クミコが島根で調べた件が獅子雄にメールで送信される。

メールには高校時代、島根に住んでいた美樹が宇井のストーカー被害に遭っていたことが書かれていた。そのせいで、宇井は高校を中退。現在になって付き添いで来た美樹に再会し、歪んだ愛情を綾香に向けたのではないかと問う獅子雄を宇井は否定する。その頃、若宮は美樹に宇井との経緯を聞いていた。嫌いなタイプだった宇井に手紙をもらっただけで、ストーカー扱いしたことを思い出す美樹。

宇井は再会した時に、美樹が全く覚えていなかったことに苛立ちを覚えていた。傷つけられた方は記憶を引きずっているのに、傷つけた方は記憶すら残さず幸せに暮らしていると恨んだ宇井は、綾香に記憶を植え付けたのだと話す。実験は成功したので、宇井は見逃して欲しいと獅子雄に頼む。記憶に苦しむ人を救えると言う宇井だが、獅子雄は嘘をつけと切り返す。

綾香の恐ろしい記憶を植え付けたのは、美樹が医師の自分を頼ってずっと頭を下げ続けるからだと。また、実験は成功などしていない、綾香は記憶を操作されたフリをしていただけだと明かす獅子雄。綾香は両親の気を引くためにやっていたのだ。最後に獅子雄は、ビデオテープの女性に殺人を命令した男の名を尋ねる。男の名は、守谷壬三。記憶操作の宇井は逮捕されたが、獅子雄と若宮に思わぬ人物の記憶を呼び覚ました。